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▽十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。彼女から、殺人を告白された哲朗は、美月の親友である妻とともに、彼女をかくまうが…。十年という歳月は、かつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描いた、傑作長篇ミステリー。
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▽十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。彼女から、殺人を告白された哲朗は、美月の親友である妻とともに、彼女をかくまうが…。十年という歳月は、かつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描いた、傑作長篇ミステリー。
2008/12/15 彼から
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友人から殺人を告白され、それを匿おうとする同級生達。それは道理に反するだろうと思いつつも、このまま普通に終わるわけはないと思いながら読み進めていく。
やはり一筋縄では終わらなかった。
美月の悲哀や苦しみを何とか理解しながら事件を調べていく哲朗と理沙子夫婦。結果、悲しい過去をもつ同級生の行動に共感しつつ事件の着地点を模索している姿をみて、各登場人物が前向きな形で終わって欲しいと願っている自分がいた。
単行本としてはかなりの厚さであったが途中で止められず寝不足覚悟で結末まで読み切ってしまった。
今でこそメディアに取り上げられ、法案も提出されるようになったLGBT問題に関して20年前から切り込んでいる作者の力量に感服した。
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爽快感とか高揚感とか全く無く、ちょっと気分が重くなる。
でも決してつまんないという意味ではなく、小説として読み応えは十分にあるし、面白い。
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性同一性障害をテーマにした社会派な読み物となってました。
大どんでん返しもなんてゆうかバレバレな感じではあったけど、それはそれで期待通りだったのかもしれない。
これまで幾らか話題にもなったような性同一性障害ではあるけど、
こうして小説にするととても感慨深いものとして捕らえることができるから良いと思う。
何かと考えさせられる一冊でもあった。
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「片想い」という甘い題名からは想像もつかない、性別そのものを深く考えさせられる作品。
最初はダレるけど、途中(戸籍交換のあたり)から面白くなってきます。
ただ、チョット最後が物足りないのと、主人公の嫁の感覚がよくわからないのが引っかかりました。
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文庫になってから読みました。一気に読みました。性別とは何か?人の決めた価値観とは?自分の研究を考える上でも、勉強になりました。
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10年ぶりに再会した美月は男の姿をしていた。彼女から殺人を告白されて・・・。
と最初は性同一性障害の人が殺人をした。ってことかと思った。
読み進んでいくと実は同じ障害を持った人たちが戸籍を交換して新たな人生を歩んでいるという話に・・・。本当にそういうことが起こっていてもおかしくない今。ちょっと周りを確認したくなりました。
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毎年恒例で開かれている元アメフト部の同窓会のあと、哲朗は10年ぶりに元マネージャーの日浦美月と再会した。そして、美月は男の姿をし、しかも人を殺したと告白する・・・
おそらく、本書に関する書評や感想の多くは「性同一性障害」を中心に書かれているだろうと思われます。実際、この物語では心と体の性の違いに対する悩みから、ホルモン注射や性転換、最終的には戸籍交換によって「体」に合わせて与えられた性を「心」に合わせようとしている企みまでたどりつきます。メビウスの帯、黒と白とその間・・・きっとこの問題について知識や関心のなかった読者でも、深く考えさせられたことでしょう。(私もそうでした。)
しかし、本当に語られるべきことはそれだけではなく、「自分のこうありたいと思える姿」と「現実の自分」との違いではないでしょうか。それは性のことだけではなく、自分が理想とする行動とそれを思いとどまらせる家庭や仕事の存在、学生時代に思い描いていた未来と現在とのギャップなどなど。
