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みんなのレビュー126件

みんなの評価3.4

評価内訳

126 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

静か。ほんとに静か。でも緩やかな流れ。

2005/01/24 01:31

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いわさち - この投稿者のレビュー一覧を見る

人を殺したりするわけじゃない。
超がつくほど大恋愛をするわけじゃない。
静か。ほんとに静か。でも緩やかな流れ。
それを求めて私の手は本棚のこの本を何度も選んでしまう。

主人公の女性は大学生。高校卒業間近に堕胎する。
父親は誰だかわからない。
きっと適当にくっついたり離れたりした人たちの誰かだ。
決してサイトウさんの子ではない。

夏休みに同じ学科の子のアパートを借り、一人暮らしをはじめる。
それと同時に高校の同級生キクちゃんの家族との交流も始まる。

淡々と流れていく。
バイト、キクちゃん、そしてサイトウさん。
順繰りに出てくる。一定のテンポを保ち。
ゆっくりゆっくり流れていく。

主人公の女性が抜け出せない恋から抜け出す。
簡単に言えばこうなるだろう。
でもその恋は絶望であったり、恐怖であったりする。
いや、恋と呼べるものだったのかさえあやふやだ。

夏を舞台にしているのに暑い感じが伝わってこない。
むしろ冬の風が吹き込んでいる感じだ。
それだけ主人公の女性の心が深く傷ついているかということなのだろうか。

いつかみんな森から出れるのだろうか。
きっとでれるはずだ。

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紙の本

正直いえば、流行の作風だなあ、時代の要請なのかなあと思う。ワン・ノブ・ゼム以上であるとは、やっぱり思えない。このままでは埋没するぞ、そう思う。今の位置からどう飛ぶか、そこが分かれ目だね

2004/07/09 22:03

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

いま、こうやって本を手にするまでは、このカバーって、てっきり写真を利用したものだとばかり思っていた。で、改めて見てびっくり、おっそろしいほどにファンタジックな、殆ど児童小説のそれといってもいいくらい愛らしい絵なんだ、タイトルとは上手く合っているけれど、それから題と著者名の並んだ時の印象も、バッチリなんだけど、ウソ、と言いたくなるくらいに、夢、ユメ、ゆめの装画。ついでに書いちゃうと、ホンの背なんかも児童文学のノリだよね。

だれかな、だれかな、と思ったら装画ミヒャエル・ゾーヴァとある。『ちいさなちいさな王様』『思いがけない贈り物』の装画などを書いている、もう、それだけで手を伸ばしたくなるような作品を描く人ではありませぬか。装幀は、先日来、冗談みたいに二人の関係はナンジャイ、と勘ぐっている坂川栄治+藤田知子(坂川事務所)。

主人公は大学生のわたしである。大学何年生であるかは、よく分からないけれど、多分、一年生なのだろう。高校三年生の大学受験が終わったときに、妊娠をしてしまい、中絶を経験しているというのが事件としては、大きいけれど、心の問題としては別れてしまったサイトウさんのことが忘れられない、というのが一番である。

で、話は、夏休みに入る前の校庭で、同級生の加世が9月まで田舎の京都で過ごす、それまで彼女の借りている部屋が空いている、ということから始まる。わたしは、両親がすこし鬱陶しくもなっていたし、一月くらいは気楽に過ごしたいと、夏休みの間だけ加世の部屋を借りたいと申し出るのである。彼女は、勿論OKだが、半年前のことを忘れられない親にしてみれば、また男でも連れ込んで、と心配ではある。それを説得して、わたしの一人暮らしが始まるのである。

そんなわたしに電話をしてきたのが、高校生の時の同級生のキクちゃんだった。夏休みに年齢を誤魔化してキャバクラで働いていたことがバレて停学になったという、その手の噂の女王、ふざけた男子からはキャバ嬢とも呼ばれる、唯一人、わたしが妊娠したことを打ち明けたと相手である。「けど、やっぱり好きじゃない人と寝ちゃだめだな」といってくれた彼女。

美容専門学校に進学したキクちゃんは、唐突に彼女の家族と一緒にキャンプに行かないかというのだ。自称推理作家の父、いかにも公務員然とした兄雪生、声がなんとも魅力的な中学三年生らしからぬ体格の夏生との旅が、わたしのこころに少しだけ変化を与えてくれる。

アルバイトをしているマンガ喫茶の光景や人間関係を交えながら、別れた人のことを忘れることのできない私の夏のひと時を淡々と描く小説で、作者の島本はこの作品が「群像」に発表された時、20歳。この作品で芥川賞候補になったというから、まさに今回の芥川賞の動きを体現する作家の一人といえるだろう。

ちょっと、キクちゃん一家との付き合い方が、俗かなとは思うけれど、サイトウとの関係のありかた、サイトウさんの人間性などは、まさに現代。ここだけでも評価していいのかもしれない。

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紙の本

森奥深くきれいな泉を見つけたかのような奇跡を感じた本

2004/05/28 20:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る

少女時代に初めて落ちる恋。
文中にも書いてあるが初めての恋によりその後の恋愛感が変わることは多いのではないだろうか。
主人公の場合は相手を救いたい、相手の闇の中へ自分が光を当てたいと願うものだった。
大人になれば「誰かを幸せにする」ということは傲慢な事だと気付くが少女時代に陰のある人を好きになるといつの間にか自分もその闇の深さに呑まれ、その恋か終わったとしても呪いのように暗く深い闇の中から抜け出せないものだ。

