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時代背景は少し古いが、アメリカ留学体験記としては素晴らしい内容である。アメリカ滞在中、作者が味わった孤独感や疎外感、対抗意識、仲間意識などが実に素直かつ率直に語られており、おもしろかったです。自分は「留学生」や「旅行者」という立場でしか外国滞在の経験はありませんが、共感できる部分はたくさんありました。この本の最大の特徴は、著者の「分析力」ではないでしょうか。数学者なのだから、数学的分析に秀でているのは当たり前で、また社会的事象に向ける目の鋭さも人並み以上です。
ただ私が最も感心したのは、自分の内部・内面に向ける分析の刃の鋭さです。アメリカに着く前から、着いた直後、そして突然やってきた「危機」など。
著者はそのつど真剣に「戦い」ながら、常に自分を分析する。そして、それを 実に分かりやすい言葉で表現する。
「外国に行くと、かえって日本の良さがわかる。」たしかに、そういうこともあるのでしょう。しかし、本書を読んでみて、行ってみれば見えてくる、というものではない事がよくわかりました。
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「国家の品格」を書いた人が数学者だとは知らなかった。
聡史にもらって読んだ本。
作者の独特なアメリカの見方が面白い
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アメリカでの経験を大学内でのことだけでなく、日々の暮らしの色々な悩みや楽しみを表現豊かに書かれていて藤原氏の人間味を感じ取ることができる。いわゆるぶっちゃけ話もあり面白く読むことができた。
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藤原正彦さんの文章にはいつも引きつけさせられます。とても読みやすくてユーモアたっぷり。すらすらと読めます。
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著者の「アメリカ」に対する気持ちの変化が爽快感のある文体で綴られて、読んでて気持ちの良いエッセイだった。アメリカに留学してみたくなった。
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浦野所有。
2005年に出版され、大ベストセラーとなった『国家の品格』の著者・藤原正彦氏の、アメリカ研修時代のエッセイです。日本では考えられない、豪胆な体験が次々に現われて、読者を飽きさせません。やっぱり若いうちはいろんなことを経験しないとダメなのかな、などと、いらぬ後悔すら感じてしまう1冊でした。
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面白い。
賢いのに気取らない。素敵なおじさま、藤原さん。
研究気質と文才はお父様譲りか。
アメリカでの留学記。
バックパッカーとは違うけど素敵な旅。
小田実っぽい。好き。
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著者はだいぶいい意味で変わった人だったのだと思うけれど (特に当時は) 得意な数学によってどんどん前に進んでいく行動力には感服します。
当初、数学者という前歴のみで、本を読み始めたのに、文章の読みやすさにも感嘆しました。
他の本も読んでみたくなる、不思議な魅力のある文章でした。
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情報科教員MTのBlog (『若き数学者のアメリカ』を読了!!)
https://willpwr.blog.jp/archives/51528258.html
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歴史の浅い米国を、「涙のないアメリカ」という表現で綴っているところなど、いま読んでも爽やかです。米国を語ってはいるものの、けっきょくは祖国を語っているのです。痛快です。そして正彦は、英国へと赴きます。英国に涙はありました。米国という国は、涙がすぐに乾いてしまう、悲しい国なのです。
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数学者の話というよりも、単身渡米した一人の日本人の話。異国での葛藤、日本人としての矜恃が著者のみずみずしい文体で描かれている。やっぱりエッセイはいい!!
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合計342頁。読んだ人はみんな「グイグイ引きこまれた」という。賞を受賞したのも宜なる哉。
アマゾンのレビューに優れたものがいくつもあるのも、この本が名著である証だと思う。
著者はコロラド大学で授業を持ち、学部生に授業をするのだが
「一般的に言って、出来のよい学生は前方に陣取り、出来の悪いのは後方に坐る。特に、後方で、かつ出口に近い側に坐っているのはほぼ確実にダメな奴だ。こういうのはたいてい目がトロンとして生気なく、常に帰宅準備完了という面構えだ。」
と、いうくだりには笑わせてもらった。
また、成績評価の段になって、なかなか引き下がらない学生に手を焼いたエピソードなどもあって、これも洋の東西を問わないものだと思った。本筋とは関係ないが、個人的には学校の先生と塾の先生との違いを改めて気付かされた。(学校の先生は生徒を評価しなければいけないが、塾の先生はしない)
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後に、「国家の品格」でベストセラー作家となる藤原正彦。
「国家の品格」の根本にある、日本人としての誇り、外から客観的に分析する視点は、本書の頃に養われたものであろう。
簡単に言うと、数学者が初めて海外の大学で働く奮闘記だ。
とてもナイーヴで飾らない著者の姿に共感し、引き込まれ、彼のたどった道を追体験できる名著である。
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劣等感で始まったアメリカ生活。
徐々にアメリカ人と仲良くなって、まわりの人に好かれる存在になるまで溶け込んでいくのがすごい。
そこまで到達してもなお、愛なしには心のどこか空虚な部分はみたされないというが。
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1972年の夏、ミシガン大学に研究員として招かれる。セミナーの発表は成功を収めるが、冬をむかえた厚い雲の下で孤独感に苛まれる。翌年春、フロリダの浜辺で金髪の娘と親しくなりアメリカに溶け込む頃、難関を乗り越えてコロラド大学助教授に推薦される。そこでは、知識は乏しいが大らかな学生たちに週6時間の講義をしていた──。
ユーモアあふれる文章が痛快で、飽きのこない読み物だと思う。
海外に行った日本人なら誰もが一度は感じる「愛国心」や、アメリカに対するコンプレックスなど、ありのままの自分を臆することなく曝け出していることに好感が持てる。
著者なりのアメリカでの生活の楽しみ方をのぞき見ることができた気がして、おもしろい。