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いかにもありそうな日常を見事に切り出してくる簡潔な文章は、さすがです。
5つの短編から構成されていますが、中でも「夫婦の悪戯」と「パーキングエリア」が良かったです。
「夫婦の悪戯」では、自分で仕掛けた罠に嵌ってしまうような弱さが、「パーキングエリア」では日常から逸脱したくなる気分と葛藤が、素直に理解できました。こういうことって、きっとあります。
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日常ぽっかりと落とし穴にはまってしまった感じの瞬間が、男性の視点で書かれている。嘘だという前提の話のはずなのにはまってしまう「夫婦の悪戯」、夫婦に流れる微妙な気まずさが実によくわかる。
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これはこれなりに面白い。
最後の1本がまったく別物なので、違和感が残る。
装丁や写真の挿入はかなりよい。
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最後のは別物だけど他3つの主人公を意識して書いたのかな、それともまったく違う人なのか…それまでゆったりムードで来てたのに軽く落ちた。
ロクシタンを知ってる男って。世の中の事知らないと小説も読めないっすね。
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7月9日読了。昔は日本の小説はあまり読まなかったのだけれど、空気感とか繊細な描写がやはり肌に合うな〜〜海外の小説が繊細でないわけではないのだろうけど、訳を介すると印象は変わってくるよな。短編集だが友人の結婚披露宴に出かけた夫婦が、旅行先のビジネスホテルで寝る前に交わす会話、ゲームを描いた「夫婦のいたずら」が印象的。こういう会話、我々もするよな・・・と思っていると何とも後味の悪い結末が。意地が悪いというか、やさしいだけじゃない人なんだろうなこの吉田修一という日とは。あまりにあっさり読めてしまうので星は3つしかつけないが。
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7/11 さらっと読めた。風景や情景の描き方がやはり好きだなあと思った。あとオカマの書き方が自然すぎる。あとオシャレ。もっかい読みたい。
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「日曜日たち」みたいに短編がつながって中篇小説になってる「春、バーニーズで」。(でも構成は「日曜日たち」の方が面白かったと思う。)てっきりニューヨークのバーニーズだとばっかり思ってたらそうでなく、良い意味で裏切られた。
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吉田修一は、東京を描くのが巧い。長崎生まれだけど、その沿線や町に住んでいたことがあるような書き方をするのは、さすが。
日光金谷ホテルやバーニーズ新宿店が出てくるとその場と小説を重ね合わせてしまう。
「パーキングエリア」で「物語」を作ろうと考えるところは、だれにでも経験があるのでは。
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子どものいる女性と結婚した筒井、ある日、新宿のバーニーズでかつて一緒に暮らしていたオカマと再会するところから物語は始まる。「最後の息子」のその後。あっという間に読み終わった。舞台となる場所が現実そのまんま、描かれていて、情景が目に浮かぶ。お話そのものはゆったりとした時間が流れている。吉田さんの作品は読み終わった後、なんだかぼんやりしちゃうんだよな。いつも。。。(ま)
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記念すべき100冊目です。
完璧ジャケ借りでしたがすごく良い本。
この方の文章は柔らかいのかな。
すごく居心地が良いです。
おかまさんがとても好きでした。
再読したい一冊。
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映画化されていて、私はそれを見てませんが、ずっと気になってました。で、内容は想像していたのと違って、良い意味で裏切られた感じ?本の装丁がお洒落です。
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淡々と進みます。
なので印象にはあまり残らなかったのですが・・・
短編集のようになっています。
この中の「パーキングエリア」が好きです。
人が日常的でない行動をしようと決断する時、大きな決意も必要なく
ふっと何も考えず行動してしまう。
そうしてしまった後の孤独感、この描写がすごく好きでした。
こういうとわかりにくいですが、割とよくある事で。
無駄が無い、というかとても読みやすい。
文章が簡単だ、とかそういうわけではなく読みやすいです。
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「夫婦の悪戯」の章がいいかな。
自分たちを慕うかつての会社の後輩の結婚式の帰りのホテルにて。
昔話をせがむ子供のはなしから、お互いとびきりの嘘をつきあうというゲームをすることに。
それぞれが、話した出来事は、”真実”の話に限りなく近く久しぶりの二人きりの夜の空気を微妙にこわばらせてしまう。
こんなことってありそうだね。
P.S.
最後の章の「楽園」のつながりがいまひとつわからない
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一人吉田修一フェアです。
すらすら読めた。けど、読んでから「最後の息子」の続編だということを知り、くそー!と爪を噛みました。「最後の息子」読んでねーよ…。
いつか「最後の息子」を読んでから、もっかい読もうと思いました。
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この作者が騒がれていた頃は敬遠していたけれど、タイトルに惹かれて、この本は手にとってみた。
この表題作の他、数編からなる短編集なのだが、決まりきらないものもこの世にはあるのだと、そう諭す主人公に父性を感じた表題作が一番印象に残った。
後の方になるほど時が遡っていく編集も、効果的でよかった。
妻の母や、息子の実の父親など、主人公にとっては負のファクターとの確執も、この表題作の時になってようやく雪解けしたのだなと感じた。
本のカバーが黒一色というのもよい。
見える人だけが、そこに春の情景を見るのだろう。
春になったら、銀座のバーニーズで、旦那のネクタイを買ってみたいものだ。