この物語はその闇の中にいた少女が友人のキクちゃんやその兄・雪生により「再生」していくまでの話。
「再生」という部分では最近読んだ瀬尾まいこ氏の「図書館の神様」に似てます。
失ったもの、一人になる時間、そして新しい人との出会い。
緩やかだか主人公の未来に光が灯ってくる感じがとても良いです。

そしてまたラストがいいですね。
読んでいて目の前で試合がスタートしたような気分になりました。
この明るい未来への余韻を含んだ清々しさ、21歳の彼女の今後の執筆活動に期待大です。

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紙の本

島本理生は“5年後10年後にどんな作品を書いているのか?”とっても興味深い作家である。

2004/07/03 19:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

島本さんの3作目の作品となる本作は芥川賞の候補作にもあがったが、惜しくも賞を逃したので、知名度的には受賞された金原ひとみや綿矢リサには叶わないが、その質感の高さは読んでみた方なら自ずとわかるはずである。

内容的には年齢の高い結婚している男性と付き合って別れ、その後自堕落な生活をしていた女子大生である主人公が人とのふれあいによって自分を取り戻して行くひと夏の物語といったらいいのかな。
とりわけ少女から大人の女性へと変身して行く過程がとってもわかりやすく書かれている点が良い。

女性特有の痛み・悩みから脱皮して成長するひと夏の人とのふれあいを見事に表現している点は若い女性が読まれたら必ず良い“処方箋”となることであろう。

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島本さんは現在21歳、現段階での刊行作品3作とも読んでみたが、本作を読んで過去のタイトル名ではないが、リトル・バイ・リトル(徐々に)成長の姿が確かめられる点が嬉しい

もちろん金原ひとみのように大胆さを武器としていない。
ただ安定感というか安心して読める点では一日の長があるような気がしてならない。
個人的な意見だが、長いスパンでは島本さんの方が活躍出来るのではないだろうかと思う。
島本さん自身が本作の主人公のように過去の辛かったことや楽しかったことをバネとして文章も成長して行くのだろうと大いに期待したい。


敢えて難点を書かせていただいたら、文章が読み易過ぎて個性がないとの指摘があっても不思議ではないかもしれないな。
あと本作の内容的にはやはり堕胎を扱ってる割には事の重大性があんまり現れてない点が不自然に感じられる点であろうか。
これは年齢が高い人が読めば読むほど感じる事だと思う。


読後光が見えて元気が出るという点では瀬尾まいこの作風に似てるような気がする。
いや瀬尾まいこをより純粋にした作風といったら良いのかな。

ひたむきで純粋な恋を出来るって若い時の特権であるように思える。
それを味わえただけでも読んだ収穫があったと思いたいな。

今後も島本さんの作品は“素直な気持ち”で読み続けたいなと思う。

トラキチのブックレビュー

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紙の本

実力派女優風

2004/03/04 20:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:UMI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 天邪鬼とはかわいそうな生き物だ。素直になれない、馴染めない。わざと人と違うことをやってみせて、注目を集めようとする。ちなみに、仁王や毘沙門天に踏みつけられている鬼のことも天邪鬼と言うらしい。

 悲しくても楽しくても、文章の速度が変わらない不思議な空気を持っている小説だ。感情が表に現れない落ち着いた雰囲気で終われない恋愛を覆ってみると、こんな作品になるのだろう。
 実家に帰省する友達のアパートを大学の休みの間だけ借りることになった「わたし」。子供をおろすことになってしまったときから、目に見えない家族のバランスが少し崩れてしまった。今度あの人に触れられたら死んでしまうかもしれない、と呟く彼女の周りには常に友人や親の柔らかな眼差しがある。
 恋愛小説と呼べるほど粘性の起伏はないし悲劇にもならない。普通の生活の中に事件があって救いがあり、丁寧に書き込まれた日常の中に著者の若い感性がある。大波小波のテレビドラマに慣れてしまったボクらには少し物足りなく感じるときもあるが、物語がすっと寄り添ってくるように感じられるときもある。
 男性作家の書く恋愛小説よりもすっきりしている。抱き合わなくたって、恋愛のイメージを一つの本にすることができる。

 先日芥川賞をとった二人が文壇のグラビアアイドルならば、同年代の島本理生は文壇の新鋭映画女優といったところだろう。露出度が低くても、間違いなく実力派だ。本作は惜しくも芥川賞を逃したが、最年少受賞の大騒ぎを横目に独自の世界を創り上げているようにさえ思える。
 島本理生はいずれ芥川賞をとるだろう。マスコミはどんなふうにその事件を伝えてくれるだろうか。仕立て上げられたアイドルではなく実力派女優風に扱うのか、それとも最年少受賞ではないからあまり大きく取り上げないのか。
 いずれにせよ、天邪鬼は花咲く芥川賞論議には加わらない。横槍を入れることでボクはここにいるんだと主張する。天邪鬼とはそういう生き物なのだ。

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2004/09/27 02:10

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2004/10/11 21:19

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2004/10/25 23:31

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2004/11/29 18:42

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2004/12/01 18:27

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2005/02/05 02:17

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2005/06/13 21:12

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2005/08/12 11:02

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2005/08/29 18:46

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2006/04/13 01:07

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