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全26巻からなる中公文庫「日本の歴史」シリーズの第2弾、飛鳥時代を詳細に描きます!
2020/07/23 09:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「詳細で、古代史がよくわかる」と大好評の中公文庫から刊行されている「日本の歴史」シリーズ全26巻の一冊です。内容は、飛鳥に根拠をおいた天皇家は、豪族から一段優位な地位を確保しつつ統一国家を組織してゆく経過が見事に描かれています。大化改新、壬申の乱など緊張したドラマ豊かな上昇期を、微妙な一瞬にいたるまで再現し、聖徳太子、蘇我馬子、天智天皇、持統女帝など卓越した人物たちの立場を明らかにしてゆく内容です。同書の内容構成は、「新王朝の出発」、「保守派物部氏の没落」、「推古女帝」、「聖徳太子の立場」、「日出ずる国からの使者」、「いかるがの大寺」、「クーデター前夜」、「改新断行」、「難波の都」、「悲劇の皇子」となっており、少し詳細過ぎて難解な点もありますが、それだけ面白く、読み応えも十分です!
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驚きました。
2021/12/30 18:33
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投稿者:Kanye - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生のとき,日本史が好きで割としっかり勉強したつもりでした。でも,この本を読んで,自分の知識や記憶がいかにいい加減かを思い知りました。中大兄皇子がこういう人だったとは。。驚きでした。とてもおもしろかったです。
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皇族同士で血みどろの闘争をやっていた時代
2023/01/09 01:55
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
中央公論の「日本の歴史」叢書の、
文庫版第二分冊です。
天皇で言えば、継体帝から持統帝迄を
扱っており、天智天皇も天武天皇も、
当然出てきます。
物語として読んで楽しめるのが、
この叢書の一大特徴ではないかと。
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大和朝廷の基盤がある程度つくられたあと、中央集権国家の基盤が一通り完成する持統朝までを概観している。その前の、大和朝廷成立までの歴史は今後も明らかになる事はないと思う。
本書の取り扱う範囲では、日本書紀を主な拠り所とはするものの、その限界性も明記しており、補完的に発掘調査結果などを交えつつ、常識的な歴史が描かれている。また巻末には最近の知見を加えており、up-to-dateも図られている。
天智天皇が即位するまでの、妙に長い混迷など、そうあっさり流していいのかと思うところもあるが、いい意味で中庸であり、教科書的に使うと良い。
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最近、古代日本に興味がありちびちび読んで
終了。
大化の改新って相当、革命的な出来事だから
神代から蘇我・物部時代/聖徳太子/大化の改新
/壬申の乱/天武天皇/記紀の成立
までの紆余曲折とかがちょー興味深い。
はっきりいって戦国時代や幕末よりおもしろい。
戦後史並みだね。
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538年頃欽明天皇、敏達天皇の頃から、697年、持統天皇が位をゆずり文武天皇が即位するまでの歴史。聖徳太子の政治改革や、大化の改新、壬申の乱を経て、持統天皇による藤原宮の栄えを描く。
文武共に優れた評判を得ていた大友皇子より、大海人皇子(天武天皇)が最終的に地位を得たり、才能・人望共に草壁皇子を超えていた大津皇子が、優れていたが故に排斥され殺害されたりと、権力闘争の無情さからしみじみと世の儚さを感じ寂しくなる。
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飛鳥に根拠をおいた天皇家は、豪族から一段優位な地位を確保しつつ統一国家を組織してゆく。大化改新、壬申の乱など緊張したドラマ豊かな上昇期を、微妙な一瞬にいたるまで再現し、聖徳太子、蘇我馬子、天智天皇、持統女帝など卓越した人物たつの立場を明らかにしてゆく。
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第2巻では、蘇我・物部の対立から、持統天皇の治世までを扱っています。
