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みんなのレビュー15件

みんなの評価4.6

評価内訳

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  • 星 3 (1件)
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15 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

こまやかな描写とドラマチックな構成、まるで小説のようなノンフィクション。

2010/10/18 16:49

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 世界恐慌の時代、アメリカにルーズベルト大統領よりヒットラーより
クラーク・ゲーブルよりマスコミをにぎわした馬がいた、それがシービ
スケット。といってもこの馬、初めから名馬だったわけではない。誰も
が見捨てた稀代の暴れ馬を無名の調教師が育て、片目の騎手が乗って世
界最強の名馬にした。それまでには馬のドラマ、人のドラマ、まさに波
瀾万丈のドラマがあって、読み始めたらなかなか巻を置くことができな
かった。作者が女性ということにも驚くが、彼女ローラ・ヒレンブラン
ドは当時の騎手達の悲惨な生活などこまやかな描写の積み重ねとドラマ
チックな構成で、まるで小説のようなノンフィクションに仕上げている。

 クライマックスは、三冠馬ウォーアドミラルとの2頭だけのマッチレ
ース。いやぁ〜これはもう興奮する。この作者、レース描写が驚くほど
うまいのだ。そして、さらにもうひとつの驚きがその後に待っている。
これは言わぬが花だと思うが、本当に手に汗をにぎり、ドキドキしてし
まう。エピローグもとてもいい。競馬ファンに限らず誰にでも読んで欲
しい物語。映画も見たが、レースシーンがすごくてこれもまたよかった。
すでに映画を見た人はぜひ原作も、本が先なら続けて映画もどうぞ。

ブログ「声が聞こえたら、きっと探しに行くから」より

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紙の本

競馬を好きでもない私だって、こんなに読書を楽しんだことは久しぶり。雨にたたられ、出走取り止めを繰り返す脚の曲がった馬は、涙ばかりじゃあない、夢を与えてくれるんだ

2003/09/19 21:24

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

私は競馬が好きではない。馬が走る姿は好きだけれど、どうも賭け事というのがダメらしい。だから、馬の名前といってもハイセイコーとシンボルルドルフくらいしか知らない。当然、シービスケットなんて聞いたこともない。だから、普通で言えば、この本を手にする理由はゼロに近い。私を動かしたのは「本の雑誌」。これほど多くの書評家が誉める本も珍しい。感想を書こうと思って、全体をさっと読み直したら、涙が止まらなくなった。アメリカが恐慌の闇の中であがいていたとき、学校の教科書には全く出ていないけれど、人々はこんなところに光を見ていた。一頭の馬が、アメリカ中を熱狂させた。残したものは、夢と希望。競馬も捨てたもんじゃあない。

チャールズ・ハワードは1877年生まれ。26歳の時、たった21セントをポケットに生活をスタートさせた。まだ自動車が馬車に道を譲らなければならない、そんな時代だった。彼は自動車とともに歩み、1920年代の半ばには西部の自動車王となっていた。しかし、自動車事故で三男を失ったハワードは、その情熱を次第に競馬に傾けるようになっていた。運命の年1936年、ハワード59歳。

トム・スミスは計算では1879年生まれ、寡黙な調教師。彼の無口を示すのは「スミスが誤って、足の指を斧で切り落としてしまったところを見たことがある、と証言する男もいた その時スミスは、ブーツを逆さにして切断された指を振り落とし、ひとこと「わしの指」とだけ口にしたという」。読み返して、思わず笑ってしまった。彼と新聞記者との駆け引きも面白いけれど、列車の中で苛立つシービスケットを宥めるために本を朗読する場面があって、彼の声が闇の中で馬の気持ちを和らげていく様子が手にとるように伝わって、いいなあと思う。運命の時、57歳。

シービスケットは1933年生まれ。父は、気性の荒いことで有名なハードタックだが、子供はみすぼらしく、スミスに見出されるまではその才能を隠し通し、彼を手放した最初のオーナーを歯噛みさせることになる。天才調教師との運命の出会いは三歳の時。1940年のサンタアニタ・ハンデ戦を最後に引退。1947年、14歳で逝く。その墓所を知るものは、ハワードと、その息子たちだけである。

ポラードは1909年生まれ。貧困のなかで、騎手となることを決心し、ようやく努力が実り始めた彼は、不調の26歳の時に、歴史を変える男たちと出会う。レースで右目を傷つけ失明していた彼は、その事実を隠しながら、シービスケットに勝利をもたらし続けるが、再起不能の負傷のため、友人であるウルフに騎手の座を譲る。

