紙の本
キャリアとは偶然を編集していく能力
2005/01/02 00:26
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投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
松永真理「シゴトのココロ」、藤原和博「人生の教科書」あげればきりがないトヨタと並ぶ人材の宝庫リクルート。リクルート出身というだけで、転職市場では強力ブランドだそうです。ビジネス書としても一つのブランドを形成しているます。またリクルート出身者の本は、編集のシゴトで鍛えられているせいもあり、わかりやすく、読みやすく、中身が軽い(実は背景は濃いのだが)というユーザーフレンドリーな本が多い。軽く読めて、シゴトのモチヴェーションが上がる場合が多いので、落ち込んだ時にどうぞ、という感じ。逆に言うと、自己改造セミナー本的な中毒性のあるものでもあるのだが。
しかしリクルートという会社を、知っている人は案外少ないようですね。ゼクシィの会社といえばわかるのだろうか。東京や大都市ど真ん中にいるとR25やHotPaperなど無料雑誌を死ぬほど目にしますが、全国区では活動していないみたいです。ここはモチベーションを強烈に重視する社風だそうで、確か創設者の江副さんが東大の心理学かそれに類する学部出身であったことから来ているみたいです。またビジネス領域を新卒転職などであることから、彼らのヒューマンリソースの視点は、スキル的なものよりもマインド、モチヴェーションなど心の姿勢的な視点が多いのです。人事を考える時には、給与体系などのハードと同時にソフトの制度設計が重要で、この両輪が回ってこそ組織のカルチャーが安定するのです。リクルートは、そうした心の部分に非常に得意な会社だと思います。そうした背景を押さえてリクルート出身者の本は読むべきだと思います。
だからこの著作の「はじめに」で「技術とか、資格ではなく、もっと「本質的にいい仕事を楽しくやる」ための「対人」「対課題」「対自己」の能力に書きました」とある。心理学的な「自分探し」の視点です。日本社会にはめずらしい横に世界を広げていく考え方ですね。決して、立身出世的上昇志向ではない。世界や社会よりも、自分自身の充実が最優先。これは、リクルートに勤める友人や知り合いを実際に見ると、一発でわかります。興味深いです。
僕は、日本的な心構えを記した本としては、中谷彰宏「入社3年目までに勝負がつく77の法則」をあげるのですが、それをもう少し理論的に優しく噛み砕いた感じが、この本です。基礎とは履歴書やエントリーシートではなかなか出てこない部分で、たとえば入社3年目なんてまともに仕事ができるはずがないので、いかに「嫌われないでシゴトを助けて教えてもらえるか」という力、20代後半では権限も役職もないのに実績を出すには、「あいつに話せば俺の苦しい立場を分かってくれる」という共感力や分析能力なんです。ただ、そういう基礎中の基礎というのは、座学や本で学ぶことは僕は「不可能である」と言い切りたい。これは、その人間の共感力であったり愛嬌なので、ようは「心の成熟度」を示しているんです。だから面接で、その人の恋愛経験を聞いたりすることがままあるのです。恋愛イコールその人の成熟度がモロに出ますから。こういう基礎力が大事なのは分かるが、「それをどのように学ぶ」のかは、実は書いていないんですね。それがこの本の欠点。といっても、書いてある本自体はまず少ないが。答えは、人材宝庫リクルート全盛を築いている藤原さんや松永さんの世代が、実は、過労死をもいとわないウルトラハードな量をこなすモーレツ社員であったこと(いまや違う)や、リクルート疑獄の真っ只中の時代背景に働いていたということにそのヒントがある気がします。そういう意味では、どうやって「それ」を学ぶかが体験的に書かれている中谷さんの著作の方が、僕的には好みです。ただ、簡単に読めるので、読み比べてもらえると、面白いと思います。
紙の本
バランス良く生きるために
2004/06/05 22:41
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投稿者:ミゲル - この投稿者のレビュー一覧を見る
「仕事のための」とありますが、仕事に限らず役立つ内容だと思います。
人の話に“うなずく”、そんな些細なことでも相手をいい気持ちにさせて、話を引き出すのに役立つ「反応(リアクション)力」という能力だったとは。ここに出てくる12の基礎力は、いつの間にか身に付いているものと、努力して身に着けるものがありますが、どれもバランスの取れた大人には必要な能力だと理解しました。ただ、それをちゃんと能力なんだと認識するかどうかで大きな差が出るのだろう。
一気に読める構成と文章なので、就活に悩む大学生にもお勧め。
紙の本
内容紹介
2004/05/31 18:00
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投稿者:日経BP社* - この投稿者のレビュー一覧を見る
知識でも技術でも資格でもなく、それ以前に、仕事に本当に必要な“基礎力”があるのを知っていますか?
