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高い評価の役に立ったレビュー
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2005/12/17 15:36
私も私として生きているんだと実感。
投稿者:ちび - この投稿者のレビュー一覧を見る
装丁に惹かれて読んでみました。
クサナギの言葉に生きていることを痛いくらい実感させられました。甲斐から「それがあなたの生き方だ」と言われ、クサナギは「自分に生き方などあったのか」と考える。私も、今私の生き方で空の底を這っているのだろうと思った。
しかし、なぜこんなにもどうでもいい事ばかりに囚われているのか、やりたい事だけを追求して生きていけないのか・・・。
離れたくない人、守らなければいけない人がいるからなのか。
とにかく、クサナギのすべてが羨ましく思えた。
そして、戦闘中のシーン。本であんなにドキドキ興奮したのは初めてだったかもしれない。読みながら頭の中をブーメランが飛んでいる。(ダンスをしていたのかな)映画館でアクション映画を見るよりドキドキハラハラして、電車の中でも背筋がゾクゾクして鳥肌が立った。
早く、次作を読みたい!!
(昨日、購入しました)
低い評価の役に立ったレビュー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2004/07/25 21:36
ただただ静か
投稿者:浅海 - この投稿者のレビュー一覧を見る
飛行機乗りが殺しあう。
それは仕事だから。
空が好きだから。
装丁から気持ちのいい静けさが漂ってくる。
その雰囲気を裏切らない澄んだ文章だった。
私は飛行機の事なんか全然知らないので、専門用語(?)が
出てくるシーンは全然理解できていないと思う。
でも、空中での張り詰めた空気やするどい動きが見えるようで
ドキドキした。
主人公の飛行機への愛情は、これでもかってくらいで
ついついニコニコしてしまう。
文章はとっても静かなのに感情が揺さぶられて
切なくなったり怖くなったりしてハラハラもした。
ちょっと不思議。
買って良かったなって、しみじみ思える。
とても愛しい本でした。
紙の本
私も私として生きているんだと実感。
2005/12/17 15:36
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちび - この投稿者のレビュー一覧を見る
装丁に惹かれて読んでみました。
クサナギの言葉に生きていることを痛いくらい実感させられました。甲斐から「それがあなたの生き方だ」と言われ、クサナギは「自分に生き方などあったのか」と考える。私も、今私の生き方で空の底を這っているのだろうと思った。
しかし、なぜこんなにもどうでもいい事ばかりに囚われているのか、やりたい事だけを追求して生きていけないのか・・・。
離れたくない人、守らなければいけない人がいるからなのか。
とにかく、クサナギのすべてが羨ましく思えた。
そして、戦闘中のシーン。本であんなにドキドキ興奮したのは初めてだったかもしれない。読みながら頭の中をブーメランが飛んでいる。(ダンスをしていたのかな)映画館でアクション映画を見るよりドキドキハラハラして、電車の中でも背筋がゾクゾクして鳥肌が立った。
早く、次作を読みたい!!
(昨日、購入しました)
紙の本
長女が、オカンも早く読みなよ、と叫んだ。それほどの本である。そういえば四季にもこんな部分があったかもしれない。でも、こっちのほうが圧倒的に上だね
2004/08/27 20:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
『スカイ・クロラ』の続編。主人公は、僕、クサナギこと草薙水素、戦闘機のパイロットである。時間、場所は近未来の別世界、とでも言っておこう。僕は、任地が変わったばかりである。その僕と一緒に、基地を移ってきたのが、飛行機の整備をする笹倉である。
で、その男性八割、女性二割という構成の基地のボスというのが合田、その基地でナンバー1であり、この戦闘機乗りの世界で名を轟かせているのが、ティーチャである。彼は、早々に僕の腕を見抜きナンバー2の座を指定するとともに、彼が乗る予定だった新型の戦闘機散華を譲ってくれるのだが。
実は、期待していなかった。前作『スカイ・クロラ』が出たのが、2001年の6月。早速読んだのだが、たとえばその本の紹介として「僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。その代わり、誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう-。近未来を舞台に、戦闘機パイロットである「僕」の日常を描き、「死とは」の問いに挑む。」といった部分をほとんど読み取ることができなかった。
森には悪いけれど、いつもの頁稼ぎみたいなスカスカな文章と、詩人気取りの気障な文体で、話の空虚さを誤魔化しているなと、あっさり読み飛ばしたのである。だから、書店でこの本を見たときも「あれ、森が中公から出すなんて珍しいな、どこかで見たようなデザインだな、『スカイ・クロラ』って続編出すほど面白かった?」と別段気にもしていなかったのである。
でだ、高一長女がこの本を読んだ。意外なことに「最高だよ、オカン。森博嗣のベストかもね、ま『女王の百年密室』は別格としてさ。なんたって主人公の性格が好きだよ、え、まだ読んでないの? 早く読みなよ、オカン」と絶賛なのである。おいおい、おいらのことをオカンと呼ぶな、っての。
