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自由が人を不安定にする
狂気が人を大人にする
登場人物の不安定な心が
リアルにぶちまけられたような文章は
正直読んでて重かった
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浦野所有
精神病の女性と、彼女に惹かれる男の物語。芥川賞受賞作にしては、珍しく情景描写がハッキリしてるかな。あんまり、読みやすい作品ではないけどね。あと、舞台設定からして、曇天模様の展開になるのは仕方ないにしても、読後にスッキリ感がぜんぜんないんだよな~。あんまりおもしろくなかったです。ファンの方、すみません。
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「杳子」だけ読み終えたので一先ず。 この纏わり憑く様な文体は余り吾輩の嗜好と合わない。背景描写と心理描写だらけで構築された作品で、読者、特に女性は杳子に苛立つと思う。この不明瞭な描写が世間からは評価されているのかもしれないが、描写に次ぐ描写だと流石に飽いてしまった。精神疾患ではなく、強迫観念に囚われた女と何故か堕落する男。実際にこのような女が実在したら、如何に鬱陶しいか。寵愛からは程遠く、保護にしては度を過ぎている。この杳子と云う奇妙な女には全く魅せられない。もっと行動が派手な女を描く作品の方が吾輩は好きなので、この芥川賞特有の滑りけは戴けない。不明瞭さが至高なのかもしれないが、狂人を描くならば端的で無いと興奮しまい。
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沢をおりてきた、そこに杳子はたたずんでいた。なんか、山好きならば、こんなことがないかな〜と思わせる書き出しではじまります。しばらくぶりにまたよんでみました!
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何年かぶりに古井由吉を読み返す。
やっぱりこの作家の小説が今まで読んだ
どの小説よりも、自分には合っていると
感じながら、読んでいます。
堺から東京に戻る途中の新幹線車内で読み終えました。
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《おい、わかったよ。君はそんな風に躯をないがしろにするもんだから、自分のありかがはっきりしなくなるんだよ。だから、行きたいところにも、一人で行けないんだ》
しかしそれは口に出さずに、彼は杳子を右腕の下に包んでやる。重さの感じがすこしも腕に伝わってこなかった。(『杳子』より)
ひとはけっして一人でたたずんでいるときに孤独を発見するわけじゃない。自分とむきあう相手がいる、けれどその相手に融けこむでもない、といって相手を拒み去るでもない。そのように自他の釣り合いが宙づりなままにされるとき、ひとは相手とのあいだに横たわる無限に広い名もなき空間をうつらうつらと漂ってその途方もなさに暮れ、仕方なしにその場を孤独と名づける。名づけずとも感じ取っている。感じずともその身はすでに侵されている。杳子と出会った彼も、おそらく――。
『杳子』も『妻隠』も、ともに二人の男女の閉ざされた世界を描いている。しかしどうやらそのアクセントは「二人の男女の恋愛」にではなく、「世界の/からの閉ざされ」に置かれているようだ。個人的にはこのような、自閉しあう関係とでも呼べばいいだろうか、そういう関係にすこし惹かれる。
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繊細で、美しい文章だ。
人は、感じていることをうまく言葉に表せない時がある。でも、古井由吉はそんなあやふやな感情を言葉にしてみせ、そしてそれはとても的を得た言葉に成り得ている。日本語はこんなにも豊かで美しいのだと、彼の文章は教えてくれる。
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ひきこもり男子大学生(うつ病)とメンヘラ系女子大生(統合失調症)の恋愛を通して彼らのナイーブな内面を描き出している。精神の健全さと病気との境界がグレーであることを匂わせる描写もあって興味深い。
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図書館で借りて読んだあと中古品を注文中。届いたらもう一度じっくり読んで感想を書きたい。今はとりあえず、すごく好みだとだけ書いておきます。
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70年代初頭を飾る問題作。
狂気の女性を描く。
こんにち、狂気の女性像を巡る作品の原点ではないかと。
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ずっと気になっていた古井由吉氏の芥川賞受賞作。
このタグにも、複数お笑いの又吉さんの名前があることを見て、つくづくメディアの宣伝力、もとい感染力ってスゴイな、と思った。
作品自体もスゴイから、いいんだけど。。
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もう、ひとむかし前に読んだ。
一時、芥川賞というだけで手に取ってみた本の一つ。
内容は全く覚えていない。
とにかく美しい文章を書く人だということだけが残った。
印象を変えるのが嫌で、読み直していない。
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やはり、ぬるぬると沼に引きづり込まれるような・・・
今自分がいる空間の時の流れが変わってしまうような。吸っている空気まで古井由吉ナイズされてしまうような・・・
これぞ読書の楽しみという感じ。
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この人の本読んでみたかったんだけどいまいちよくどうっていうのわからない。読んでみて「めちゃくちゃいいわー!」っていうんでもなく、かといってものすごくつまらない/くだらないものでもなく、「どっちかというと好きなほうなんじゃないんかなあ」っていう感じ。あと2~3冊読んでみたら、どこかでばしっとハマるかもしれない。「こってりしたのが読みたい」というときに手を伸ばすかもしれない。と思えたのも、妻隠が面白かったから。杳子のほうは、そこまででもないかなあ。というので余計に分からない。もうちょっと読んでみないと読みきれない。
みっちりとした男女の仲を書くというのは結構個性出るもんだなあという感想、このこってりとした時間の密度の感じは好きだけど、思っている以上に何にもなくて、個人的すぎる潔さがちょっとあざとい感じも感じるくらいで、自分が思っている”男の人”っぽい内容だった。
妻隠のほうは、熱がでて何日かお休みをとった男の人がいつもより濃い妻や近所との時間を色々捕らえなおすような内容で、妻と近所の数人のやりとりだけを書き連ねている。それは杳子のほうにもいえることだけれど、外向きには大変丁寧な人たちなのに(最近の小説だと、こういう内面だと外向きにも変わっているということも考えられる)内向きにも丁寧で、時間は書き出せば書き出すほど細かくなっていくことが示されているようでもあり。
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独特な文体、表現方法。実験的な幽玄さ。今まで味わったことのない異質な感覚。内田百間が泉鏡花に思いを馳せながら超絶技巧で書き上げた感じ?出会えた興奮で息が苦しい。
「杳子」は神経を病んだ女学生・杳子と自分の関係の物語。
杳子の〝病気〟は多分、自分が観察するもの(外)と自分(内)の関係が曖昧になり、自分を保てず、自分をつかめなくなること。見て・見られて・見合うことの難しさ。これが、2人の視点が交錯する手法で描かれることで、つまり小説の技巧でストーリー上の〝病気〟を比喩的に説明されている。的外れな見解かもしれないけど、そう感じた。
だから、名前も「杳=暗くてはっきりしない」なんだと思う。