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娘を持つ母として読むとやりきれない気持ちになります。
また、女として、もし、主人公が自分だったらと、考えると・・・・
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結局鳴海はどうして失踪したのか?その理由がよくわからないまま終わってしまって、ちょっともやもやする。
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ストーリー展開や整合性うんぬんより、少女の心の変遷、ありようが印象的だったな……
というより、謎だミステリーだという扱いでないのなら、「人の心」に焦点を当てるしかないものね。桐野先生の、実在した事件という触れにくいモチーフに斬り込む姿勢に脱帽。
難しいもん。それはやはり、嫌悪と紙一重。
とはいえ、全体は小ぢんまりとした印象。
おそらく、もっととんでもないえぐい描写があるのではないかとハラハラしていたからだと思う。
でもよくよく読むと、「グロテスク」のように、表出していることが本当に真実か?という疑問も湧く。だから怖い、桐野作品。
「想像」が少女を犯し、成長させ、支えた……
日常を喪失した少女が、想像することで自分の均衡を保ち、けれど自らの魂を喰らう「作家」になったことは、なんとなく桐野先生自身とリンクしないでもない。あ、桐野先生がこういう目に遭ったという意味ではなく。
実はいくつもの『愛』が交錯する小説だったりもするのかしら……
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実際はフィクションであるストーリーの中に、フィクションとノンフィクションが混在している感じ。先が非常に気になる内容でつい時間を忘れて読み耽ってしまう。
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モデルとなった事件はこの本を読んですぐに思い出しました。
被害者となった女性と同い年だったので、発見された当時のニュースには震撼しました。
同い年と言うのもそうですが、私も小学校3年生の頃に誘拐されそうになった経験が一度あったのを思い出してニュースになった当時すごくショックでした。
あまりの恐怖に被害者を分析(?)した本を読んだりもしました。
が、どれも見当外れに感じて、結局いつの間にか忘れてました(頭の片隅にはありましたが…)
この作品では監禁期間や状況は異なっているし、そもそも描き方が第三者的でなく、当事者(しかも手記として書いてる)と当事者の現夫の手紙、それと加害者からの手紙で構成されているので、何が事実だったのかがあまりハッキリしません。
最後、主人公についてすらハッキリしません。
全てが霞がかった印象です。
それでも★3つなのは、上記に書いた現実の専門家による本よりもリアリティを感じたからです(本人の脚色を交えた上での手記であっても)。
ただ手記の最後あたりに不快感も感じました。
これはリアリティとは別物です。
正直、読後の不快感は桐野作品で1番かもしれません。
(けっこうひきずりました)
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残虐記というタイトルは、主人公の本意ではなく、外側の人間が考える感想を考慮したのだろう。
主人公は、世間一般に考えられている残虐に、愛が込められていることを知っている。それが、絶対回りに理解されないであろう事実も分かっている。
でも、私はこのタイトルをつけた時点で、すでに主人公が嘘をついているのだと思う。
ところで、この手記には「誰の目に触れないことが救いだ」と2度も書いてるにもかかわらず、なぜ、プリントアウトされていたのか、なぜ、編集者宛のポストイットのみ残っていたのか、そのほうが、主人公がどこに消えたのかよりもはるかに謎に感じる。
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新聞の広告で発売日にサイン会をやると言うのを見て予約した一冊。
桐野夏生さんの本が好きでどんな本を書く人なのかもの凄く興味があって行ってみたら、すごく細くて白くてなんとなく雰囲気は松雪さんのような感じでした。
本は実際にあった事件を元に書かれたもので桐野作品にありがちなタイトルどおり重い内容。一部の桐野作品に言えると思うが、コンディションのいい時に読んだ方がいい1冊。
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内容(「BOOK」データベースより)
失踪した作家が残した原稿。そこには、二十五年前の少女誘拐・監禁事件の、自分が被害者であったという驚くべき事実が記してあった。最近出所した犯人からの手紙によって、自ら封印してきたその日々の記憶が、奔流のように溢れ出したのだ。誘拐犯と被害者だけが知る「真実」とは…。
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本当に残虐で、読後は膝をついてうなだれる気分。何が本当で何が嘘なのか(お話なんで全部嘘なんですが)わからなくなり、よくわからないが救いを求めたくなる。
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お話の中で出てきた謎は、お話の中できっちり答えを提示してくれる方が好きだとこの本を読んで気がついた。
そういう意味で言えばなんともこう、もやもやする話。
創作だから、嘘かもしれないし本当かもしれない。
何を信じて良いのやら。
女性目線のなまなましい描写がちょっと苦手なんだけど、それ以上にこの主人公の子は怖い。
ひねくれてひねくれて、そんなんじゃ生きてくの辛いだろうなと思ってしまう。
誘拐から無事に帰ってこれても、周りとの違和感がひどく切なくて現実感があって辛い。
ああ、確かに人生ってそう簡単にはいかないんだろうなあと思う。
これは創作で、彼女自身の考えは作中に出てこないからどうとでも解釈できる。
後味の悪い話。
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題名からもっと凄まじい話をそうぞうしていたが、意外と普通。
強かな10歳の女の子の誘拐、監禁の体験談。
設定が小説家が自分の体験した事件を振り返り、検証、考察となっていて、どうとでも書ける状況のせいかあやふやな部分や、明らかに理不尽な箇所がある。
表面をサラ~って撫でている感じ。
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この人の話を初めて読んだ。
こういう事もありうるだろうと思わせる筆力。
少女時代に誘拐された主人公。
長じてのち小説家となり、過去の事件を書きとどめたという形の内容。
高校生の時に書いた処女作品が、実は事件の真相であったとだんだんわかるようになっている。
事件の事を忘れさせようとする周囲に違和感を感じ、事件に心捉われるままに生きてきた主人公。
真に残虐だったのは誰だったのか、読み手に対しての問いかけが聞こえるようだった。
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小学4年に誘拐され一年間監禁された少女が
当時明かすことがなかった真実(なのかは不明)を
作家になり、三十五歳になって文字にした。
言葉というものの不思議さをとても彩り豊かに感じた。
性的描写が点在するも、エロさよりも恐怖が勝る。
真実というものは、結局はどこにも存在しないのではないか。
そう思わせる作品でした。
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昨日美容院で桐野さんの連載をVERYで見かけ、不快だけれど快い桐野さんの本でグロテスク以降の本を図書館で借りる事に。ここまでの事件性を有さず、日常の狂気的な本が好みだな。
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タイトルが怖いので今まで手にも取りませんでしたが、図書館で目に付いたので借りてみました。
娘を持つ身としては、もし自分の子がこんな目にあったら……と思うと、本を閉じてしまいたくなるような内容でした。