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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
誤訳が、こんなに影響してきたのですね、過去には……。たしかに「多くの日本人は……」→メニィピープルmany peapleと、訳されて、日本政府が抗議した話は聞いておりましたが。それにしても、外交などの政治がからむ局面において、圧力がかかり、故意に誤訳ねえー
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異なる歴史を持つ、異なる文化をもつ者同士が意思疎通を図る難しさ。更に第3者がその橋渡しをする難しさ。
それが世界のトップレヴェルで繰り広げられるとなると。。
改めて責任重大なお仕事なのだと痛感致しました。
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私は、特に第5章「文化はどこまで訳せるか」の内容に強く惹かれた。ある文化の中に存在する事柄をもう1つの文化の中に訳するという事はどこまで可能なのだろうか。「言語の通訳」についてしか考えた事のなかった私にとって、この「文化の通訳」という言葉は非常に衝撃的だった。通訳者達はその文化のギャップをどのように埋めてコミュニケーションを図るのか、彼らの奮闘ぶりに読者である私達の脳もストーミングさせられる、パワフルな内容。1つ1つの事例が詳しく取り上げられており、通訳に関する知識があまりない私のような人間にとっても面白く読みやすく書かれているのが嬉しい。通訳という仕事には興味がなくても、英語に何らかの形で興味を持っておられる方には是非一度読んで頂きたい。また、その1つ1つの事例に対する見解もしっかりポイントを突いていて、素晴らしい通訳論の1冊だと思う。
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言葉の違いと文化の違い。
意図された誤訳。
無意識に生まれた誤訳。
単に言葉の問題ではない人間のココロの動きや
意思・意志を表すことの難しさ、伝えることの
困難さが面白い一冊
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ニュースの同時通訳や新聞等にある専門用語の日本語訳に興味や違和感を持ったことがある人にはオススメ。
通訳・翻訳の違い、言葉だけでなく文化背景(諺・例え等)を如何に訳すか?言葉にならない「間」さえもが政治・国際関係を動かすものとなるなかで、その存在を消し影にさえならない通訳者たちの仕事を歴史的に分析している。
ジョーン・バエズの件は、政治と音楽、プロとアマチュアの入り交ざった例として大変おもしろい。
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もともとは『ことばが招く国際摩擦』
というタイトルで発売されていた本の文庫版。
もともとのタイトルの方が本の内容を正確に伝えているように思います。
通訳者、翻訳者の話を聞いたり、本を読んだりすると、
英語にしろエスペラントにしろ、国際語っていう考え方に潜んでいる
本質的な問題点が見えてくるような気がする。
大変勉強になりましたが、
ひとつひとつの事例をもうちょっと踏み込んで書いて欲しいなぁ
って思うところが多かったので、星4つです。
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外交上一番の誤訳は、ポツダム宣言に対する日本側の回答「黙殺」の英訳で、これが原爆投下を招いた話から、oakは実は楢であるという話まで、訳に関する興味深い話満載。鳥飼先生ならではの追求された一冊です。
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ポツダム宣言を、日本は「黙殺する」と回答した。これは、徹底抗戦派を抱えつつ終戦を模索していた政府には、ギリギリの回答だった。
連合国側には、「無視」「拒絶」の意味に訳された。
そしてまもなく、広島と長崎に原爆が落とされた。
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BilingulalでありBiculturalでなくてはいけないって本当にそう。
うなづけすぎて頭痛がする位です。
基本、国際政治・外交の通訳に触れていることがメインなんですが、ふと外務省にお勤めだった頃の雅子妃が思い出されました。颯爽としてとてもステキだったのに、早くご病状がよくなることを祈ります。
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主題は:通訳者は空気であれ というもの。
一方で、通訳者は対外折衝において頼りにされ 情報が集まる。
そのために空気でいることがとても難しい。
また、文化間で同じ対象を表す表現が異なったり、訳し切れないこともしばしば。
