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これは私の戦争観を一変させてくれる本当にすご本。
第2次世界大戦とベトナム戦争時の敵に向けての発砲率の劇的な向上。どう訓練したのか?
アメリカ軍隊の教科書。
恐るべき合衆国。
脱帽です
本来、人間は同類を殺すことについて強烈な抵抗感があるという! ここだけが救いだ
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20081212
名著。
戦争に駆り出された人は、なかなか敵を撃てない。
それを改善?してしまったアメリカ軍。
人を撃つTVゲームはまるで上の軍事プログラムではないか。
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戦争での兵士の心理状態について、またいかにそれを利用して効率よく敵兵を殲滅するかについて、興味深い話が多かったです。原爆のスイッチを押した兵士とナイフで敵兵ひとりを刺し殺した兵士ではどちらが心の傷が深いか、などの内容から、帰還した兵士を英雄視することに対する意義まで。戦争で人を殺した後、もし日常に戻って誰かを殺したくなった時にはどういう考えでその衝動を抑えるのかが気になって読みました。
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戦争における現実の新たな一部が知れる本
人が人を殺める事に関する多大なストレスを理解することが出来た
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この本は去年の3月に買ってからもう何度も読み直している。
本屋でその強烈なタイトルに衝撃をうけて思わず買った。
この本は「戦争」「人殺し」という行為を行う兵士側もまた、戦争の「被害者」だということを教えてくれる、貴重な本だと思った。
戦争で兵士は人を殺すのではなく「ぶっこわし、打ち砕き、めちゃくちゃにする」という感覚、人や兵器がただの「もの」として扱われるという現実。
読めば戦争を見る目がかわる。
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一言で言えば、とてつもない本。
本屋でベストセラーになっている軽い本を何冊読んでも、本書から得られるものに全く及ばないと思った。
本屋のまるで目立たないところにある本が、人生を変えることがある。
それが本書。
「戦争における殺人と」いう究極の状況において、人間はどのように感じ、どのように行動するのか。
今まで「戦争のことだから」といって自分の中で思考停止にしていた部分に、100%正面から突っ込んでいるのが本書だ。
少し考えてみれば当たり前のことだけど、
本書を読んで初めて考えたのは、「軍人だって職業のひとつであり、普通の一般人が選択した職業である」ということ。
「人を殺すのは誰だって怖い。」
それを知って、ほっとしたし救われた気がした。でも、軍人の中にある殺人の怖さを殺し、彼を殺人に駆り立てる術があることに戦慄を覚えた。
しかも、その方法は、知ってしまえば納得がいってしまう事なのだった。
人生について、深く考えさせられた。
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戦争に対する意識や、映画による刷り込みなどの影響と現実の違いをまざまざと示された。
資料としても、知識を深める本としても、これはとても残酷なほどすごく心理をついている部分が多い。
現在286ページで、もうすぐ図書館に返却ですが、購入しようか迷ってます。
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「人は人を殺せない」
それは銃弾が飛び交う戦場でも変わらない真実だというのです
WW1の有名なクリスマス休戦や伝説のような「敵と仲良くなった」話や「発見した敵を逃した・敵が逃してくれた」は人間性の真実なのです
兵士が敵を殺すのは憎悪からではなく「仲間を想う心」からであり、なるべくなら「敵を殺したくない」と思っています
しかし火砲や誘導兵器、航空機の発達がそんな良心を楽々と吹っ飛ばし現実の戦争では大量の死傷者を生み出しています
そういった兵士たちの心を見事に描いています
戦争、軍隊に関してあらゆる立場の人に必ず読んで欲しい一冊です
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戦争を存続させている社会に生きて、その社会のシステムに組み込まれ、なんらかの形で責任を担っていることを否定はできない身として、戦争の「現場」を知ることはある意味の義務だと一応は感じているわけです。
この本は、戦争の人殺しというところの、本当のジッサイを書いています。あまり類書がないような気がします。(事実、著者は本の中でこのような観点の本は初めてだと書いている)
殺人行為を避ける傾向をいかに強く人は生まれつき持っているのかがわかりました。またその軍における対策としての殺人の条件付けの方法なども。
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人は個人的恨みでもなければ、戦争だからと言ってもなかなか人を殺したりはできなかったことを、データによって示す。怖いのは、その事実を受けて、命令さえあれば素直に人を殺せる兵士を作り上げる試みがたゆまなくおこなわれてきたこと。今、イラクの人たちがどんな恐ろしい連中と同居させられているのか想像されてぞっとした。
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戦争においては兵士は敵の兵士を殺すだけでなく、
時として民間人に対してさえ、多くの虐殺が見られる。
