紙の本
号泣という激しさは感じなかったが…
2004/06/14 21:52
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投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の作品には独特の時の流れが存在しているようだ。
登場人物も実際の年齢とはかけ離れている印象で、生活感があまり感じられない。そんな彼らの物語は帯に紹介されている通り、『透明な』『光を帯びた』『繊細な』という描写が良く似合う。
つまりとても幻想的なのだ。
現実を書いているのかもしれないが、実線ではなくぼやけた感じ。フィルターを通して見ているみたいな。
12の物語を流れるように読み終えてしまった私だった。
表題作も『号泣』というイメージとは程遠かった。
ただし、『洋一も来られればよかったのにね』は何故か心に残っている。
紙の本
直木賞受賞作ということで手にとってみたが、読後感は“つまらない映画を観たあとのよう”な感じである…
2004/02/29 12:26
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投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはり男性読者には理解不能の世界なんだろうか?
全然ワクワクするものも感じられないし、心が癒されることもなかった。
よく完読出来たものである。
“たかが直木賞、されど直木賞!”と叫びたい。
12編からなる短編集だが、どの登場人物も総じて“やる気がなく現実逃避型”である。
過去の恋愛がいい想い出となってるわけでもなく、ただ単に過去に縋り付いてるだけのような気がする。
少し我慢をすれば切り抜けれるのに…
“恋愛がなかったら生きて行けない”困った人たちだ。
ただ、文章は透明感があって独自の世界を完成してる点は認めざるを得ない。
表題作における描写(本文218ページ)なんかは本当に見事の一言に尽きる。
でも作品全体としたらどうなんだろう?
よっぽど、“恋愛経験が豊富な方”でなければ“号泣する”ことはないような気がする。
もし、多くの女性がこの作品に対して高く評価があるとしたらちょっと“カルチャーショック”に陥りそうな気がする。
きっと異性から見て“こんな生き方をしてほしくない”と思えるようなことが同性から見たら“理想の生き方”なのかもしれない。
そう考えると貴重な経験をさせてもらったのかもしれない。
“小説は事実より奇なり!”かな(笑)
トラキチのブックレビュー
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体も心も満ち足りていた激しい恋に突然訪れた破局、その絶望も乗り越えてゆくよすがを甘美に伝える表題作、等12篇。濃密な江國香織の世界に浸れる待望の短篇集。
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江國さんも、最近はけっこうマンネリ化しているというか
昔のように「あ、いいな」と思うセンテンスが減ってきている。
この作品は、直木賞だけど、それほどいい作品かしら?とも思う。
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直木賞を受賞する前に読んでました…ごくごくフツウの日常を描いたような作品。私的にはイチオシとまではいかない…(^^;
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12篇の短篇集。
登場人物は誰も彼も、「とくべつな人」ではなくて、
主人公も、ひょっとしたら隣近所にいそうな女性たち。
12とおりの悩み、12とおりの生き方、12とおりの恋。やっぱりこのひとの文章は、すきだなあ。
いつも、何かしらの事件を描くわけではなくて、
なんでもないことを、だけど何かあることを切り取る。
文章は淡々としているのに、ぼんやりとしないというか。ただ、直木賞を獲る小説ではないかもしれないなあ。いつもどおり好き嫌いは分かれるだろうなっていう、江國作品らしい江國作品。
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ちょっとした時間にサラっと読めてしまう恋愛短編集だと私は思ってます。
恋愛に関してはド素人なので何とも言えませんが、いろいろな形のいろいろな恋愛があって、暖かくて柔らかな光もあれば冷たくて暗い影もあるのだと学びました。
恋愛は、必ずしもいい方向ばかり進んでいくわけじゃありませんしね。
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短編全ての中に「覚悟」というのがあるのだと解釈して読んでいた。
江國香織さんの“あとがき”を読んで「なるほど」と思ったけれど、何かイマイチ・・・
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読みやすい恋愛小説。短編集です。なんだか、私は彼が好きでなんたらかんたら…な感じではなくて、想像していた「恋愛小説」ではありませんでした。個人的には「じゃこじゃこのビスケット」が好きです。
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人には 今しかないのだ、今がいちばんなのだ。
そして今でないものはみんな過去なのだ。
未来は誰も知らない。あるのかないのか、どうあるのか。何も。
淡々と過ぎていく日々の中に姿を見せたり潜んでいたりする哀しみは 時としてしあわせという形をしていて つい心を許してしまう人をびっくりさせたりする。
号泣する準備はきっといつでもできているのだ。
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直木賞をとった作品の割にはあまり好きではない。江國さんはやっぱり、初期の頃の短編が優れていると思う。どうなんだろう。
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短篇集、直木賞受賞作品。
読んでいて不思議な気持ちになったり。
江國さんの本にしては あまり好みじゃなかったかも。
12篇の中で、自分の好きなお話を探してみるのもいいかもしれません。
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賞をとっていたので、有名な話なのだと思うけど、私的にはイマイチ…。江國作品は『落下する夕方』までかなぁ…この本の中では『じゃこじゃこのビスケット』という話がいちばん好き。
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初めて読みました。んー、正直拍子抜け。
なんでもない日常の、なんでもない個人のちょっとした差を上手く表現しているんだなぁと思う。でもただそれだけ。さらっと読めたけど残るものなし。
その他の作品も読んでいろいろ判断したいかも。
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江国香織。実は始めて読みました。
今までの江国香織に対する印象は、偏見でした。えぇ。間違いでした。
ものすごい甘い、OLのための恋愛小説を書く人だと勝手に思っていました。違ったみたいです。
最初の「前進、もしくは前進のように思われるもの」は最初だったこともあって、“はい?どゆこと?いみわかんねーよー”と、思わず声に出してしまいましたが、その後は面白さというか、よさが、わかるようになりました。
なんだか虚しくて、寂しい。切ないわけではない。日常の切り取り方がうまいんだなぁ。と思った。
「熱帯夜」
レズの話し。 以降はもう、すごいなんだか上手いなぁ・・・って感じ。
なんでもない、静かな、どうしようもない、なんだか悲しい空気が上手く描かれているなぁ。