先日生まれて初めてすこし仕事の場で通訳をしたので読んでみました。
今後の通訳において参照すべき、示唆に富んだ失敗事例・評価が難しい事例が満載でした。
「外国語に堪能」であることと、「通訳として有能」なことは全く別物。
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河野一郎氏の『翻訳上達法』で紹介されてゐた事件があります。
戦後まもなく、ある山村で若い女性が、路上で米兵につかまりジープに乗せられ暴行されたさうです。米兵は軍事裁判にかけられましたが、そこで問題になつたのが、彼女はむりやり乗せられたのか否かといふところ。自発的に乗つたのであれば彼女にも責任があるからです。ところが「助けてください!」といふ彼女の必死の叫びを、通訳が“Would you help me?”と訳した為、裁判官は苦笑し結果米兵は無罪放免となつたのであります。ここでの「~ください」は丁寧な依頼ではなく、女性特有の語尾でせう。それを“Would you~”としたのは誤訳ではないかと河野氏はいひます。ここははつきり“She cried,Help!”と訳すべきであつたと。
結局この女性は、婚約者がゐたのですが別れる羽目になり、自殺したさうです。誤訳が人の生命を奪つた事例と申せませう。
さて鳥飼玖美子さんの『歴史をかえた誤訳』では、個人レベルではなく、国家間のやりとり、即ち外交上の誤訳が重大な結果を招いた話が紹介されてゐます。
ポツダム宣言をめぐつて“ignore”といふ単語を「黙殺」と訳したために起きた悲劇は有名な話。たつた一語の訳をめぐつて、数十万人の生命が左右されたかもしれないのです。
第五章の「文化はどこまで訳せるか」は、個人的には本書の白眉と感じてゐます。「翻訳の方法には二種類しかない」と語つたドイツの学者がゐたさうです。「著者を読者の方にひっぱってくる訳か、読者を著者の方にひっぱってくる訳かのどちらしかない」(190頁)といふわけです。至言ですなあ。
本書は元元ジャパンタイムズから『ことばが招く国際摩擦』の書名で出てゐたのを加筆改題したさうです。内容から判断しますと、元の題の方が良かつたと申せませう。邪推するに、改題は版元の意向ではないかと。
もつとも、本書が瞠目すべき快作であることには変りはありません。通訳を志す人には必読の一冊ではないでせうか。
http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11167891871.html
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通訳・翻訳という観点から異文化コミュニケーションを論じた一冊。前半は誤訳・ミスコミュニケーションにまつわるエピソード集という色彩が強いが、後半ではそもそも他国の文化そのものを訳すことができるのかという点を考察しており、非常に興味深い。単に外国語を知っているというだけではなく、外国の文化を理解していないと異なる言語での相互理解はできないという見解には説得力がある。
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通訳、翻訳の有り方を模索することを目的に歴史的な訳を分析した本。
ポツダム宣言等、国際間のやり取りに登場した訳が紹介されており、勉強になります。発言内容の背景にはその国の文化や歴史があるため、完璧な訳ってのは大変難しいことがよく分かります。
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通訳翻訳にまつわる誤訳と呼ばれる訳を考察する。
外国語能力の欠落によって引き起こされた誤訳は誤訳以外の何物でもないが、一般的に誤訳と呼ばれているものの中には、それらとは異なる種類のものがあるという。
例えば、文化の違いから引き起こされる誤訳は、文字面はきちんと対応しているのに、日本語と外国語でその言わんとしていることが異なる場合があるという。
さらに具体的には、orange catという例が挙げられている。これは、直訳すれば、「オレンジ色の猫」ということになるが、英語と日本語では同じ色でも色彩分類が異なるので、日本語でいう「茶色い猫」に当たるのだという。
この他にも、文化の違いだけではなく、外交などの政治がからむ局面においては、二か国間での利益の違いから、通訳者や翻訳者に圧力がかかり、故意に誤訳を行わなければならない場合もあるという。
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通訳関連で、近場にあったので。
つまるところ、米原万里の『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』ということになるんだろうけど、お互いの文化や背景なんかが違うと、不実であろうと貞淑であろうと、美女であろうと醜女であろうと、完全に伝わるっていうことはほぼありえないんでしょうかね。
まったくもって難しい世界。