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春夏秋冬の噺をそれぞれ分別し、師匠なりの話に対する思いや、噺の中に出てくる道具やお店の薀蓄など、初心者からベテランまで幅広く読める一冊。
キオスクにて。文庫本。
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落語についての解説本。権太楼が厳選した50席をあげている。季節ごとに数編づつまとめてある。
とてもわかりやすいし、権太楼ならではの解説や高座でやるときなどの工夫などが書かれていてとてもよい。
今はあまり聞かれなかった作品などもチョイスしてあるし、50席というのが多からずちょうど良い数に思える。
50席全てを聞かなくては、と思わされる一冊。
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著者の柳家権太楼(やなぎや ごんたろう)は、1947年生まれで、東京都北区の出身の落語家。大学卒業後、70年に入門、82年に真打に昇進した。
本書はその柳家権太楼が「これぞ名作中の名作」という噺を50席厳選した、名作古典落語案内本。
この50席を演じられている時期、春夏秋冬、暮れと正月の6つに分けて紹介している。
舞台の季節がわかることにより、聴くときに噺の世界にもう一歩入り込めるかもしれない。雰囲気の味わいが増す親切な分け方だ。
本書の構成は、1席ずつにまず「梗概」があり、あらすじを教えてくれる。次の「権太楼のご案内」では聴きどころやおすすめの落語家などの解説がある。最後に「落語通ぶれるお役立ち薀蓄」がある。
古典落語は、人間の本質(落語家の世界では「了見」というそうだ)を見事に捉えている。人間の本質を笑いや涙にかえる芸を味わう楽しさは、なんと表現すればいいのだろう。現実社会で人間の本質、特に悪い方が現れたとき、嫌な空気が漂う。そんな険悪な雰囲気を払拭する方法が、古典落語には隠れているかもしれない。
落語関連の本を読んで知識を整理しながら、あらためて聴きはじめて2年近く経った。まだまだ、新しい発見がある。知らなかった落語家に出会う喜びがある。
本書は、初心者にも、もう少し落語の知識を深めたい人にもいい。私の好きな噺
正月の巻 「薮入り」
春の巻 「明烏」「幾代餅」
夏の巻 「唐茄子屋政談」
秋の巻 「目黒の秋刀魚」「柳田格之進」
冬の巻 「味噌蔵」
暮の巻 「芝浜」「文七元結」