著者は、シリーズ第1巻を執筆している井上光貞と並ぶ日本古代史研究の泰斗ですが、第1巻が戦後の諸学説の批判的検討を読者にはっきりと示そうとしているのに対して、この巻では、著者自身の歴史の見方が一つのストーリーとして示されており、専門的な学説の批判・検討は、あまり読者に見えないような叙述になっています。
第1巻に続けて読むと、ちょっと残念な気もしますが、入門書としてはオーソドックスな構成と言えるように思います。
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大化の改新から持統天皇までの歴史である。
日本書紀でも持統天皇まで扱っているので、この点でキリがいい。
天武天皇のような神話の世界よりは文献や発掘調査等でこの時代のことを理解することができるが、やはり歴史の行間を読む必要がある。
本書は1巻と同じく、種々の学説を解説した上で当時の情勢を鑑みてどの学説がもっともらしいか、ということを論じている。
行間の補完という観点では、どうしても主観が入らざるを得ないがそこはやはりこの分野の権威である直木孝次郎先生の感性豊かな考察である。
ただし、本書の発行がかなり古い(初版は1965年)ため、最新の学説は少し異なるのかもしれない。
本書の最後の「解説」の部分で最新の学説をかいつまんで説明されている。
が、歴史とはその時時で変わるものである。
今日、最新の歴史を読んだとしても10年後はどうなっているかわからない。
本書の目的は最新の学説を理解することではなく、日本の歴史の流れを大まかにつかむことである。その意味で本書は非常に良くできていると思う。
ただしかなり細かいので、概論で良いというのであればまた別の書籍があるのではないだろうか。
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聖徳太子の登場から奈良時代の少し前まで、副題にもあるように古代国家の成立が主な内容である。
特にスポットが当てられているのは、聖徳太子、天智天皇(中大兄皇子)、天武天皇、持統天皇の4人。
中でも天智天皇については、優れた政治家である一方で、野心家としての一面も覗かせる。ただ、当時の時代背景上、天智天皇だけでないのかもしれない。
本書から、この時代は、皇位を巡って後続どうしが地で血を洗う争いを繰り返しているという印象を持ってしまうが、皇族間の権力争いは、後年における保元の乱のように、実際には普通のことであったのかもしれない。
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古代国家の原型が固まってから、天皇の絶対的地位が確立される、推古朝から持統朝まで。
有力豪族の物部氏を蘇我氏が滅ぼしたのち、厩戸皇子は天皇の地位の向上を目指す。
それは、大化の改新による蘇我氏の衰退で一定の成果を見るが、白村江の戦いの敗戦により、政情はまた不安に。
天智天皇の辣腕でひとまずは政情の安定を見るが、後継者問題により壬申の乱が勃発。天武天皇にバトンが渡される。
天武の治世時に浄御原令が制定され、官僚制が確立される。
しかし、天武の死後、また後継者問題が勃発。有力な皇太子がいなくなることで、天武の皇后が持統天皇に。持統天皇の治世ののち、自身の孫である文武天皇にバトンを渡す。
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中央公論の歴史本第2巻。蘇我氏と物部氏の崇仏廃仏闘争、蘇我氏の隆盛から推古朝と聖徳太子の摂政、日いづる国から~の手紙で煬帝怒らせる、大化の改新、乙巳の変、天智天皇即位、壬申の乱、天武天皇即位、律令の制定、持統天皇即位、文武天皇即位まで。権力闘争に敗れた側の人物に魅力的な人が多いのはなぜだろうか。大海人皇子に負けた大友皇子や草壁皇子に負けた大津皇子など。詳細→
http://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou31101.html
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★4.5
内容は古めだが非常に分かりやすい。単なる通史だけではなく、その根拠や論争にも触れている。最近の研究については最後に付記がある。
地図・系図はところどころに挿入され、巻末には年表と索引あり。
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7世紀の通史。登場人物の心情を想像しつつ叙述が進んでいくのが特徴。中大兄と間人の同母兄妹間の結婚など、本当かと思わせるところも少なくないが、人物に感情移入しながらスラスラと読むことができる。巻末には著者による解説(旧著以降の研究成果の説明)が載っており、歴史研究の確かな進展を感じさせられる。