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[ 内容 ]
いのちの危機の時代である。
民族紛争の現場に限らない。
危機は私たちの日常にある。
食物が溢れ、医療やインフラが整備され、死を忘れたかのような文明の只中に、不安が不気味な貌をのぞかせる。
死生観が揺れている。
永年、日本はじめアジア、欧州、中近東の多様な宗教圏を実際に歩み人々の生き死にへの思いを肌身で探ってきた宗教学者が、母の病変とその死に向きあい、改めて問う―人間とは何か、人は死をどう受けいれるのか、いま、宗教はどんな力を与えられるのか…。
[ 目次 ]
はじめに 巨樹の下で老人に出会う
第1章 “いま”という時代
第2章 曖昧な生と死
第3章 多神教は生と死をどうとらえたか
第4章 唯一神教世界における死と生
第5章 インド・ベナレスの岸辺で
第6章 日本人の生と死への思い
終章 生から死へ、死から生へ
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