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紙の本
温まる作品
2015/08/31 21:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:FUMI - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編が集まった作品。
しかし、それを集めると1つの物語になるような感じでもある。
読後はどこか心温まる作品。
紙の本
この方の作品が好きで、読みました。
2014/10/13 01:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る
この方の作品が好きで、読みました。
個性的な友人を中心にした短編集。どの短編にも捻りがあり、テーマもあり、構成がうまいです。
紙の本
伊坂ワールド満載の、心温まる小説
2008/05/25 20:57
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ココロの本棚 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず登場人物がすごくいい。全編とおして出てくる陣内のキャラクターが魅力的です。時に周りをうならせる名言を吐き、時にそれをあっさり覆す。
周囲の人のことなどおかまいなし!自分の思ったように即行動!
とてもいいキャラクターです。
個人的に好きな作品は「チルドレン2」
家裁で少年問題を扱う陣内と、離婚調停を扱う武藤。
それぞれの問題が絡み合い・・・・・・。
非行少年の更生はありえないとする意見に対し、「俺たちは奇跡を起こすんだ」という陣内。
ラスト垣間見える奇跡の輝き。素晴らしかった!
他、盲目の永瀬のキャラクターも素敵でした。
饒舌な陣内タイプと、達観した雰囲気を持つ永瀬タイプ。
この掛け合いが伊坂作品の魅力のひとつかなぁと思ったりもします。
どの話も非常におもしろい。そしてすべてにサプライズが仕掛けられ、ほんのりミステリーの香りも漂います。
紙の本
ばかばかしくて格好よい物語
2005/11/29 20:50
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:由季 - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯に「ばかばかしくて格好よい物語」と書いて㌃んですが、まさにその通り!!短篇のお話が5つ収録されているんですが、すべて関連してるんです。登場人物は、目の見えない青年永瀬に盲導犬のベス、恋人の優子。主人公の友達の鴨居。そして主人公「陣内」。
この陣内が最高!ばかばかしいんだけど、凄く格好いいし、やる事なす事大胆で子供で夢が㌃!
こんな大人になりたぃなぁと思いました☆
この㊥でとても心を打たれたやりとりがあります。
それは、目の見えない永瀬が、街角でお婆さんに「若いのに大変ね。これ使ってちょうだい」とお金を渡されたシーン。
今までも同情でそういう事をされる事はよく㈲った。しかし優子はそういう事にどう反応してイイか分からなかった。怒るべきか困るべきか永瀬を慰めてあげるべきか…
ところがその様子を見た陣内はこう言ったのだ!
「何でおまえだけなんだょ!」
永瀬ははじめ、陣内は冗談を言っているのかと思った。
「何でって…」永瀬は口籠もる。
「何でおまえが貰えて、俺が貰えないんだょ」
「たぶん、僕が盲導犬を連れているから、じゃないかな。目も見えないし」
「は?」陣内は唖然とした顔になった。心底訝しそうだった。そして
「そんなの、関係ねえだろ」「関係ないっつーの。ずるいじゃねぇか」
陣内が発した「関係ない」の響きがとても心地いいでしょう?私も、障害者の人と接している時にこのような事が起こったら、どうしていいか分からずオロオロしてしまう気がします。
これほど「普通」に振る舞うなんて、普通は出来ないと思います。
ね、陣内ってばかばかしくて格好いいでしょ(^皿^)
ぜひ読んでみて㊦さぃ♪
紙の本
すべての子供たちと、かつて子供だったすべての大人たちへ贈りたい
2005/07/25 01:13
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊坂幸太郎さんは私のお気に入りの作家さんで、『オーデュボンの祈り』(新潮文庫)、『アヒルと鴨のコインロッカー』(東京創元社)の二作品は特に大好き。
ただ、伊坂作品に登場する「悪役」の強烈さのために「誰にでも安心して薦める」ことが出来ずにいました。そのことはちょっとしたジレンマで「オススメしたい、でも、拒まれたくもない」と一人うじうじとしながら、新作が出るたびに伊坂作品を読んでいました。
そして、ついに「誰にでも安心して薦める」ことの出来る本作『チルドレン』と出会うことに。伊坂先生、待ってましたよ!
