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著者は、野太刀自顕流を受け継ぐもの。ちなみに本の中で何度も言及されているが、示現流とは違うらしい。その辺の歴史や、薩摩の精神が描けていておもしろい。幕末の話ではなくて、あくまでも現代の話。それなのに違和感なく読み手に入ってくるのは、鹿児島という異空間ならではなのかと思う。さらっと読めるし。薩摩をちょっと知りたい入りとしてはいい。
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[ 内容 ]
「薩摩の初太刀をはずせ」と新撰組の近藤勇をも恐れさせた秘剣、「野太刀自顕流」。
薩摩には東郷重位を始祖とする「示現流」とは別の、もう一つの「ジゲンリュウ」があった。
下級武士たちの実戦剣法として伝えられたその技は、桜田門外の変で井伊直弼の首をはね、生麦事件では馬上のイギリス人の内臓を一刀でえぐり出すほどの威力だった。
本書では、自顕流の歴史、精神、技を、詳しく解説する。
[ 目次 ]
1之巻 「薩摩」との出会い
2之巻 維新を叩き上げた剣法
3之巻 示現流と自顕流
4之巻 自顕流の技
5之巻 わが師が語る「極意」
完之巻 現代に生きる自顕流
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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野太刀自顕流の成り立ちや精神、さらには技の繰り出し方についても詳細に説明してくれるファンにはありがたい本です。
著者は加治木島津家のご当主ですが、鹿児島育ちではなく、そういった薩摩育ちではない方が、一生懸命、薩摩の文化の中に溶け込んでいこうとする姿、苦労や経験なども書かれていて興味深かったです。
郷中教育を復活させたいという想いにすごく好感を覚えました。
頑張っていただきたいです。
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本書は、「野太刀自顕流」という有名な剣道流派、「薩摩琵琶」という鹿児島伝統芸能、それを継承しようとする両親が鹿児島の庄屋と旧薩摩藩島津家御一門の夫妻という大阪出身のサラリーマンが著者の本である。
「伝統文化」には、日本人の誰もがある程度の興味はあると思うが、鹿児島(薩摩藩)という幕末活躍した藩は、多くの小説で比較的知られている。その薩摩藩の伝統文化をよく知ることができる本であると思った。
「自顕流」という独特の個性を持った流派や、「薩摩琵琶」についての詳細な解説も、このような「文化」が日本にもあったのだという、それなりに興味を引く知識と思えた。
しかし著者が奮闘する様子を本書で読むと、現在の鹿児島でもすでにほとんど滅びる寸前と言っては失礼かもしれないが、消え去りつつある「伝統文化」のようである。
やはり、「郷中教育」という封建的社会システムがなくなっている以上、その「文化」のみを維持することは難しいのだろう。
著者は大阪出身であるからこそ、より一層「薩摩藩下」での文化を守ろうと崇高な使命感を持っているのだろう。
「滅びゆく」と言っては失礼かと思うが、「グローバル化」が常に語られる日本社会において、誰もが日本各地での「伝統文化」にいささかの「郷愁」を感じるのではないだろうか。
本書はその「日本文化」のひとつをよく知ることができるものであると思う。ただ、あまり日常の役に立つ知識ではないが・・・とも同時に思った
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加治木島津の現当主。
薬丸どんの自顕流。
前半までの歴史とか技術論は素晴らしい。簡単なのだが。もともと野太刀を振るうわけだから、小手先で振るうなんぞできもしない。それが、示現流とであってこんな形になったのだろう。
身を守るためでなく、敵を切るためだけの剣術の恐ろしさ。
が、現代に郷中教育を再現したいなんてあたりで興ざめ。
子供が強くなるための場ではなく、強い奴だけが生き残っていくという一面があった筈。
それでいいのか。
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「歴史人物の子孫のトークショー」という面白いイベントでご本人が手売りしてたのを購入。墨跡鮮やかなサイン入り。