紙の本
私、今日からキュウリになります
2009/06/21 08:03
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恥ずかしながら、五〇も半ば近くに、ショージ君の面白さを初体験(えへへ)しました。
わが読書生活のなんと薄っぺらなことかと、今更悔やんでも仕方がないですが、なんともクヤジー。
でも、だんな(と、ちょっと時代劇風です)、こんなおいしいものを若いうちから知ってしまうと、いけませんぜ。
毎日毎日楽しくてしかたがないなんていけません。そんな生活が続くはずがない。
人間、時には苦労っていうものが必要です。
若いうちから贅沢はダメ。
おいしいのは最後にとっておかないと。
だから、五〇も半ば近くがショージ君適齢期。
読んではクスクス。見てはハハハハ。
人生の苦労なんて、とんでいけーー、なのです。
今回の一冊は本屋さんの文庫棚に並んだ東海林さだお著のたくさんの「丸かじり」シリーズから「猫めし」という言葉に「こっち、こっち」されて読みました。
まともなセンでいけば「トンカツ」とか「マツタケ」とかでもよかったのですが、「猫めし」の呪いはやっぱりこわそうだし、今「猫めし」を読まないといつ読むんだみたいな恐怖観念でつい手がのびちゃいました。
ところで「猫めし」ってなんだ、みたいなことを若い人はいうでしょうね。
そこでちゃんと広辞苑で調べてみました。
「飯に味噌汁をかけたもの」とあります。本当にあるんですよ。驚きましたが。
でも、甘いぞ、広辞苑。
ショージ先生の学説を紹介すると、「熱いゴハンにカツブシをかけ」「味噌汁の残りをかけた」とあります。
どうだ、まいったか、広辞苑。
しかし、先生の学説による「熱いゴハン」というのがよくわからない。
猫って「猫舌」というように、熱いものはキラーイなのではないか。
ここは、「昨日の残りゴハンに」が正しいのではないか。
さらに疑問がでてきて、昭和三十年前半はたしかにまだ「保温ジャー」みたいなものが出回っていなくて、昨日の残りゴハンは冷たくなっていましたが、最近ではそういうことも少ない。だとしたら、「猫めし」のためにわざわざ前日の夜に冷ます準備が必要になる。
つまり、「猫めし」とは「昨日の残りゴハンをわざわざ前日の夜猫専用のお皿、もしくはお茶碗にとっておいて」となるわけですが、そうなると「味噌汁」はどうなるのだ。
これは熱くていいのか。
まさか「猫めし」のために前日から味噌汁の準備はすまい。
このようにショージ君は深いのです。
遠浅の海で「浅い、浅い」とじゃれあっているうちにドボンと深みにはまってしまうくらい、深いのです。
みなさん、気をつけてくださいね。
なお、本作の中の「大リストラの時代、ますますもってキュウリに学ぶべきものは多い」と結ばれる「キュウリの生き方」は傑作です。
すでにショージ君は現世(というのかな)を予測していたんですね。
私なんか、五〇半ば近くにしてキュウリになることを決心したぐらい、ふかーいエッセイです。
◆この書評のこぼれ話はblog「ほん☆たす」で。
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猫めしが急に食べたくなった。と始まるこのコラム。どうしてくれよう私もたった今食べたくなったじゃないの。確かに10年にいっぺんくらい思い出したように食べたくなる。このかつおぶしが白いご飯に舞う姿。ふわふわふわり。そこに一変の如く注がれる少量の生醤油。ああ今日の朝ごはんは猫めしだ。
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「猫めしの丸かじり」
著者 東海林さだお
出版 文春文庫
p98より引用
“いや待てよ、栗饅頭はむしろ、
アンコ崩落問題を楽しみつつ食べる和菓子なのかもしれない。”
マンガ家でエッセイストである著者による、
食べ物に関するエッセイをまとめた一冊。
ハムカツからポテトサラダまで、
比較的身近な食べ物が取り上げられているように思います。
上記の引用は、