この作品に出てくる誰もが善人というわけではありません。悪人もいます。しかし、陣内という伊坂作品の中でも特に異彩を放つキャラクターのせいか、人間としての弱さゆえにちょっと悪人になってしまった「彼ら」を可愛らしいとすら思えるのです。
探偵小説ばかり読んでいる私にとって、伊坂先生はどうしてもミステリ作家、しかも、ちょっと変なミステリを書く作家というイメージがありました。そのためにどうしても「ミステリ的にどうか」という部分で評価をしてしまいがちでした。
この作品についていえば、ミステリどうこうなんて思いもせずに、ただただ楽しく読めました。ミステリ的な企みを巧みに持ち込んでいることに読後、しばらくして「うまいなぁ」と感じましたが、読んでいる最中は話に夢中。
ミステリが好きだろうと嫌いだろうと楽しめる。伊坂先生は、ミステリを読まない人の世界とミステリしか読まない人の世界をつなぐ橋になりうる存在なのだな、と。
この作品は素敵な物語です。子供の頃は大人になればよかったけれど、大人になっちゃったら次は何になればいいのかと考えていましたが、この作品を読んで「かっこいい大人になればいいんだ」と答が見つかった気がします。
紙の本
奇跡を起こす男。
2004/07/18 10:27
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日和 - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前から表紙にひかれ読みたいと思っていた一冊。
どのような話なのかも全く知らずほとんど予備知識のない状態で学校の図書館から借りたました。
まさかこんなに爽快な話だとは思っていなかった。
主人公ではないのだが、どの話にも出てくる陣内という常に根拠のない自信にあふれた男。
かれのやることはいつだってめちゃくちゃだし、何を考えているかなんて分からない。
屁理屈ばっかりだけど、時々心にぐっとくる真面目な一言がある。
どんな状況にも動じずにやりたいようにやる。いつもそればっかりでは困ってしまうがたまには私も彼のような振舞いが出来たらなぁと思う。
この本に収められている短編はどれも読み終わった後なるほどな〜っと納得させられ妙に心の中がすっきりする。
一冊全部そういう話を書ける作家ってなかなかいないのでは??と思う。
伊坂さんの話をもっと読みたくさせる一冊だった。
紙の本
HEYJINNNAI
2004/07/06 22:13
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る
陣内という家裁調査官が、この連作集のキーパーソン。彼のキャラクターが、なんというか実にいい!騒々しくて、屁理屈では彼の右に出るものはなく、常に自信に満ち溢れている(というよりも彼は「自信でできあがっている」らしい)。
陣内が、ビートルズの「ヘイ・ジュード」を、ポールさながらに歌う描写を読んだ瞬間に、「やられた」と思った。伊坂作品の魅力を、この曲がずばり表していると思ったからだ。仲間を懸命に励まし、鼓舞しようとする青年のやさしさ、さわやかさ、かっこよさ…それは、読んでいる者の胸を限りなくあたたかく、尚且つ、せつなくする。
本作の、一つ一つの短編は、大きな事件が起きるわけではないのだが、読後は異様なすがすがしさを感じる。そして、読者はこう思わせられる。自分の毎日も、何か特別なことが起きるわけではないけれど、これもすべて特別な一日なのだ、と。
紙の本
真っ当なことはカッコイイのだ。
2004/06/09 13:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
心地良い。
「真っ当」なことを探すのに一苦労するこの世の中で、伊坂さんの描く登場人物たちは、「真っ当」であり続ける。
それが爽やかで心地よい。
作品の中の善悪の微妙さが良い。
俗に言う「悪いこと」のなかにも葛藤や迷いが見えたりするから。
いろんな人がいて、いろんなことが起きて、そうやって、生きていく。
失敗もするけど、やり直しもきくんだ、って。
だれにでも希望があるんだ。
世の中、善と悪だけでおしまいだったら、かなりひどい世の中のような気がするけど。
でも、最近、善悪をはっきりとつけてしまって、悪と判断された側を徹底的にバッシングするような風潮があるので、脅威を感じているんだけど。
世の中、善悪つけがたいことっていっぱいあるんだし、ね。
逆に、善に見せかけていてその奥に「悪」が潜むこともあって、そういうことには厳しいのも良い感じなのだ。
