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マンガ金正日入門 北朝鮮将軍様の真実 みんなのレビュー
- 李 友情 (作・漫画), 李 英和 (訳・監修)
- 税込価格:1,320円(12pt)
- 出版社:飛鳥新社
- 発行年月:2003.8
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コミック
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紙の本
マンガというメディアで見る青年が権力禅譲を受けるまで
2005/01/23 19:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
反北朝鮮を鮮明にした作品です。訳者関西大学助教授の李英和さんも、あとがきで韓国の太陽政策(北東アジアの安定化のために北朝鮮現体制の政治的安定を求める親北朝鮮政策)を、はっきり間違っているとする立場を鮮明にしています。またノムヒョン大統領政権下で発禁処分になったという話題つき。とはいえ右から左まで様々な意見があると思うが、メディアとは政治的に「絶対必ず偏向している洗脳の道具」だということを自覚して読めば、これほど情報のぎっしり詰まったものはないと思う。
韓国や北朝鮮は、非常に政治的に両義的な場所なので軽々しい発言は難しい微妙な対象ですが、僕としては主人公の成長を描くビルドゥングスロマン(教養小説)の印象を強く受けた。僕のような読み方をする人が多いかどうかは分からないですが、1941年にソ連で生まれた内向的な金ユーラ(現在のキムジョンイル)という男の子が、事実上の国王である金日成の後継者に、実力で登りつめていく様が描かれていて、偏見を度外視してみれば、それはそれである意味ヒーローの物語です。若かりし頃はバイクなどの放蕩に耽ったバカ息子で、金日成の後継者とは全然考えられないほど勉強嫌いであり異母兄弟たちのほうが優秀だったなど、彼が必ずしも「必然的に」現在の地位に着いたわけではないことを感じました。また特に第4章の「負ければ地獄の後継者争い」で自分の息子(異母弟の金平一)に権力を継がせたい後妻の金聖愛との後継者争いの権力闘争での嗅覚の鋭い行動力は、その感を強くする。これを近代国家だと仮定するとおかしな気がするが、封建社会の王位継承争いだと考えれば、なんら不思議はない感覚だと思います。あきらかに封建社会ですよね、この政治体制は。
このマンガから読み取れる僕の個人印象(やや強引な解釈か)では、彼が権力を極めたのは、激烈な競争を勝ち抜いていることからも、実力だと感じました。容貌から、ただのお飾りかと思いきや、なかなかの人物だと思います。日本への反帝国主義運動の元老達や異母弟に軍事を抑える将軍達に、何よりも独裁者金日成がいるなかで、したたかに権力基盤を固め、現代ではほぼ唯一アメリカングローバリゼイションに真っ向から敵対する国家を権力禅譲後も統治、統一させ続ける手腕は、ことの善悪は抜きにして、見事だといえるでしょう。
彼をして、競争を勝ち抜かせたポイントは、二つあると思います。
ひとつは、若かりし頃の映画好きの経験。朝鮮のものではなくソ連や外国のものを好んだようです。共産主義の思想統制が厳しい中で、ほぼ彼「だけ」が自由に世界の情報とアクセスできた青春時代を送っていることになります。思考が、井の中の蛙ではないのです。海外の映画が好きであれば、今時分が住んでいる世界以外の「異世界」の文化や制度に興味と憧れがあるのはあたりまえです。そしてもう一つは、今は60代ですが彼のほとんどの官僚キャリアが、一貫して情報局であること。人事を押さえるために、秘密警察をフルに使う手腕に慣れていたことです。
そこで思い返してみると、湾岸戦争のブッシュ元大統領も、CIA畑の情報官僚出身ですよね。また何の地盤もなかった青年がイラクをバース党で完全に支配しきったイラクのフセイン元大統領も情報官僚出身です。つまりはメディアが発達した近代では、権力機関で情報局を押さえるということが、軍事を押さえるよりも重要なんだということかもしれません。映画好きで、軍人でもない青年が、どういう過程を経て一国の権力を握っていくのかは、興味深かったです。
紙の本
粛清の歴史
2004/01/13 02:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:妹之山商店街 - この投稿者のレビュー一覧を見る
金日成は抗日パルチザンの英雄である。これは歴史上の事実である。
しかし、たった一人の英雄ではない。たった一人で日本軍を追い出した訳でもない。
中国派への粛清、ソ連派への粛清、南労働党への粛清、甲山派への粛清。
そして最後に自らの出身基盤である抗日パルチザン派の一部への粛清。
この血みどろの党内抗争を経て、初めて金日正独裁体制が構築されたのだ。
金日成思想=主体(チュチェ思想)の理論的確立者=黄氏の南への亡命。
マルクスもレーニンも個人崇拝を厳しく戒めた。
レーニンは遺言でも墓を作るなと言っている。
しかし、スターリンは「レーニン廟」を作り、個人崇拝を広めた。
スターリンの政治技術主義の成せる業だ。
そのスターリンですら自分の子供への!権力移譲など行わなかった。
ナチスドイツ軍の捕虜となった自分の息子とドイツ軍幹部との交換交渉にも
応じなかった。(息子はドイツ軍によって銃殺された。)
親子での権力委譲とは、封建社会でのことである。
こんなものが社会主義と何ら関係などある筈がない。
紙の本
登場人物一覧表でも作ってもらえていれば
2005/03/14 20:15
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投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る
小林よしのり的な漫画をこれに望んでいてもダメだけれど(エンターテイメント性は多いに劣るし,漫画のレベルとしては下手上手(へたうま)),反金正日姿勢では小林とまったく同じだろうと思う。序章では日本人拉致被害者の事件を取り上げて,北朝鮮の反道徳的な国家行動の事例としている。北朝鮮素人の私としては,できれば,登場人物一覧表でも作ってもらえていれば,もっと理解が進んだろうに,とは思う。