そしてもう一人、ジョージ・ウルフがいる。1910年生まれ。運命の年、26歳。シービスケットに栄光をもたらした天才騎手は、糖尿病に苦しみながら数々の栄冠を手にしていく。1946年、35歳のとき、レースで騎乗したまま糖尿病で気絶し、落馬し死亡。今も彼の像はシービスケットのそれとともにサンタアニタ競馬場を飾る。

最後が、シービスケットの前に立ちはだかる東部を代表する名馬ウォードアドミラル。1934年生まれ、シービスケットと賞金争いを繰り広げながら、1937年に相手を抑えて年間最優秀馬に選ばれ、翌年、ピムリコで、シービスケットと歴史に残る激闘を繰り広げる。

騎手を取り巻く危険、競馬場経営、民衆の熱気、マスコミ、東部と西部との対立などが実に丁寧に描かれる。個人的に印象に残ったのはあとがきで北上次郎も少し触れているティファナ競馬場の厩肥の山のことだ。醗酵し熱を持った糞の山に、騎手たちがサウナ代わりとばかり飛び込み体を温めるというのが凄い。おまけに10年にわたって堅牢さを誇った山が、雨で押し流され、家々を町を競馬場を破壊する。それを、馬糞のゴジラと評するあたりは、絶句ものだ。ヒレンブランドの膨大な情報を整理する手際は、見事としか言いようがない。

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紙の本

実話。だからこそ感動

2004/06/08 16:22

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Yan - この投稿者のレビュー一覧を見る

アメリカの大恐慌時代に
大人気だった競走馬の実話
シー・ビスケットという名の手のつけられない駄馬
がどのようにして実力ナンバーワン、人気ナンバーワンの
馬になっていったか。
見放されて打ち捨てられていた馬と
馬主と調教師と騎手の出会いが、
ドキュメンタリーでも見るように
鮮やかに詳しく書かれている。
競馬は馬だけではなく、4者がひとつになって初めて
成り立つ競技なのだということをわからせてくれる。
調教師のトムの目利きがすばらしい。
そのトムを発掘した馬主のハワードもすごい
さらに、馬の性格を知り尽くして
馬と一体になれる騎手ポラードはもっとすごい

ポラードは片目が見えなくなって
騎手生命も危ういというのに不屈の精神というのか
騎手としてもって生まれた天性というのか
馬への愛着というのか
そういうものをすべて溶け合わせて力を発揮する。
大怪我をして騎乗できなくなったとき
代わりにシービスケットに乗るウルフと作戦して
最大の敵ウォーアドミラルにきっちりと勝つ
ところで胸がドキドキした。
怪我で再起不能に陥ったポラードが
シービスケットの引退戦のサンタ・アニタハンデ戦で
有終の美を飾ったところなど
読んでいてゾクゾクした。

実力をつけて他の馬よりも負担斤量が多くなった
シービスケットを気遣い、他の調教師に
自分の調教を悟られないよう苦心するトムは
努力家以上の策略家だ。

自転車修理業から身を起こしたハワードが
シービスケットとポラードに対する愛情は
父親のような感じだ。


苦しい時代にひとつのことに人生をかけられる
人間。それに答えた馬一頭。
人生を一つのことにかけられる
単純だけれど前向きでひたむきな
そういう人間と馬が生んだ感動の実話なのだ


Yanの花畑

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紙の本

これは「奇跡」というより「非運の名馬と男たちの軌跡の物語」である

2003/12/07 14:31

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る

競馬にちなんで「一気に」読んだと言いたい所だが、生憎、そうはならなかった。
「これって…本当にいた人や馬だし、本当にあった事、なんだよねぇ。」
何度もこう言っては、写真や年表をためつすがめつ、頁を繰っていたからだ。
本の中に書いてある事が、あまりにもドラマティックで、架空の出来事のように思えたから、
全てが、本当に起こった事なのだと確信するまで、何度も読みかえした。

