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僕らはマネーが絶対の価値ではないと思いながら、マネーに支配されていると知っており、マネーに計られる世界に生きている。
点数、成績、マネー。生活に根差している価値観《生活価値》とは乖離しがちだけど、共同幻想に根差した価値観で、だから共有しやすい尺度。主人公はそれによって絶大に評価されることを望み、ヘッジファンドに身を投じる。そしてその頂点を垣間見た時、そこではもはやマネーが自分を計ってくれないことに気づく。老先達は、自分はそこで「計られないことが自由」と気づいたのだと諭す。
そうなのだろう。しかしそれは…マネーに計られたいという欲求から解かれるには、マネーの計る極みに至らなければいけないのであれば、それはなんて苦しい仕組みだろう?
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MBAを取得した主人公と天才物理学者がヘッジファンドを立ち上げてマーケットの完全な予測モデルを作り、成功を目指すストーリー。一貫しているテーマは「マネーとは何か」。このテーマ、考えさせられる。
川端裕人が書いているだけあって人物描写がすごく魅力的で引き込まれる。
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ディテールが素晴らしい。この本で金融周りの専門用語や歴史の知識を仕入れることができた。統計物理を勉強していたのでヤンの説明する概念は馴染みのあるものが多くて学生時代を懐かしく感じた。これは十年以上前に出版されたものだが現在の研究の最先端ではどういった理解のされ方をしているのだろう。
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金融小説。
物理学用語や金融用語の乱発!
小難しい単語が連発されてて読みづらかったけど、内容はなかなか面白い。
カオスと呼ばれる複雑系の理論を用いて、金融の世界で荒稼ぎする主人公。
彼らが最後に目指したものは、為替相場を安定させること。
そんな中、一貫して問われているのは、「マネーとは何か」。
変態的にマニアックな世界観とアホみたいに深い洞察がたまらなく好き。
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夏のロケットがとっても面白かったので、これも読んでみました。
金融のお話なのですが、これも夏のロケットとはいかないまでも楽しむことができました。
お金のお話って難しい・・・。私は小額ですが株取引をしていて、少しだけ言葉がわかりましたが、まったく知識のない人は厳しいと思います。
儲けた時の高揚感や、損切りをしなければならない嫌な気持ちもある程度はわかったので、より一層物語りに入り込むことができました。
最後もきれいにまとまっていて、本当に良かった。のし上がっていく感じは本当に痛快ですね。
女性が2名出てくるのですが、最初の地味なお姉さんの存在意義がちょっとわからない。もしかして主人公の恋人になるのかと思ったけど、それも違う。早々に結婚しちゃったしw
真っ赤なスーツがトレードマークのド派手なおねえちゃんともしかしたら恋愛関係になっちゃうのか?なんて思いましたが、それも思い違いでした。
派手なおねえちゃんと天才が出てきた所は、夏のロケットに似ていますね。
主人公が余り飛び出た才能が無いのだけども中心となって物語は進んでいく。
わが人生もこうでありたいものだ。
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ヘッジファンド、マネー、経済物理学?に関する薀蓄がみっちりと書き込まれてあって面白い一冊。この作者の別の作品も読んでみたいと思わせる。