紙の本
物語のおやつは味わえなかったけれど、物語の深い味わい方を松本侑子さんに教えていただきました
2005/05/24 07:07
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:NKポチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ぐりとぐらのカステラ」ってどんなおやつなのかしら?と
興味を持ち本書を選びましたが、それよりも何よりも、松本侑子さんの書評が素晴らしくて、彼女の文学への造詣の深さに感心させられました。
つい最近読んだ江国香織さんの「絵本を抱えて部屋のすみへ」と比べてしまったのですが、その書評スタイルがまったく違うことに気がつきました。
江国香織さんは、一見、その絵本の主題とはかけ離れているようなワンシーン、ワンフレーズをクローズアップさせて、そこに自分自身の心象風景を織り交ぜながら、読者をちょっとアンニュイな空気感漂う江国香織ワールドに誘い込んでしまい、うっとりと酔わせたところで、主題へと向けてラストにオチをつける、というような絵本をきっかけにして自分を語るエッセイ風書評スタイル。
それに対して、松本侑子さんは、作家に言及するスタイルで、作家がどこの国のどの時代に生まれてどんな暮らしをしていたかということを深く調査研究してあり、主人公の目線もセリフもすべて作家の分身であり、本はその視点で読むものよ、という文学者としてのセンスを教授してくれます。
特にこの本では、暮らしの中でも、どんな食生活をしていたかいうところに注目しており、物語の中に登場するおやつやお料理をもとにして、その材料を収集した恵まれた自然環境、風土、その時代の人々の日々の暮らしぶりまでもが、生き生きとした姿で私の目の前に現れてくるようでした。
物語の深い味わい方を知りました。
本書掲載のおやつももちろん、ステキ。
でもホットケーキもまともに仕上がらない私には、ちょっと作るのはムツカシそう。
そんな人でも、おいしそうな写真を眺めているだけでも、じゅうぶん幸せな気持ちになれますよ。
掲載の「物語のおやつ」は下記です。購入前のご参考にして下さい。
「ぐりぐら」のかすてら
「風にのってきたメアリー・ポピンズ」のジンジャー・パン
「あしながおじさん」のレモンゼリー
「ロッタちゃんのひっこし」のパンケーキ
「スプーンおじさんのゆかいな旅」ワッフル
「鏡の国のアリス」のバターつきパンのプディング
「エミールと探偵たち」のアップルケーキ
「さむがりのサンタ」のクリスマス・プディング
「赤毛のアン」の木苺水
「大どろぼうホッツェンプロッツ」のプラムケーキ
「若草物語」のブランマンジェ
「小公女」のぶどうパン
写真とエッセイのみ(作り方なし)
「ピーターラビットのおはなし」カミツレ茶
「赤毛のアン」レイヤーケーキ
「アンの青春」のオートミールとショートブレッド
「大きな森の小さな家」ブタの丸焼き
紙の本
ぐりとぐらのかすてら
2019/11/23 20:28
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際に作るような甲斐性はありませんが、読むだけで本当に楽しい本です。誰かに作ってもらって食べたいです。
紙の本
赤毛のアンの木苺水
2018/11/06 07:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年、プリンスエドワード島の赤毛のアンハウスに行ってきました!
木苺水の代わりにクランベリージュースが売っていて、
「翻訳上、木苺水となっているけど、このジュースが最も近いものだ」と聞きました。
この本を読んで、自宅でも木苺水を作ってみたいものです!
