紙の本
創作童話
2017/03/12 08:52
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
『花豆の煮えるまで』は珍しく連作で、山村に暮らす少女小夜の日常を描いている。『エプロンをかけためんどり』は、残酷な結末がショッキング。同じ言葉を繰り返すめんどりの話し方が遷ってしまうが、この話はよく覚えている。作者は50歳で亡くなったというが、純粋に残念だと思う。
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この作品は、とても違う世界で、怖さを感じました。でも、本の世界は想像一つでこんなにも違う世界をみせてくれるんだなぁと思った一冊でした。
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「緑のスキップ」「初雪のふる日」「花豆の煮えるまで」など、闇から光への幻想11編と、作品理解の助けになる単行本未収録のエッセイ、巻末に年譜・著作目録を収録。全7巻完結。
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[ 内容 ]
「緑のスキップ」「初雪のふる日」「花豆の煮えるまで」ほか、闇から光への幻想11編と著作目録。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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これで、「安房直子コレクション」が終了です。
ちょっと、本読んで幸せな時間をもてました。
でも、わたしのお気に入りの話が入ってないんですよねぇ。
そのうち、この続きが出て、全集にならないかなぁ。
緑のステップ
これも、あとの「初雪のふる日」もなのですが、去っていく時間や季節に、一抹の悲しさと残酷さがあります。
その悲しさは、時間を止められない悲しさなのかもしれません。
もぐらのほったふかい井戸
これは、物語の法則に則ったお話ですねぇ。
落ちるぞ、落ちるぞと思っていると、やっぱり落ちていきました。
実は、子どもって、ハッと驚くお話も好きなのですが、こういった、思った通りの動きにも、ドキドキするものなのです。
そして、欲望の果てにあるのは、孤独。
このラストが、納得のいく救いなのかどうかは、人によってそれぞれだと思います。
初雪のふる日
なんというか、ハーメルンの笛吹男の様に、魅惑的で残酷です。
自然の移り変わりというのは、そういうものかもしれません。
安房直子の童話は、現代物なんだけども、あんまり時代を感じさせなくて、フッとバスなんかがでてくると、ちょっと、ビックリします。
エプロンをかけためんどり
この残酷さはなんだろうと思います。
でも、この残酷さを、見ないふりをしながら生きているのが、日常なのかも。
しかし、飛ぶ雌鶏。すごいイメージだなぁと思います。
花豆の煮えるまで-小夜の物語
安房直子にはめずらしい続き物です。
続き物ということで、エピソードが、あんまりまとまりのない日常的な風景のような作品になっています。
そして、この味は、けっこういいなぁと。
他の安房直子作品に比べると、「日常」と「ファンタジー」で、ちょっと「日常」の方に傾いている感じの作品です。
なんていうのだろう、ファンタジー的な物語なんだけれども、解釈によっては、日常のなかのエピソードともとれるような感じです。
うさぎ座の夜
あれ?なんで?これ、宝温泉の小夜ちゃんの話でしょう。なんで、「花豆の煮えるまでに」のなかに入ってないの?
という疑問からはじまって……、
これ、ファンタジーよりすぎてる。確かに、同じシリーズには入れられないよなぁ。
でも、小夜ちゃんの話は、ファンタジーによっていないからいいのに……。
になって、
手袋がどこへいったかの話になったかに気づいたあたりから、メチャクチャ楽しくなって、顔がニコニコしてしまいました。
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代表作「花豆の煮えるまで」を含む連作短編を中心に、山の季節の移り変わりと命の不思議を描いた初期から後期までの作品集。
最後の巻には書作目録、著作引用、年譜も掲載されていて参考になった。
エッセーからは安房直子さんの子ども時代の様子や、どんな本を読み影響を受けたのかを知ることができた。
安房直子さんの世界に浸っていた一週間、とても良い時間だった。忘れていた好きだった世界を想い出した。大人になって読むのも良いものです。
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安房直子さんのファンタジーの世界、大好きです。お亡くなりになった後も沢山の作品が刊行されています。1943.1.5~1993.2.25(肺炎で没)。「安房直子コレクション№7 めぐる季節の話」、2004.4発行。12の童話と14のエッセイ(自伝風)が収められています。1968年、峰岸明氏と結婚、1974年、長男亨君誕生。好きな絵本は、マリー・ホール・エッツ「もりのなか」とガース・ウィリアムズ「しろいうさぎとくろいうさぎ」だそうです。ご本人は、ファンタジーのおそろしさ、果てしなさに魅かれてると。
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今回は安房さんらしくて良かったです。鶏が自分の卵を料理するシーンはちょっとびっくりしましたが、このシリーズを通して安房さんの世界観に触れられ、人柄も分かり、読んでよかったです。他にも沢山作品を残されてるのでこれからも読んでいきたいです。