リクルートワークス研究所・大久保幸夫所長による年代別の「キャリアと能力」の育て方。人気講演のエッセンスを本にしました。雇用情勢の激動期を迎え、一人ひとりの社員が自らキャリアデザインを描き、スキルアップをしなければならない時代に突入しています。しかし、往々にして耳目に入りやすい資格等ばかりに目が向いていないでしょうか。
大久保氏によれば、実は生涯にわたってキャリアを充実させていくためには、基礎となる12の「仕事力」が不可欠なのです。しかも、それらを培うには旬(しゅん)となる適齢期があります。例えば、入社3年目くらいまでの社員が鍛えるべきは、上司、同僚から支援・協力を引き出すための「反応(リアクション)力」「愛嬌力」。30代までに求められるのが、考え方・背景の異なるチームの中で業務をこなすための「文脈理解力」等。さらに、40代に入れば、部下を育てるための「相談(カウンセリング)力」「教授力」も必要になります。長年の大久保氏の講演の中で,各年代のサラリーマンが万遍なく身を乗り出す,人気講演の勘所を公開。
■目次
はじめに
第1章 キャリアに関するさまざまな誤解
1.キャリアとは目標に向かって、まっすぐ歩いてゆくことだという誤解
2.大学や大学院を卒業しておけば、就職や転職に有利になるという誤解
3.資格を持っていれば、何とかなるという誤解
4.「正社員」こそが、絶対であるという誤解
5.35歳を過ぎると、もう転職できなくなるという誤解
6.マネジメントができない人が、専門職になるという誤解
第2章 キャリアを成功に導く12の基礎力
第一能力 反応(リアクション)力
第二能力 愛嬌力
第三能力 楽天力
第四能力 目標発見力
第五能力 継続学習力
第六能力 文脈理解力
第七能力 専門構築力
第八能力 人脈開拓力
第九能力 委任力
第十能力 相談(カウンセリング)力
第十一能力 教授力
第十二能力 仲介調整(コーディネート)力
第3章 キャリアの階段を着実に上るための法則
1.キャリアの階段を上る
2.関連し合う12の基礎力
3.必要条件としての二つの技術
4.大人のためのインターンシップ
5.階段の上にある世界
おわりに
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どんな種類の仕事についたとしても使える「基礎力」。私みたいに、いつ、どんな仕事のもとへ落下傘降下するかわからない場合、この「基礎力」の重要さが身にしみます。自分の背中を押したいときに読みたい本です。
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タイトルの通り、仕事をやっていく上で必要な12の基礎力についてが書かれています。
1.反応力
2.愛嬌力
3.楽天力
4.目標発見力
5.継続学習力
6.文脈理解力
7.専門構築力
8.人脈開拓力
9.委任力
10.相談力
11.教授力
12.仲介調整力
この12の力ね。
読みながら「そうそう」とか「へぇ」とか 共感できながら読めるので吸収しやすいです。
就職活動中の大学生にも入社したての新卒社員にも中堅社員にも役員やってる方にもおすすめできます!