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おなじみの「ぐりとぐら」のかすてらから、「スプーンおばさん」のワッフルetc. レシピとエッセイとで物語の奥行きがさらに深まる。
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少女時代に大好きだった物語の中に出てくるお菓子って、本当においしそうでした。
前半のレシピは本当に物語の再現みたい。自分で作らない人も後半のエッセイになつかしい気持ちになります。
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ちいさな頃に読んだ絵本に出てきた美味しそうなお菓子、そのページだけ何度も開いた記憶があります。そんなお菓子のレシピが書かれた本です。(『ぐりとぐら』のカステラや『鏡の国のアリス』のバターつきパンのプディング、『あしながおじさん』のレモンゼリーなど)
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「ぐりとぐら」のかすてらや「鏡の国のアリス」のパンプディングなど、作り方と作者がそれらを読んだ感想が書かれている。おいしそうだし、子供の頃読んだ本をもう一度読み直してみたくなる。
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物語の中の食べ物って、どうしてあんなにおいしそうなんでしょう。
誰でも一度は経験があるのではないかという、物語の中のおやつへの憧れ。
そんなものが、ぎゅっとこの一冊に詰め込まれた感じの素敵な本です。
お馴染み「ぐりとぐら」のかすてら(!)、「赤毛のアン」の木苺水、
「あしながおじさん」のレモンゼリー、「小公女」のぶどうパン、などなど。
様々な物語の中のおやつのレシピ(だけでなく)、写真や、
物語の背景や食文化、時代などについても書かれたエッセイもあり、
単に「おやつを作って、はい終わり」ではなく、それぞれの物語について、
もっと深く知ることが出来るという内容になっていて、とても興味深いです。
目的がたとえおやつを作ることでなくても、十分に楽しめる本だと思いますよ。
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これはあの「赤毛のアン」シリーズ完訳で有名な松本侑子さんの本です。
私のように小さい頃からたくさんの本を読んで育った人には本当に嬉しいくらい、懐かしい世界中の名作と、そこに登場するお菓子。
そして、児童文学を研究されている方にはその他社会的、歴史的…実に様々な視点からその作品を解説してくれています。
この本を読んでみたら絶対に昔懐かしいあの作品がもう一度読みたくなるはず。そして、読み終えたらあなたもあの登場人物のように美味しいお菓子の虜になっていることでしょう。
ここに登場するお菓子はどれも、その国では昔から伝統的に受け継がれている、懐かしい母さんの味ばっかり。きっと数々の名作を書いて来た作家さんたちもそういう家庭に育ってきたのでしょうね。
私としては卒論に選んだ「DADDY-LONG-LEGS」が載っているのが嬉しかったです。当時どこを探しても参考文献を見つけることが難しく、なぜかわが校では私の卒論が参考文献になっているそうなので…(本当に役立っているのでしょうか…適当な事ばっかり書いていて…在校生のみなさま、ごめんなさい)。
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『ぐりとぐら』の巨大かすてらから始まって,『赤毛のアン』のいちご水,『大どろぼうホッシェンプロッツ』のプラムケーキなど,幼い頃おおいに憧れた「物語のおやつ」たちのレシピや,それらにまつわるエッセイ。
想像していたものよりおいしそうなものもあれば,ちょっとがっかり,というものまで様々。
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子どもの頃(もちろん今も)大好きだったお話たち。もちろん話自体、キャラクターたちも好きだったのだけど、何より、物語に登場する食べ物やお菓子に惹かれていた、食いしん坊な私。
すごく懐かしく、うれしい気持ちで読みました。レシピがついてて親切です。
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物語の中にはおいしそうなお菓子が登場することが多々あります。今でこそポピュラーなお菓子でも、小さい頃は未知のもの。ケーキやクッキーを家で作ることも珍しかったから、どんなものなのか想像もできないものもありました。
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私が絵本や児童書を読むのが好きになったきっかけの本です。絵本や児童書は、生きる知恵がいっぱいで、もしかしたら、子供のための本って決め付けること事態、おかしいのかもしれない。ある程度人生を歩んでこそ、つかめる大事なことがいっぱい詰まっているように感じます。その事に気付かせてくれたのが、この本です。
子供のころ想像だけで胸がいっぱいになっていた憧れのお菓子を再現してみるのもいいかもしれないです。紹介されたおやつは、ちゃんとレシピも載っています。
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初めて会った人でも、同じ本を読んで育った人とはすぐ仲良くなれそう。この本に出てくる『ロッタ』のパンケーキに、『アン』のレイヤーケーキや木いちご水に、私もどれほど憧れたことでしょう。多感な時期に読んだ本を大人になって再読すると色々見えてくる、と気づいたところなので著者思い入れたっぷりのエッセイにもうなづくことばかり。懐かしい本の話で友達と盛り上がった気分になりました。
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ちいさな時に美味しそー!と思ってたお菓子を作れるなんて!
でもいざ作ろうとすると、ついついその本を読み返してしまったり。