まず、登場人物の紹介。
シービスケットの馬主となる、チャールズ・ハワード。
1903年、東海岸のNYから21セントの所持金だけを持って、サンフランシスコで自転車
修理業を始めた時、彼はまだ、26才だった。西部の自動車王となったチャールズは、
車の登場で居場所を失った馬の、もう一つの就職先に興味を持つ。競馬である。
しかし、彼には「勝つべくして勝つ馬を育てるより、見てくれの悪い馬、
自分がこうと決めた馬をレースに出して、勝たせたい。」というこだわりがあった。
そして、シービスケットの調教師、トム・スミス。
私生活も謎に包まれ、とてつもなく無口。彼もまた、自分の調教法と勘にこだわる男だった。
何度となく、周りから見放された馬に、あっと驚くカムバックを果させている。
次に、シービスケットの騎手、レッド・ポラード。
破産し、赤貧生活の中で懸賞ボクサーとして収入を得ながら、ラルフ・ウォルド・エマーソン
を愛読するアイルランド系の赤毛青年は、カナダからアメリカにやって来た時、
まだ15才だった。見知らぬ土地で、たった一人スタートを切った彼は、
気難しい馬を乗りこなす騎手として、注目される。彼もまた、自分の納得いかない
事にとことん噛み付いてゆく、こだわる男だった。
そしてシービスケット。牡なので彼と呼ばせてもらう-彼もまた「走る気がある時に走る」
というこだわりを持っていた。
また彼は、よく「抜きたいでしょ? 抜きたいでしょ? でも、抜かせてあげないよ!」
と言わんばかりに、共に走っている馬をなぶるように抜いたらしい。
そして、抜かれた馬を「ああ、俺は、再起不能なんだぁ!」
と奈落の底にとことん突き落とす、小悪魔的な面も持っていた。

おわかりのように、ここに出てくる三名+一頭は、「どう作り込めば感動的か、どう描けば印象的か。」と、
劇作家や脚本家が、幾日も頭を悩ませて、生み出した登場人物よりも、遥かに個性的である。
普通、こんなにこだわりキャラばかり集まったら、衝突ばかりして収拾がつかない。
だから、まず結びつかない。
けれど、そんな彼等が手を携えて、東部の名馬ウォーアドミラルとのマッチレース、そして悲願のサンタアニタ・ハンデ戦という共通の目的に挑んでゆく。
そんな「小説より奇なり」な事実を裏づける過程が、次から次へと登場するのが、本書なのだ。
面白くないわけがない。
出走の事でハワードと争うスミス。共に再起不能と言われたシービスケットとポラードのリハビリ生活。
人間達が、自分のエゴや欲求よりも、「ハートがある」シービスケットの事を、何よりも大事に思っているエピソードには、心暖まるものがある。
あの無愛想なスミスが、シービスケットの調教タイムを測ろうとしていた新聞記者からストップウォッチを取り上げ、
「どうです?」
と聞いた男に、シービスケットのタイムを聞かれた事を百も承知で、
「見たところ問題ない かなりいい時計のようだ。」
と、とぼけた答えを寄越す、爆笑もののエピソードもある。
(p200)

盛り沢山のエピソードと人が詰まった本書は、「奇跡の物語」と帯に書かれているが、読者が「奇跡」という言葉に、『棚からぼた餅(労せずして 思いがけない運をつかんだ)』のニュアンスを感じ取ってしまうと、文字通り心身を削って栄光を勝ち得た彼等に、とても失礼な事になる。
同じ「きせき」でも、「軌跡」を使った方が、実は本書の本旨にかなっているのではないか。

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紙の本

「競馬の物語なんか…」と言っていてはいけない、物語でした。

2004/03/06 14:43

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:春夏秋冬 - この投稿者のレビュー一覧を見る

私は負け犬が成り上がっていくストーリーにはとても心がうたれる。絶望的な状態からの復活劇は、涙なしには語れません。この「シービスケット」に出てくる者達は、残念ながらみんなが負け犬。時代、恐慌にのまれた人たち。「気がついたら声援を送っていた。」なんていうのは、あたり前な物語でした。
自転車修理工で大成功を収めた実業家のチャールズ・ハワードは、家族の死を未だに引きずって生きている。
レッド・ポラードは少年時代に親に、「置いていかれた。」という思いに心は荒んでいた。
トム・スミスは、人を好まず、馬を好む無口な調教師。
そしてシービスケット。反抗的な馬だ。
一見、どう考えてもかみ合いそうにない三人と一匹が力をあわせ、さまざまなトラブルを乗り越えて勝利をもぎ取っていくストーリーは、激しく心を揺さぶられた。しかもこれが実話で、彼らが勝利するたびに、何万という人々の心に感動と希望をもたらしたという事実は、感動をよりいっそうの感動にした。
しかし、ただの「感動実話」で終わらせなかったのが、シービスケットと騎手の一体感を感じる事が出来たからだと、私は思う。競馬の面白さと危険を同時に体感できたのだ。
私は、この物語に大きな拍手を贈りたい。雑誌などでも良く目にし、とても良いと評価されている。しかし、ここまでの書評は「私」にとってであって、「万人」ではない。確かに良く出来ている。だからこそ、「出来過ぎている。」と思う人もいるだろう。しかし、この「実話」をストレートに受け止められる人なら、勧められない理由はどこにもないと思う。

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2005/02/03 15:36

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2005/05/16 00:57

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2007/05/06 13:58

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2007/08/18 20:33

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