紙の本
カスミという女
2020/04/10 15:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は、恋愛小説ではなく、官能小説でもない。
主人公カスミの長女が、突然、行方不明になるミステリー小説です。
ですが、ミステリーに小説の主軸はなく、登場人物の生き方、
生きる糧にテーマがあります。
主人公のカスミ、夫、不倫相手、死を目前にしている男、
カスミを中心としたヒューマンドラマといった方が分かり易いかも知れません。
カスミは、何が不満だったのか。
カスミは何が欲しかったのか。
それを考えさせることが、この小説のテーマだと思いました。
紙の本
桐野夏生氏の最高傑作の下巻です。
2016/08/30 09:33
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、桐野夏生氏の最高傑作であり、直木賞受賞作の下巻です。野心家で強引な元刑事である内海もガンで余命半年と宣告され、カスミの娘の失踪を捜査しながらも、毎日を苦しんで過ごしていました。そのような状況にあっても、内海とカスミは事件の関係者を訪ね歩きます。次第に、残された時間のない内海は、真相とも妄想ともつかぬ夢を見始めます。そして、いよいよ二人はカスミの故郷へたどり着きます。一体、故郷にはどのようなことが隠されているのでしょうか?
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内海の死はひとつのターニングポイントなのだろう。犯人が誰であろうと、蒸発した子供は戻らないし、カスミの魂が救済されることもない。残された物にとっても人生は続くしかないのだ。
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子供が失踪して、その子供探しに、退職した元刑事が絡んでくるというお話で、およそ推理小説だと思ってよんでいましたが、どうやら違ってました。結末はなんともすっきりしないもので、登場人物はどれもこれも、また本書の感想としてヨイショしようにも、どうにも救いようのないお話でした。確かに、どこにも推理小説とは書いてありませんでしたが。ただ、一体何の目的、何を訴えたくて、こういうお話になったのか、制作動機の方には、興味津々です。2005/3/30
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読み終わりました...がぁぁぁ!やっぱね、ワタシ桐野夏生作品は共感は出来ないね〜。なんかオンナの気持ちは理解出来てないよこの人って思うんだよな〜。outの時も共感は出来ないが面白かったんだけどね。今回のも意外な展開にワクワクはしたけれど、終わり方がううむ・・・でした。なんだかなぁぁ〜未消化
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感動とかそういう感じの作品ではありませんでした。
人間の孤独感とか、精神的に訴えてくる感じ。
さまざまな登場人物の、その時々の心の中を見せてくれ、
私は、人間社会の複雑さを学んだ気がします。
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一瞬でも子供を捨ててもいいと思った愛も破綻した。状況に応じて、人の心は変わっていく。この場合あたりまえとしか言いようもないけれど。
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生と死、親と子、男と女、過去と未来、夢と現実、が小気味良く対比されています。桐野氏の描写はまるで映画を観ているようでした。
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後半のがいいたいこと詰めてあるんじゃないかしら。
瀕死の男が出てくるあたり。桐野さんの常套句。全体を通して漂う喪失感。
登場人物たちが運命に押しつぶされながら必死にもがく様を見て、こちら側に焦燥感がうまれる。ということが重要に思えてならない。
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下巻になると雰囲気が少し変わりある刑事と主人公の2人をメインに進めている。
ラストが気になって気になって・・・
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OUTを書いた人です。OUTは読んだことないんだけど、題名に惹かれました。
文庫だと上下に分かれんるんだけど、なんで上下に分かれた本って上の中盤までつまんなくて、上の終盤から急速に面白くなるんだろう!!
印象としては松本清張の黒革の手帳を読んだ時のような気分でした。人間のだめな部分やいやらしい部分、でも透き通った純粋な部部も描かれててとても入り込める作品でした。
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200601/
暗い、深い、重い。読んでいて落ち込んだ。残念ながら
今の私には分からない本であった。
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このてのミステリーは早く最後の結果が知りたくて寝る間も惜しんで読んでしまう。でもそれだけに、最後はもうちょっと種明かしというかしてほしかったなあ。それがメインテーマではないから当然なんだろうけど。
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「・・・・犯人は?誰!?」っとつい叫んでしまった。。。
カスミと内海の夢によってたくさんの可能性は描かれているが肝心の真実がわからない。読み終わった直後はもやもやが抜けなかったけれど、ミステリーではなく、ヒューマンドラマだと思えばコレも有かと思いなおしました。登場人物がそれぞれ考えたこと送ってきた人生が各章で書かれているし、ミステリーとしては×だけど、モノとしては良いできだと思うし、それなりに面白かった。
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救いがありません。主人公と元刑事の出会いは偶然でとても不思議なんだけど、お互いに波長があっていて落ち着ける関係だと思います。でもたまに、この人たちなにしてるんだろ…と疑問に思うこともあり、なんだか分らない小説です。最終的な救いのなさは「OUT」に似ていると思います。解説によれば、幼児失踪という事件にたいして、行方の解明という明快なカタルシスを拒否して、そこから巻き起こる波紋の綾を克明に、容赦なく描いていく。ということらしい。最終章が有香の視点で描かれていてよかったです。