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紙の本

喜多村の、この実話風のフィクションっていうのは、スタイルなんでしょうか。虚実の間を自由に飛翔する、ま、ちょっと俗っぽいところはあるんですが達者です

2005/08/29 20:14

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「 古本がうず高く積み上げられたラビリンス 。
恐妻家と蔵書家の意外な接点。用もないのに自宅に呼ぶ客。
捨てられる本を救おうと在庫を増すばかりの古書店主・・・・・・。
古本がもたらす不思議な巡り合わせを丹念につむぐ。」
装丁 村山守、カバー装画 表:三上於菟吉『首都』(プラトン社)から、裏:夏目金之助『彼岸過迄』(春陽堂)から
第1部「本棚の隙間から」は、喜多村が古本屋の林語堂を青森の地に開いた1989年当時の思い出を描く「レモン」から始まり、てっきりエッセイというか随筆というか、ノンフィクションかなと思っていると、次の「一冊の本の運命」では、北村古書店の北村が登場して、あれ?と思わせることになります。
第2部「迷宮のなかへ」は山田晴子が念願の小説集を出版することになり、その祝賀記念のパーティと本の悲しい末路「出版記念会」で始まり、本のコレクターの孤独な最後を「孤独なコレクターたち」で見せ、美しい女性が本を読む姿に惑わされる男たちの滑稽な姿を「本を読む女」で描き、このまま小説で行くかなと思うと「蔵書家」で喜多村の姿を見せるといった迷走ぶりをみせます。
そして、エピローグ「猫と古本屋」は、もしかして自伝?と思わせる小説になります。
表題作「古本迷宮」は、その第2部に収められた、ちょっと皮肉なユーモア小説。ともかく、現在の林語堂の姿はこうなんだろうなあ、と思わせるものです。1部、2部とした理由は私にはわかりません。せめてフィクションとノンフィクションで分かれていれば、それは肯けるのですが、そういうわけでもなさそうです。
ただ、繰り返し書かれる事があります。一つは、読書人口の急激な減少です。また、古書なり古本の価値が、内容ではなく紙という物理的なものに置き換わり、それが読書人口の減少とお役所の盲目的な文化破壊の行動による、ということです。捨てられている本は、役所のものである、そしてそれは一方的に廃棄されるべきものである、という事例が繰り返し書かれます。まさに文化破壊の主役、公務員の活躍には噴飯を通り越して、お前ら八丈島にでも流したろか、と思います。
ただし、年間7万冊近い本が出版されるとなると、果たしてそれが出版文化、と手離しで喜んでいいものかどうか、流石の活字中毒者である私も首を傾げたくなります。読書人口30万といわれる現在、完全にキャパを越えた出版は、まさに意味もなく山中に建造物を作る、建築王国をならぬ建築亡国ニッポンそのものでしょう。
我が家にある万を越える本も、遠からぬうちに単なる紙くず以外の何物でもなくなる、それを暗示する本でもあります。政府がにわかに活字文化保護乗り出したようですが、それが意味もない図書館という箱物建設や、単なるコンピュータ導入、読書もしない図書館員の増強、或いは読み手もいないような出版されたというだけの無意味な本の救済にならないことを願うだけです。

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2012/09/30 09:19

投稿元:ブクログ

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