栗饅頭のアンコの崩れやすさについて考えた項の一文。
この丸かじりシリーズは何冊か読ませてもらっていますが、
いつ読んでも食べ物についての考え方の楽しさに、
面白く読ませてもらっています。
以前にも書いたかもしれませんが、
読むとお腹が空く事必至です。
食前に読んだほうがいいと思う一冊です。
ーーーーー
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たまに読む「丸かじりシリーズ」
東海林さんの目のつけどころが変な上に、軽妙な文章で、ついついニヤリとしてしまう。電車の中で読むのは危険。
『カレイの煮付けが暗い食べ物』という発想、その論理の展開の仕方、バカバカしいのに面白い。
このシリーズは少しずつ、たまに読むというのが、楽しい。
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B級グルメが多く登場してていろいろ食べたくなった。中には同意しかねるものもあったけど、やっぱり美味しいものは食べたくなりますね。たとえ体に多少悪くても。一番惹かれたのはハムかつかな。
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うずらの目玉焼き、ミニハム付きのハムエッグで焼いてみたいです。つぶれないように殻から出すことがいちばん難しいようです。
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今回も「ウズラの卵」に「栗饅頭」に「白菜のお新香」に、ほかたくさんいただきました。「はんぺん」考察は実に深い味でした。ごちそうさま。
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猫めし~!玉子丼~!ハムカツ~~!!!
あとね、タコ好きっ!タコ!♪
それと、ローストビーフ!あと、茎わかめ!ww
なんか、和菓子が多かったような?w
最近、和菓子好きかも。ケーキと違って、あっさりしてるし。歳だなあ・・・www
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『ハムカツ再会』
コロモをサクッと味わいたい!
『くず餅をめぐる人々』
「くず餅はきなこと黒蜜という付き人つき」
という一文、好き。しかもその付き人をべったり従わせないくず餅さんシブい。
『ラーメンスープ制作日記』
貝柱パウダーが欲しくなった。
『ソーセージのモグモグ』
ソーセージひとつでホームレスになりかける東海林さんの孤軍奮闘ぶり。
『暗いおいしさ』
カレイの煮付けは、確かに暗い食べ物だ。
だけどとても美味しいので私も好きです。
煮凝りをごはんにかけて食べるとおいしいよね!
『ウズラといえど目玉焼き』
その発想はなかった。
是非やってみたい。やっぱり東海林さん天才!
『タコさん大出世』
タコには確かに親しみがある。
関西人はとくに、たこ焼きというものがありますからなあ。
『ローストビーフの屈辱』
確かにローストビーフっておいしいかどうかわからない時あるなあ。
某サンドイッチ屋さんのローストビーフサンドが、高かったのにあんまり美味しくなかったけれど、自分の味覚がおかしいのかどうか悩みました。
『ビワ食う人々』
おじいちゃん……。
『ウズラの親子丼製作報告』
普通の親子丼の上に、うずらの目玉焼きを載せてみたらどうでしょう??
『真夏のローストチキン』
御馳走の定番だけれど、確かに夏のローストチキンは暑苦しいかも。
『キュウリの生き方』
キュウリさんの生き方を見習いたいと思った。
『夏の味噌汁は……』
味噌汁はやっぱり、熱いほうがいいんだろうなあ。
『捥ぐの実態』
梨狩り行ってみたいなあ。
『栗饅頭の崩壊』
栗饅頭は高級な和菓子っていうイメージがある。
『ラムネの流儀』
ひと夏に一回は飲みたくなる。
『おはぎアンコ内包計画』
おはぎって、アンコをおかずにご飯食べてるようなもんだよなーと私も思っていました。
『冷蔵庫のピーピー問題』
これわかるぅー!!