最近は、そういう表面ばかり取り繕っているようなことだらけだから、そういう種類の「悪」を見逃さない真っ当さが、尚更心地よく感じるのだろうな。
本当に大事なのは、ひとりひとりの心。
心の奥に潜む悲しみややさしさ。
そこに「真実」があるのではないかな。
真っ当に生きるってカッコイイ。
世の中、まだまだ捨てたもんじゃないって。
きっと「奇跡」は起こるんだ。
たぶん、ね。
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おとなだもん、奇跡の一つも見せなくちゃ。
2004/05/24 20:44
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投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る
もともと、好きになった作家って存在は、読者にとっては特別なんですけど、2004年を生きる僕らにとって、伊坂幸太郎さんが特別だって理由は、日々感じている釈然としない思いを言葉に変えてくるからなのかもしれません。
伊坂さんの出世作『重力ピエロ』は、世界で一番格好良いお父さんの物語でしたが、本書には身近で格好悪い父親と、煮詰まった少年が登場します。
全方位的にこんがらがって、もう子供じゃないし、大人にもなりたくないし、行き場もないし、イライラはつのるし、結局諸々の矛盾が向かう先は自分だし。そんな少年時代には、奇跡の一つくらい見せてくれるカッコイイ大人が側にいて欲しいものですが、フィクションの世界でさえ、誰かがヒーローになる瞬間はあっても、いつもヒーローでいられる人はなかなかいません。まして、フィクションの外ではなおのこと。
だから、カッコイイ大人なんていなかったし、今もなかなかいないけど、「いないなら書いちゃえ!」と、伊坂さんが書くと、こんな物語になるのです。たぶん。
そのヒーローは、すっごくはた迷惑で無責任で優しくないし、むしろ突飛で乱暴なんだけど、それが颯爽としていて心地いいんですね。無茶な言説をガンガン積み重ねて、ふと「本当のこと」を言わせてしまう伊坂マジックの象徴的キャラクターの一人です。これって、『陽気なギャングが地球を回す』をお好きな方には、一つ頷くだけで察していただける魅力なんです。(響野はお好きですか?)
また、前作からの流れで言えば、キャラクターの魅力だけでなく、『アヒルと鴨のコインロッカー』や『ラッシュライフ』で読者を幻惑した、構成の魅力ももちろん健在です。
【子供のことを英語でチャイルドと言うけれど、複数になるとチャイルズじゃなくて、チルドレンだろ。別物になるんだよ(——P96から引用。)】
この短編集は、五つの物語を重ねることで、はた迷惑な若造がヒーローになるまでを描きます。もっとも、最初からヒーローだった傑物の、数々の伝説を4人の視点で目撃するので、成長物語の要素は控えめです。
具体的には——。
警察に囲まれた銀行から強盗たちが消えた。
縁日で見かけるようなアニメの登場人物のお面を被せられ、
縛られ床に転がされた少年たち。
陣内がしゃべくり倒し、鴨居が巻き込まれ、盲目の永瀬と出会う。
——『バンク』
拳銃を持った牧師こと、家裁調査官が登場。
語り部の武藤君はなんだか、近藤史恵さんの
整体師シリーズのお人好し編集者と通じる印象。
居合わせて巻き込まれる、武藤君てば不幸。
(不幸な彼らに幸あれ……。)
——『チルドレン』
【「失恋した俺のために、今、この場所は時間が止まっている」(——P140から引用。)】
時に神様は、本当に時間を止めてみたりする。その公園で時間が止まって
2時間が過ぎた。語り部は優子、恋人は永瀬。目が見えないからこそ
世界が見える永瀬の傍らに立つ優子は、盲導犬のベスに
後輩扱いされている。恋敵は盲導犬。
——『レトリーバー』
【俺たちは奇跡をやってみせるってわけだ。(——P194から引用。)】
家裁調査官の仕事は奇跡を起こすこと。身勝手な大人、格好悪いオヤヂ、
歩きあぐねる少年。彼らの上に、起きた奇跡。武藤君は再び、語り部として
目撃者として担ぎ出された。「カッコイイ」を紅の豚の専売特許から奪還?
——『チルドレンII』
不可解な彼の転機を目撃する特権は読者だけのもの。
ただ、それを伝える語り部は必要で、盲目の永瀬だからこそ
感じた奇跡を読者に手渡せる。その事件の本当の意味は?
——『イン』
こんな五つの短編が集まって、読者は傍若無人な彼の伝説を一望できるのです。「青春エンタ」の講談社から刊行されたこともあってか、少し切なくて元気で愉快な風合いに仕上がっています。旬の物語を瑞々しいまま頂くなら、時は今なのです。