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ためになってよかった! 授業とかでているだけという癖はなかなかなおらないので、すぐに直す うなずくことは大事 すべての話は質問するつもりで聞く 勉強週間(まずは集中的に→目標を定める) 学習視点でものを見る習慣をつける、肉体労働も考え方次第で知的労働 興味をもったら本を読んだり、セミナーにいったりというところからはじめる 挨拶の省略はマイナス→愛嬌力 笑顔が魅力的で、丁寧に人の話を聞いて、自分の意見も言うのが好かれる ポジティブシンキングは育った環境の中で時間をかけてつくられたもの 小刻みなスケジュールで目標設定力をつける
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後輩に上げるために久々に読み返してみた。
自分に足りなかったものは上司に対する愛協力。だと思う。一番難しかったんだよなぁ。
仕事をビジネスマンになるにあたって
必要なことがわかりやすく書いてあるオススメの一冊。
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【読む目的】
仕事におけるキャリアと能力の育て方を知りたい。
【読んだ感想】
「キャリアに対する誤解」「キャリアを成功に導く12の基礎力」がとても参考になります。自分のキャリアの棚卸し、自分のキャリア形成のためにこの本が役立ちます。
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長期間過ごす社会で持っておくべき能力を12のジャンルに分けて紹介している。著者が出版社での経験を活かした内容となっているが、どのジャンルにも通用する平易な内容。
20代から60代でそれぞれどのような能力を磨くか書かれているが、全体的に管理者向け。
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キャリア本としてはちょっと中途半端な構成かな。年齢別に分けられている12の基礎力は、いずれも「なるほど〜」と思える内容ではありますが、他にももっと大切な基礎力はあると思います。
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まず、本書では「キャリア」に纏わる一般の人が抱く誤解を解くことから始まっている。時代の変化に合わせて、自分も変わっていかなければならない。一つの仕事でずっと食っていけるとは限らない。単なる専門知識ではなく、どんな環境でもやっていける「基礎力」を身につけなれければいけないということ。つまり、「生涯勉強」しろということである。では、その「基礎力」とは何なのか。筆者はそれをお題にあるように、以下の「12」の能力に分類しており、それぞれの能力をどうやって身につければよいか解説してくれている。
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【目的】
仕事ができるように基礎力を身に付けたい
【引用】
【感じたこと】
【学んだこと】
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20070818
○失敗の原因を丁寧に分析して、ノートの書きとめておく
・繰り返した失敗が貴重な情報となる。
○ポジティブシンキングに変える方法
1) 学習支店でものを見る習慣
2)会議中に活用(論理整理ノート、専門分野ノート、理論を学習したときに図表化して整理
20090301
○技術とか資格とかではなく、もっと本質的に「いい仕事を、楽しくやる」ための「対人」「対課題」「対自己の能力について詳細に記載。
○キャリアについて
・専門家といえるほどの専門技術や専門知識を持つまでに至らず、ひとつのことをもっぱら繰り返しやることを職務として専任職レベルにとどまってしまいがちになる。
・専門家になることと、マネジメントをすることを対立的な概念としてとらえることは決して正しいことではない。
・専門分野をもつこととは会社の枠を超えて通用する専門分野を持つことです。
○キャリアの階段を純情に上がっていくと、どんな世界が待っているのでしょう
・自己概念がキャリア選択を方向づけるアンカー(船の錨)の機能を果たすようになる
?自分の強み、弱みとは何か
?自分の目標は何か
?自分の価値観とは何か
という問いかけを長年にわたって繰り返すことで自己概念が生まれてきて、自分の航路を間違えることなく進められるようになる
○12の基礎力とは
1)反応力(リアクション力)
・反応力とはコミュニケーション時にうなずくなどリアクションをうまくとる。反応力を磨くには「すべての話は質問するつもりで聞く」
2)愛嬌力
・柔和な表情や茶目っ気のある笑顔で人を引きつける力
3)楽天力
・仕事にはつきもののストレスに対して、自分に適した処理方法を持ち、戦略的に解消していく力
・ポジティブ・シンキング(前向き思考)でいれば、厳しい環境下にいても、他の人よりも感じるストレスは少ない。