私は絶対鳴らさないよう日夜努力してます。
『エ?天ぷらカレーうどん』
普通においしそうだと思った。
いや、とても美味しそうだと思いました。
『わがスーパーの定番』
私はスーパーに行くと必ずアイスのコーナーに寄っちゃいます。
東海林さんお気に入りの「冷凍のいそべ焼き」すごく美味しそう。
『おにぎりスタンド出現』
おにぎりって美味しい。ご飯ものの中で一番好きかも。
『ハンペンは孤独である』
私はあんまりハンペン好きじゃないんですよねえ。
あの歯ごたえのない触感、どうしていいかわからない。
『大福大戦争』
絵が面白い(笑)
『土手鍋食ったか?』
食べたことないなあ、土手鍋。
『無洗米騒動』
無洗米に対する東海林さんの奮闘ぶり、面白い。
確かに、お米を見ると洗いたくなりますよねえ。
洗うとなるとめんど���さいと思うのに、洗わなくていいと言われると洗いたくなってしまう、人間の良くないところが出ますね。
『カンパンのすすめ』
カンパンっておいしいですよね。
でも、毎食カンパンはつらいかな。
『リンゴかわいや』
最近、赤いリンゴじゃなくて青いリンゴのほうが多いような気がするのですが。リンゴはやっぱり、赤いほうがいい。
『㊙極秘、ミソチャーハン』
㊙なので割愛。
『いまどき「百円レストラン」』
全品百円のレストランって、すごい!
でも色々頼み過ぎて、結局高くつきそう(笑)
『うまい猫めし』
猫の絵が可愛い。
『干し芋の作法』
干し芋好きです。
でも、どんな時に食べたらいいのか迷う時があります。
おやつなのか?食事なのか?
『白菜のお新香の葉っぱのとこ』
「葉っぱ」じゃなくて、「葉っぱのとこ」と書くのが東海林さんらしいなと。
『ポップコーンの癒し』
謎が多い食べ物、ポップコーン。
映画館でしか見ないポップコーン。
しかし、最近ではオシャレな専門店があるらしいポップコーン。
『玉子丼は不滅です』
かまぼこが入っている玉子丼、関西では木の葉丼と言ったりしますね。なかなか侮れない味ですよね。
『ポテサラは黙っている』
ポテサラは、自分の立場・能力をきちんと分かっているいい人なんだろうな。出しゃばり過ぎないからこそ、いてくれたらとても嬉しい。
解説は平野レミさんです。
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どの本を読んでも同じ印象と言えばそうなんですが、他には替えがないんです。フォロワーは沢山いるのに、後継者はいないのです。不思議な人ですね。
題名になっている猫飯ですが、かつお節と醤油とごはんという組み合わせで、ねこ飯って言ったかなあ。味噌汁ぶっかけたご飯をねこまんまと言った覚えはあります。
最近やってないですが、冷ご飯に味噌汁かけて食べた幼少の思い出。妙に美味しかったなあ。
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とんかつ、どぜう、鯛やきなど…いろいろあるけど今の気分は猫めしのまるかじり。読み進めるうちに、あーウンウン、わかるナ。と語調が東海林さだおになっていく。ビールをジョッキでゴクゴクゴク。飲みたいナ。合間にもぐもぐ、塩気がたまらないナ。食欲がない時でも東海林さだおは常に私をポジティブにしてくれる。食べ物っておいしいを私の中に浸透させてくれる。単調、そこがいい。東海林さだおはどれを読んでもはずれがないと言ってもいい。どれもおいしく、どれも楽しく、どれも私を前向きにしてくれる。もしも今あなたが落ち込んでいるのなら、東海林さだおのまるかじりシリーズを手にとって読んでみてほしい。ぱっと開いたページでいい。少しでも食べたくなったり飲みたくなったら、それはあなたが幸せの道へ一歩近付いたのだと私は思う。食は人の生きる原点。幸せのはじまり。食べるのだ。飲むのだ。そうして生きていくのだ。東海林さだおは色褪せない。