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ちょっと読んでいけばわかりますが、性同一性障害について真正面からぶつかった小説です。なおかつサスペンスにして重苦しいだけにしてないのがさすが東野圭吾。
面白さより深刻さのほうがいつもより強めな気がしますが、その分あまり知られていない性同一性障害について取材で得たのであろういろいろな情報、多角的な視点があり興味深いです。
また小説中にも解説にも出てくる「メビウスの輪」という例えはかなりうまいと思いました。
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ジェンダーって何?という問いに対する東野圭吾氏の答え。
性同一障害から真性半陰陽という問題まで手をかけ、登場人物に代弁させて答えを出している。ただ、今回は詰め込みすぎたというか、関係をごちゃごちゃにしてしまって、スマートじゃなかった印象だった。
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ミステリーなんだけど、正直トリックの面白さとかは無いかな。それよりも、テーマである「性同一障害」であるとか、「価値観」とか「境界線」とか
文学として読めるように感じます。「片想い」ってタイトルは、凄く上手い事を言ってるんだけどそれは読んで確かめて
下さいね。
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大学時代のラグビー部員たちのそれぞれのその後。毎年恒例の部員同窓会で久しぶりに顔を出したマネージャーのその実態は!!男と女というのを深く考えさせられた作品。
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このタイトルだけ見ると、普通に恋愛小説かなぁ?と思ってしまうのですが、そこは東野作品。一筋縄ではいきません。
昔は確かに「女」であったアメフト部のマネージャーが、十数年ぶりに会うと、「男」になっていた。
性同一性障害、セクシャルマイノリティと言うと、最近はよく聞く言葉だけれど、私達は、否、セクシャルマイノリティである人たち自身も、本当の性・性別というもの、人間一人一人の心というものはわかっていないんじゃないだろうかと考えさせられる秀作です。
人の数だけ性がある。
「私の心は100%女です」
「生物学的には女だけど、私の心は100%男なんだ」
と言い切れる人が、世の中の人のほとんどなんでしょうか?・・・違和感を感じていなければ、そんなこと考えたこともない、というのが一番でしょう。
正直、私は心も身体も女ではありますが、心の部分は、30%くらい男だと思います。そんな数値で正確には表せないけれど、少なくとも「100%女」ではないと思う。
周りの他の女の子達とは少しだけ違うという意識を持っていたし、かと言って「私の心は男だ!」とも思わない・・・。
そんな私にとっては、「我が意を得たり」な内容でした。
お話のエッセンスとして、殺人事件も起こるのですが、いつもの如く、それがメインテーマではありません。
考えさせられることの多い、東野節炸裂な1冊。
・・・・思わず、私も微妙にカムアウトしてしまったじゃないですか・・・(^_^;)。
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「片想い」が誰から誰への想いなのか読んでみてください。性同一性障害についても考えさせられるお話でした。
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基本的にはミステリー。同時に現代の問題・性同一障害についても語られている。主人公の哲朗は差別していないと主張するが、妻からは差別していると批判される。男女差別に人権差別。枠から外れた人も差別の対象になりうる。考えさせられる。
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男と女という性を超えた性の問題に取り組んだ作品。題材は良かったが、イマイチ迫るものがない。性同一性障害も両性具有も説得力が足りない気が。ラストもどうだか・・・消化不良。
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想いが相手に届かないことを「片想い」という。
元アメフト部の仲間たちが十数年後さまざまな角度から一つの事件に関わることに。
その時、かつての仲間同士は団結するのか、崩壊するのか?
東野作品なのに恋愛小説?と思わせる初盤。
次第に事件に主体が移行すると共に、ミステリーに引き込まれていく。
事件解決かと思った時点で、まだ半分。
え?どんな展開なの?この調子で折り返し?
いえいえ、最後の一行まで、退屈なそして無駄な文章はありません
この作品では、実にさまざまな『片想い』が交錯する。
今この時期にこの作品と出会えてよかった。
conamiの日常を少しだけ反省しつつ、これからも進んでいこうと思う。
あなたの想いは、相手に届いていますか?
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東野圭吾という作家の作品の中で、一番好きな作品といっても過言ではありません。とにかく皆さんにお勧めしたい、そして中盤・ラストでのえもいわれぬ衝撃を味わってください。
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「ジェンダーフリー」なんて、無理に男女差をなくす必要は全然ないけれど、だからといって男性らしさ、女性らしさを否定する必要も無い。
ただ、一人一人のありのままを受け止めることができればいいのでしょうが、そんな日が果たしてくるんでしょうかね?
だからこそ、この物語のタイトルは「片想い」なんだと思います。
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片方が想うこと。
世の中はそんなエネルギーで動いている気がした。
大学時代のチームメイトがそれぞれの片想いの中で、物語を進めていく。
信頼と裏切り。かなわぬ思い。やさしいウソ。
世間の非情な目。他人の異常な目。
すべてを理解せずに進んでいく
チームメイトに支えられた片想いの個人プレー。
そんな関係が心地よい作品です。
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ミステリとロマンスと友情の物語。青春の終わりはかくも切ない。
ランニングバックは、クォーターバックの手をすり抜けて、賭けていく。敵か味方かグレイだったタイトエイドは、土壇場でクォーターバックを守り。自分に真実を語ってくれないクォーターバックから、女は離れ。ランニングバックに想いを寄せた女は、魂を抱いて旅立つ。ワイドレシーバーやラインの男たちは、ただ過去を愛しいと懐かしむ。
物語にあちこちにある片思い。想いはいつもすれ違う。どれほどに互いを思いやっていたとしても、キャッチボールにはならない。それは、一方向へのパスしか許されないアメリカンフットボールの定めのように。
学生時代にアメフトを愛した大人たちの、青春ミステリー。複雑にからみあい縺れた事件の糸を、クォーターバックの指先がほどいていくのです。糸に絡めとられて、身動きのとれなくなったランニングバックを解放するために。
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子どもの頃、なぜ女の子が赤いランドセルじゃなきゃいけないんだろうって、子どもなりに真剣に悩んでた時期がありました。理由は明確で、私にとってその鮮やかすぎる赤は溌剌さなんかよりも血を連想させたから。そのときの気持ちって、なんとも表現しづらくて、悔しさやあきらめみたいなのが極限までミックスされてる感じで。そういう気持ちを思い出しました。決してスカッとする気持ちになれる作品ではないけど、『読んでよかった』そしてまた『読みたくなる』作品だと思います。
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◆甘酸っぱい恋の物語かと思いきや、性同一性障害をテーマにしたなんとも重い話。男とは女とは友情とは何かを深く考えさせられる。こういう意味での「片想い」なのか、と最後でわかる。やはりどんなものであれ片想いってのは切ない。