投稿元:
レビューを見る
第二次世界大戦期、イギリス委任統治下にあるパレスチナのユダヤ人達がユダヤ旅団を結成し、イタリアでナチスと戦う。戦後、ナチスの所業を見た彼らは、ナチス高官を処刑していくが、ふとしたことから、むしろヨーロッパのユダヤ人のイスラエルへの移住事業に取り組むようになる。ユダヤ人がホロコーストにあった理由を「自分たちは従順でおとなしかったからだ」と考え、今後は自分たちの存在を主張していかなければならないのだという使命感のようなものが、おそらくWWII後のイスラエルのアイデンティティになっていったのだろう。他者に配慮していたら、自分たちの民族を根絶やしにされる可能性があるという考え方は、相手に対する徹底的な不信感に裏打ちされている。今の国際政治においては、国家や民族同士の共存や協力は不可能であり、世界は食うか食われるかだというホッブス的な世界観は、ここから生まれているのか。そういえば、国際政治学の泰斗ハンス・モーゲンソーもドイツから逃れてきたユダヤ人だった。
投稿元:
レビューを見る
地雷だらけの荒野を匍匐前進するのはハラハラした。
ユダヤ系だが白人らしい容姿をしたメンバーだけで偽ナチスを編成したが、実際に出動する機会は無かったらしい。
「トム・クルーズ主演で映画化」の話はお流れになったようだ。
投稿元:
レビューを見る
ユダヤ旅団の主要メンバーの視点から描かれたもの。民族意識がどれほど影響を与えたのか、時代に翻弄されたユダヤを含めた人々の人生を考えさせられた。終戦後は人情味ある対応をする人がいたのには救われたが、大尉や少佐でなかったら、離れ離れになった家族と出会う術はなかったのではないだろうか、とも感じた。
投稿元:
レビューを見る
数年前に読破し、引越しの際に売り、しかしまた読みたくなって古本屋で買い求めた。緻密な取材が産んだ一作。
投稿元:
レビューを見る
古代ローマ軍団にユダヤが屈して以来初めての公式のユダヤ人戦闘部隊は戦地に赴いた。
仲間のユダヤ人と一緒にナチスとの叩きに行くことにも誇らしくて、感極まった。
ユダヤ人がドイツ人を負かしたのだ!
ようやくユダヤ人はいつも手に入れようと心の中で戦ってきた旗を見ることができる。これは祖国を表してる。同時に抵抗するチャンスもなく死んでいった何百万人もの血を表している。ヨーロッパでは自分がユダヤ人で自分の運命が同胞の運命と絡み合っていることを悟った。
投稿元:
レビューを見る
「ナチス狩り」という邦題が適切かどうか(内容的にも、原題と比較しても)・・・?
第2次大戦中に英国軍として参戦した「ユダヤ旅団(パレスチナのユダヤ人から成る)」の物語。
ユダヤ旅団の存在自体があまり知られていないのではないか。
そして、戦後彼らがどう行動したのかということも。
ナチスのユダヤ人虐殺から辛うじて生き残った人々がどうやってパレスチナの地に移って行ったのか、その一端がわかる。
投稿元:
レビューを見る
ユダヤ人迫害を進めるナチス・ドイツに対し、連合国側に立って闘ったユダヤ人たちもいた。このドキュメンタリーの主人公は、カルミ、ペレツ、ピンチェクの三人。それぞれの目的と決意をもって、ユダヤ旅団に参加した。彼らの軌跡を通して、ユダヤ人にとっての大戦末期から戦後にかけての時代を追う。
初めに向かったのは、第二次世界大戦末期のイタリア。ドイツ軍との戦いでは高い士気で戦果を上げるも、アルプスを越えて進撃するには至らず、大戦は終わる。戦後明らかになる膨大なユダヤ人の犠牲者数と、ナチスの蛮行。カルミたちは、潜伏して生き残ろうとする親衛隊など、ナチスの責任者たちを探し出しては処刑する。しかしやがて復讐に心を奪わることに疑問を感じ、イスラエル建国に向けて、家族を失った同胞を少しでも多くパレスチナに移送することに心血を注ぐ。一方、生き別れの妹のレアが生き残っていると知ったピンチェクは、妹を探してドイツからポーランドへと潜入する。
投稿元:
レビューを見る
1944年9月、イギリス統治下にあるパレスチナのユダヤ庁は、イギリス軍傘下でナチと戦うことを望む。チャーチルもこれを承認し、ユダヤ史上初の戦闘部隊が誕生した。彼らはイタリアで終戦を迎え、ドイツに入り“悪魔の所業”を目のあたりにする。そしてあるゲシュタポを脅迫し、ナチス高官のリストを入手。こうして復讐を誓うナチス狩りが始まった。明らかにされた極秘任務の全記録。
ユダヤとイスラエル建国に関する裏面史であり、イスラエル建国までの秘話。
内容的にはあまり好みではない。
ただし、切り口を変えれば、このテーマはもっと興味深くなると思う。