「男」にこだわり、左眼の視力がないことを隠し続けた哲朗や、哲朗との夫婦生活に疑問を覚えカメラに走る理沙子、記者であることに徹しようとしながらも仲間のことを断ち切れない早田、事件から手を引きながらも気になって仕方がない須貝、人生の最後に大切なものを守ろうとする中尾・・・仲間たちはそれぞれに悩み続け、その代表格として取り上げられているのが性に悩む美月だったではないでしょうか。
また、これだけ大きく、重いテーマを取り上げながら最後まで読ませる東野圭吾という作家はさすがだなあと思わざるを得ませんでした。性同一性障害という言葉に尻込みをしているのであれば、ぜひ手にとってほしい1冊です。
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東野圭吾さんの作品に「サンタのおばさん」と言う作品があります。こんな変な作品って思って、全然、読んでいなかったのですけど、この作品を読んだあとには、ちょっと読んでみたくなりますね。
片想いって、誰が誰にどのように片想いをするのかって言うのか、、、そんな思いで読み始めましたが、内容は、「変身」や「分身」や「秘密」につながる作品で、性同一障害ってテーマを扱っています。それでいてアメフトメンバーの友情を絡めて、さらにミステリー仕立てにしているのは感心しました。
男ってこうあるべき、女ってこうあるべき、、、男は黒いランドセル、女は赤いランドセル、、誰が決めた枠なんでしょう?男とは女とは、、、実は、白や黒ではなく、メビウスの帯のように裏表でつながっている関係で、さらに、その色はグレーのものもあるってことなんですね。こうした考えを見るだけでも面白いものです。
ただ、読んだのが、「分身」の方が先だったせいか、私は「分身」の方が楽しめました。逆の順に読んでいたら、逆の結果だったかもしれないです。最後まで、タイトルの「片想い」を考えていました。誰が誰に片想いなのか、、、でも、最後に明かされる片想いって少し無理があって、納得できなかったのです。
男か女か自分でも分からない内面を持っている人が、そのどちらかに片想いをしているのじゃないかな。決して男女の2人が思うような感情とは、違った想いを抱くように。2003.10.18
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性同一性障害をキーワードに展開される推理小説。
題名の「片思い」というとおりせつなく、考えさせられる作品。
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これから読もうと思って、なんとなく買ってしまった1冊。
東野作品は、特に好きってわけじゃないけど・・・読みやすいからつい買っちゃう・・・。
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どうやら、彼にハマってしまったようだ。
面白いっ!
アメフト部だった西脇。毎年行われるOB会で、かつて、マネージャーだった、日浦に再会する。
日浦の思いもよらない告白。日浦を守るため、西脇は、思いもよらない世界を知ることになる。
長編ミステリー。
ミステリーなのか。ふうん >ヲイ;;
何しろ読みやすいよ。
次は何を読もうかな〜って感じです。
しばらく続きそう。
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(ネタバレあり)一言でいえば、殺人事件なんだけど、そこに性同一性障害が関わってきます。殺人を犯したと告白した美月は、女。しかし、男の心を持った女でした。哲郎は、真相を確かめるべく、調査を開始。その途中で、殺人の裏にもうひとつ別の犯罪が隠されていることを知ります。それは、戸籍交換。つまり、男の心を持った女と女の心を持った男が、入れ替わって、その人として生きていくのです。そうすれば、男の名前と性別を手に入れることが出来るから・・・。最後の方で、実は哲郎の左目はほとんど見えないことが明らかになるんですが、この辺の話は、ちょっと涙しました。なるほど、だからなのね…と、納得できます。この本を読んで思ったことは、性同一性障害の人って、もしかしたら、女より、女らしい。男より、男らしいんじゃないかってこと。東野圭吾の言葉がそう思わせるのかもしれないけど、そう感じました。色んな意味での片想いのお話です。単なるラブストーリーではありませんよ。キーワードは「メビウスの帯」です。
東野圭吾は今、一番好きな作家。彼の著書を読破したい。しかし、11月に買ったこの本…翌年3月頃読み終わってるあたりで終わってる _| ̄|○ il||li というか、数ヶ月読書からは遠ざかってました。その上読むスピードが遅いんです…。
(2005/2*)
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推理小説ではない。
「男」と「女」について考へさせられる作品。
生物學上の「女」でも心は「男」、もしくはその反對の場合、それは男?それとも女?
そもそも、そんな區別に何の意味があるのか?
こんなことをテーマに、サスペンス仕立で面白く讀ませてくれる。
タイトルの「片想ひ」といふ言葉にもなかなか含蓄がある。
2004年8月19日讀了