でだ、面白かったのである。森のロリコン趣味を差し引いたとしても、十分にお釣りが繰るほどである。特に後半からラスト。しかし、いい加減に内容に触れると、この本ばかりは面白さが半減するかもしれないのである。そこで、私はダンマリを決め込むことにするのである。その代わり、長女に言ったことだけを書いておく。「あんた、『キノの旅』を連想したんじゃあないの?」
ともかく言えることは、これは『四季』よりは圧倒的に面白く、もしかするとS&Vシリーズの保呂草の恋愛を扱った最上の一作に匹敵するほどのもので、しかも、それがお話の最初からではなく、後半になって俄然、面白さのレベルが上がるというのが実に意外で、これなら『スカイ・クロラ』が、面白くなかったというのも、故がないわけではないな、と自分を慰めることができる、それほどのものである。
紙の本
綺麗。
2004/11/12 19:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:氷檻 - この投稿者のレビュー一覧を見る
スカイ・クロラのあとから早く次がでないかと待っていました。
一章ごとの短い詩というのでしょうか? その文、もちろん内容も、そして表紙も、綺麗だと思いました。何と言えばよいのか分かりませんが、読んでよかったと思います。今までなかったことで、スカイ・クロラ同様ですが、「恐怖」意外の感情で心震わせてくれました。
紙の本
作者の術中にはまるのを承知で2作目を読む
2008/07/28 15:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YO-SHI - この投稿者のレビュー一覧を見る
「スカイ・クロラ」シリーズの第2作。「ナ・バ・テア」とは、"None But Air"の読みをカタカナで表したもの。本文中に「周りには、空気しかない。何もない。」という箇所があるが、そこのところを表しているんだろう。こういう英語の使い方は、他にもあるかもしれないが何となくカッコいい。
本書の主人公の僕は、戦闘機のパイロットだ。戦闘機に乗って空を飛んでいるときだけ、自由になれる、笑うことができる。撃墜されて戻って来られないかもしれなくても、帰還して着陸するときには「次はいつ飛べるのだろう」と思うような性格の持ち主だ。主人公によると、戦闘機乗りはみんなそうなんだそうだが。
また、他人と深く付き合うことができない、将来のことを考えない、欲と言えるのは「もっと性能の良い戦闘機に乗りたい」とか「上達したい」とかだ。それには、戦闘機のパイロットという職業以上に、その生い立ちが関係している。主人公は、キルドレと呼ばれる、子供のまま大人にならない、ケガ以外では死なない、という宿命を負っている。
そんな主人公、他人のことに興味がないはずの主人公が、何故か「ティーチャ」と呼ばれる天才パイロットに「憧れ」を抱いた。本人にも何故そんな気持ちになったのかわからない。このことが物語の始まりになっている。
実は、このことは本書の始まりであるだけでなく、シリーズの始まりにもなっている。2作目の本書は、1作目の「スカイ・クロラ」から何年か遡った物語だ。1作目で何の説明もないままだった様々なことが、本書で明らかになっていて「そういうことだったのか」という満足感が広がる。
それに、詩のように短い言葉で綴られる空中戦のシーンが相変わらず秀逸、使われる言葉に馴染がないにも関わらず、映像が目に浮かぶようだ。それから、言い方は悪いが、独特の浮遊感で最後まで引っ張った感のある1作目と違い、ストーリーにドラマ性も見えてきた。3作目が楽しみだ。
「作者の術中にはまるのを承知で、2作目を読むしかない。」と、1作目のレビューで書いたが、まさにその通りになったということだ。
紙の本
全てがあり、何もないところ
2004/07/23 13:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:祐樹一依 - この投稿者のレビュー一覧を見る
飛行気乗りの男女の物語。森博嗣の大好きなものを書きたいように好きに書いているなあ、というのが第一印象。それは前作「スカイ・クロラ」と同じ。本作は同シリーズと銘打たれているものの、単発でも読めます。これほどに「飛行気乗りの視点」で書かれた小説も珍しい。上空での戦闘が随所に登場します。エレベータ、フラップ、エルロン、といった言葉を絡め、リアルタイムで飛んでいる飛行機とそ内部のパイロットの心情描写が(飛行機の内部から)描かれるのです。僕は専門的(?)な用語には通じていないものの、詩的とも言える鋭角な文体と相まって流れるように楽しく読めました(それが戦闘シーンであっても)。
空で生きているのではなく、空の底、つまり地上で生きている、と独白する主人公。どれほどに空に憧れていても、結局は人間は地上で生きるしかない生き物なんだ、というジレンマが伝わってくるのが切ないですが、しかし、生きるために飛ぶのか、それとも必ずやって来る死のときのために飛ぶのか、というのが思い切りの良さ。死ぬために飛行機で空を飛ぶのは簡単だけれど、生きるために飛ぶのは覚悟がいる。もしかしたら、そこに何もないからこそ、己を置くために人は空に飛ぶのかもしれない。空で自分が生きていたのだという確証を得るために。
「None But Air」。タイトルに全てが語られているようにも思えます。
(初出:CANARYCAGE)
紙の本