・見通しの立たないことがストレスとなる場合には、ある程度やるべき仕事の枠組みが決まっていて、仕事の半分以上はルーティンワークであるような仕事を選ばざるを得ません。
・ポジティブシンキングに変える方法のひとつとして「学習視点」でものを見る習慣をつける。
4)目標発見力
・自らの仕事の目標を自ら提起する力。まず問題を発見し、その解決を目標とすることが一般的。
・「自立」というのは、「自己責任」という言葉とあわせて、企業が個人に求めるキーワードになっています。
・個々人の目標は、会社の掲げるビジョンや会社目標、部門目標に照らし合わせて、個々人で考えてくれという風潮になっています。
・「夢エネルギー」「問題発見スキル」が必要。この二つの力がある人は、今日の目標も簡単に設定できますし、人生の目標も比較的見出しやすい。
・「夢エネルギー」は目標を追いかけるという行動は習慣化するから、ひとつの目標を追いかけている人は、それ以外のことでも積極的になります。
・「問題発見スキル」は練習を重ねることで磨くことができるスキルです。構造は簡単で「あるべき姿」と「現実」の「ギャップ」を見つけるということです。
・日々の小さな業務でも30分で区切り目標をクリアしていくことで、目標設定癖がつくだけなく、集中して仕事を仕上げるクセや段取りを決めるスキルが向上し、山のような仕事を抱えてもパニックにならないようになる。
5)継続学習力
・必要な時に必要なことを学習する習慣。自然に毎日勉強する習慣化する。
・例えば年間150冊(2日に1冊のペース)以上、本を読むという目標から、量が多すぎて頭に入っていなかっても達成した後には、頭の中には確実にインフラとして残っている。多くの場合は達成前に挫折するから実感できない。
・学習の転移効果から1つのことをマスターすると、次の課題は比較的マスターしやすくなっている。
6)文脈理解力
・背景・文脈の異なる人との間で意見の調整をする力
・相手の発言の背景を想像する。相手を理解することから始める。
・論点整理の習慣をつける。⇒「論点整理シート」をつくる。それぞれ獲得したい論点は何か?どのような質問が想定されるか?などを1枚の簡単なメモにまとめておく習慣をつける。
7)専門構築力
・自分独自の強みを計画的に作り上げる力
・専門分野を構築するための重要な原則として「理論と実践の両方をバランスよく深める」ことです。実際にできる、と理論的に説明できることで専門といえる。
・重要な役割を果たすのが自らが作ったノートです。実践の中で疑問に思ったことや気づき、専門家に聞いたり、本で読んだりしたことを書き込みます。
8)人脈開発力
・ビジネスの仲間や情報源となる人を開拓し、その関係を維持していく力
9)委任力
・人に仕事を頼み、任せる力
・「自分でやったほうが早い」という悪魔の力
10)相談力(カウンセリング)
・相談される力。人の話を聞き、一緒に問題を考えていく力。カウンセラー方上司を目指して!
?同じ目標を共有することは、カウンセリングにとって極めて重要です。
?専門知識に基づいてきちんと説明する
?最終的には相手に決めさせる
11)教授力
・自分の持っている知識や技術を人に教え、育てる力
12)仲介調整力(コーディネート)
・物事を調整する力。仲介する力。推進する力
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著者は、大久保氏であり、経歴は一橋、リクルート、リクルートワークスの立ち上げ・所長
で、法政大学大学院客員教授。
内容は、非論理的(Non-MECE)で、それぞれ12の能力の深掘りも微妙。というのは、
それぞれの項目によって、詳細に書かれているものと、そうでないものがある。つまり
項目によっては鍛え方まで記載されているものとそうでないものがある。それによって、
「必要な力は分かった。じゃ、どうすれば身に付くの?」には答えてないものもあるって事。
(自分で考えろって言われればそうだが)
結局必要な力って、
1.コミュニケーション力
2.論理的、戦略的思考法
3.リーダーシップ力
の三点に纏められると個人的に考えている。(本書の内容をまとめればって話)
それを、無駄に”12”に分ける必要があるのか??
ただ、一点だけおもしろいアンケート結果?数字??みたいのがあって、それは、
1.ときどき会う人に有意義な情報を得られる事が多い
という事。よって、社内・身近な人も大いに結構だが、少し疎遠になってしまった人や
離れてしまった人と積極的にコンタクトを取り、コミュニケーションした方が、実は
良いという事らしい。
つまり、濃い部分は濃くて良いのだが、積極的に広く浅く人脈を広げていき、
その時は、ギブ&ギブ&ギブっで行こうって事。
人間関係というのは、両方とも連絡を取らなければそれで終わりである。よって、
結局、どちらか一方が連絡を取らなければならない。待つなら、こちから積極的に
声を掛けていこうと思う。
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反応力 愛嬌力 楽天力
目標発見力 継続学習力
文脈理解力 専門構築力
人脈開拓力 委任力
相談力 教授力 仲介調整力
すべての話は質問するつもりで聞く