これは人間が元来持っている残虐性に拠るものなのだろうか。
その問いに対して著者は多くの戦争経験者に対する聞き取り調査を行ったが
その結果は意外なものだった。
第二次世界大戦までの多くの戦争において、
兵士の発砲率はわずか15~20%という驚くべき事実。
歩兵は命令されても殆ど相手を撃っていないのだ。
死者の多くは砲撃によるものであり、これは人間が可能な限り
「殺人」を避けようとする生き物であることを意味している。
相手を殺すことに抵抗を感じない、「攻撃的精神病質者」の割合はわずか2%にすぎなかった。
そして敵を殺した兵士の多くは、その後激しい自責の念にかられるのだ。
興味深い事実が次第に明らかになる。
人間が相手を殺すのは、次のような条件が必要となるらしい。
・最も虐殺が起こりやすいのは相手が背中を見せて逃げるのを追撃する時。
・顔を見せている敵を殺すのは難しい。
・相手との距離が遠いほど殺すのに罪悪感を持たずに済む。
・蔑称を使うなど敵の人間性を否定する事で「殺人」はしやすくなる。
・ひとりでは殺せないが集団でなら殺せる。
・シュミレーターを使った条件づけの訓練を行う。
・殺人を正当化する理由と褒賞があること。
ベトナム戦争におけるアメリカ軍は、
戦闘シュミレーターによる訓練による条件付け、
相手を訓練の的だと思い込むことでの否認防衛機制、
相手を蔑視し、殺すことへの抵抗を少なくする脱感作などのテクニックを
用いることで兵士の発砲率を90~95%まで高めた。
だがその代償として多くの帰還兵がPTSDに悩まされることになる。
つまり、人間は本来同じ種である人間を殺すようにはできていないのである。
戦争はいつの時代もなくならないのも事実だが、
人間の本性は戦いを避けようとするというのも事実なのだろう。
そこにかすかな希望があるように思う。
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素晴らしい本。読んでホントに良かった。
戦争というものがどれほど恐ろしいかという事が、ヒトの心理を通して肌で感じる事ができた。心が震える程の読書ができた。
この本はある意味でヒトという存在の希望の書でもあると思う。
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本来は殆どの人が人を殺す事に強い抵抗感を感じると言う事、そしてどうすれば人に人を殺させる事が出来るのかと言う事について、元兵士の体験談や米国の行った方法等を交えながら書かれています。今の日本では漠然と「兵隊は人殺しで悪人だ」と言うイメージで語られてしまったりもしますが、実際の戦争における殺人行為と言うものはそんな単純な話では無いと言う事を分かりやすく解説した本です。
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これは戦争文学、戦争映画を読み解くためのすぐれたガイド本だ。私が今まで観てきた太平洋戦争やベトナム戦争、アメリカ独立戦争等、もろもろの映画の見方ががらりと変わるのを感じた。例えば近作の『ハート・ロッカー』や『戦場でワルツを』の受け取り方も深化したと思う。
本文中には文学やルポルタージュからの引用が豊富に提示されている。たいていは戦場の兵士たちの体験談だ。まったく同じ文章は読んだことがなくても、似たような場面を知っている、とうなずける、典型的な描写ばかり。
戦争経験のない私たち一般人は、兵士の心理を頭で理解しようとするし、兵士自身も自分が経験した心の変化を頭で理解しようとする。しかしそれは間違っていることが多い。兵士は殺人を強いられるという特殊な状況下では、頭ではなく本能、生理反応で動くものなのだ。
殺人に際しての強力な抵抗感は、対象との距離や、命令の有無などなど、さまざまな要因で薄れもすれば強まりもする。博覧強記な筆者は、古代ローマの槍から近代戦の爆撃機までを例に挙げ、大変な説得力で、効率的な殺人を可能にする、心理的テクニックを説く。
後半からは、兵士の払う犠牲の大きさについて書かれ、胸を衝かれずにはいられない。私たちは小学校で、罪のない人の命を奪う戦争はあってはならないと学ぶ。その言説には、殺人者たる兵士は加害者であるとの見解が含まれていると思う。
だが、もしかしたら筆者が最も強く訴えたかったのではないかと思える、ベトナム帰還兵をとりまく状況についての章を読めばまったく考えが変わってしまう。
第二次対戦での兵士の発砲率は15〜20%だった。それがベトナムでは95%にまで急上昇している。その要因がひとつひとつ挙げられているのだ。そして彼らが米国に帰り着いてからの国民の仕打ちが、PTSDをますます深刻なものにした。ベトナム戦争の映画が、終戦後20年作られなかったことの大きな原因がここにある。
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戦場にあって発砲できた兵士は、かつてはせいぜい10人に2人程度しかいなかったのに、ベトナム戦争においては実に10人に9人にのぼる。この間、何があったのか。
元来"人は人を殺せない”から、"人に人を殺させる”手段は3つ。
1に心理的物理的距離を取り”殺し”の存在を曖昧にすること、2に敵を人間扱いしないこと、3に殺す側の人間性を破壊すること。
ベトナム戦争においては、心理学の知見を動員して手段3を採り、大きな"成果”を上げたが、戦後、大量のPTSD患者の出現という大きな代償を払わされることになった。
筆者は、死や暴力が氾濫する現代のメディアは、主に上記3の効果を発生させてしまっていると憂慮し、メディア規制の必要を訴える。
僕自身はメディア規制には慎重であるべきという立場であるが、軍隊の”人間性破壊”のプロセスは一定のコントロールの下にあるが、メディアの表現にはそれがないという筆者の主張には同意せざるを得ない。