紙の本
初恋のあの人に我が身を
2020/09/11 14:12
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
たった1度の部室でのキスに、縛られ続けているヒロインの恵美子がもどかしいです。千葉県の館山を思わせる、海辺の風景もセンチメンタルでした。
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1978年群像新人賞受賞作。なんていうか、中沢けいがここで書いている問題に対して一定の時代の、一定の人間がすごく共感したんだろうなあと思った。お母さんとの関係が異性との関係を決定していく感じとか、自分の身体に対する感覚とか、そのオブセッションのあり方には部分的に共感できるところがある。ただ違和感を覚えるものもあって、思考回路のプロセスは理解できるしある程度重なるものもあるからこそ逆に気持ち悪くなってしまった。わたしの問題と似たものがあるから余計に、なんでもっとわたしの感覚と重なり合ってくれないんだろう、もっとわたしを助けてくれないんだろう、みたいな理不尽なことを考えてしまって、くるしくなった。川村さんの解説を読んで、男の人はこういう風に理解しようとするだろうな、そうだよな、って思った。文芸評論は男の人のものなんだなあとも。小説に対して感じた気持ち悪さ、解説で締め出されたことによってちょっと回復したこと、そういうのをふまえると、わたしが救われるためにはやっぱり完璧に重なるか締め出されるかしかないのかなあとおもって、なんかもう吐きそう。
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男女の恋愛ストーリーだけでなく、
母娘の関係についても描かれているのが新鮮。
自分が悲劇のヒロインであるときは母親が何を考えているかなんて気にもしなかったな、と思い出した。
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表題作のみ。母と娘のドロドロ。娘がストーカーで、相手の男の人がかわいそうになる。
この母の荒れ狂いようは、どの娘も見たことがあるのでは、ないだろうか。