空気感
2004/06/25 22:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:touma_online - この投稿者のレビュー一覧を見る
夢中である事、好きである事に対しては、自分勝手に触れていたい。
そればっかりをやっていると、生きていくのが難しくなる。
難しいのは、周りがごちゃごちゃいうから。ほっといてほしい。
でも、実は、自分自身こそが、楽なものに寄りかかって、生きやすいことにすがりつきたいと、
つい思ってしまうものだ。
その、すがりつきたい「自分自身」と、夢中が大好きな「自分自身」をどうやって折り合いをつけていこうか。
そんなお話です。意外なほど直球なテーマを、広範な物語世界を通じて描く豪腕さが見所です。
淡々とした心情描写で、あえてウエットな心理状態そのものから外れた周辺を描く事でそのウエットさを際立たせる森博嗣特有の文体は、本作の空気感によくマッチしていて、独特の寂寥感が味わい深くて良いです。(難解さも相変わらずですが)。冷静を装いつつもどこかヒステリックな主人公が魅力的です。
シリーズ物としての構成の妙を楽しむもよし、やたら現実的・現場的なメカ描写を楽しむもよし。
いろいろな切り口で楽しめる作品に仕上がっています。前作を読破できた人なら本作も楽しめるでしょう。
紙の本
スカイ・クロラ シリーズ第二弾
2022/12/08 08:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
散文詩のような詠嘆調の文章と、対照的で圧倒的な空戦シーン描写が特長のスカイ・クロラ シリーズ第二弾である。基調は前巻のスカイ・クロラと同じであるが、人生というものへの諦観はより一層この巻のほうが深まっている気がする。作者森博嗣の代表作と言える。
紙の本
独走する独創
2004/07/26 20:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MANA - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争の話なのに、ありがちな悲壮感がない。今作も前作「スカイ・クロラ」同様一人の飛行機乗りの視点から、末端である個人の閉じた世界を描いている。
とりとめのない、一瞬のキラメキのような人間の思考を散文詩のような独特の文体で表現する森氏お得意の語り口は健在だった。常に一人称を崩さない事により、あくまで静的に、淡々と、戦闘の緊迫感や疾走感を表現している。しかしそこに気怠くダラダラとした読みづらさはなく、むしろ作品全体に勢いが溢れていてスラスラと読み進めていくことができる。合間合間で使われるナンセンスな場違いジョークもちょっとした箸休めといった感じで面白い。
ただ残念だったのは前作もそうだったのだが、あまりに独りよがりな表現が多かった点だ。戦闘シーンでの専門用語の濫用はまるで同人誌のようで、出版社もよくGO出したなと思った。
あとはあまりに死が美化されすぎているように感じた。普段あまり作品に明確なテーマを置かず(最近は思想的な作品もみられるが)なぞなぞのようなレトリックを好んでいた森氏だけに余計に際立っていたのかもしれない。
確かに好きな事をやりながら死んでゆくのは素晴らしいことかもしれない。安易な同情、結果論は逆に死者を侮辱するものだということもわかる。それでもやはり死は現象でしかなくて、尊ばれるはいつでも生者であり、生前の人生そのものであるべきなのだ。
若い読者も多くあるだろう人気作家だけにもう少し表現のしようがあったのでは……と感じた。
紙の本
ただただ静か
2004/07/25 21:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浅海 - この投稿者のレビュー一覧を見る
飛行機乗りが殺しあう。
それは仕事だから。
空が好きだから。
装丁から気持ちのいい静けさが漂ってくる。
その雰囲気を裏切らない澄んだ文章だった。
私は飛行機の事なんか全然知らないので、専門用語(?)が
出てくるシーンは全然理解できていないと思う。
でも、空中での張り詰めた空気やするどい動きが見えるようで
ドキドキした。
主人公の飛行機への愛情は、これでもかってくらいで
ついついニコニコしてしまう。
文章はとっても静かなのに感情が揺さぶられて
切なくなったり怖くなったりしてハラハラもした。
ちょっと不思議。
買って良かったなって、しみじみ思える。
とても愛しい本でした。
紙の本
何もない、ただ空があるだけ
2004/06/26 20:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ラミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと待っていた。ついに出た。はしたないと思いつつも、発売日に本屋に走った。虚ろで透明な文体。鮮烈なオレンジの装丁。非常に美しい。
今度の主人公は女性パイロットのクサナギ。「戦闘法人」なるものの社員というのは前作と同じ設定だ。優秀なパイロットとして空で戦いつづけるも、しかし、それは限りなく空虚だ。
表紙の言葉は、《僕は、空で生きているわけではない。空の底に沈んでいる。ここで生きているんだ》
−−−今起きているイラク戦争では「民間戦争会社」なるものが活躍しているのは周知の事実だが、このシリーズは著者一流の反戦メッセージなのだろうか。前作との関連なども興味は尽きない。