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紙の本
顔が伝える
2017/10/27 14:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
犯人の似顔絵を書く異色のヒロインの活躍が良かったです。男女差別やひとりの人間として揺れ動く心が伝わってきました。
紙の本
がんばれ婦警さん物語
2017/09/27 07:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まんだかず - この投稿者のレビュー一覧を見る
「影の季節」で失踪したお騒がせ婦人警官が
現場に復帰、やりたい仕事につけないけれど、
男どもに”使えねぇ”呼ばわりされても、
頑張る話です。
いままでの男のハードな警察小説に比べると
ちょっとゆるい感じはしますが、これはこれで
楽しむことができます。
電子書籍
男尊女卑が酷過ぎる!
2016/10/03 03:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
D県警シリーズの『陰の季節』収録作品、『黒い線』で登場した似顔絵かき婦警・平野瑞穂のその後を描いた短編集です。
「だから女は使えねぇ!」と陰に陽に言われながら、自分でも自問自答を続けつつ、職務をひたむきに果たす瑞穂。どうも警察組織というものは個人の正義感とは相容れないようですね。もしかすると、女性だけでなく、男女問わず職員が大切にされていない、使い潰されているのかも知れません。大事にされるのは高級官僚ばかり、みたいな?
様々な対話に、「相手を尊重する」という要素がずっぽり抜け落ちてしまっているような粗暴さが印象に残りました。そんな厳しい環境の中で悩み、間違いながらも一途に頑張る瑞穂はけなげでいい子。心が折れそうになりながらも、踏ん張る彼女。果たして彼女の努力が報われることはあるのか?
日本ならではのドラマですね。こんなに戦わなくては認められない、いや、戦っても認められない男尊女卑社会・日本は異常としか感じられません。
電子書籍
もっと読みたい!
2015/05/10 23:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koro - この投稿者のレビュー一覧を見る
D県警で頑張る平野婦警のお話でした。昔の短編のその後で書かれていて、女性で働き続ける難しさがすごく出ていました。
女性の中にはいろいろいて、香山なつきのような本当によくいる女性などが描かれていて、男性からはこの手の女性の正体など一生気づくことはないんだろうなと思っていただけに、見事に描かれていてびっくりです。
前作で出世を意識した七尾婦警の今後がどうなっているのかがなかったのは残念。
あと二渡クンがスマートに出世しているかどうかも知りたかった!
平野婦警が今後も頑張ってくれそうな前向きなラストに、今後出てくることを期待します。
紙の本
瑞々しい稲穂
2011/09/23 10:20
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koo± - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近「相棒」にハマってるせいか無性に刑事ドラマが読みたくなり購読。
「似顔絵婦警」という稀有な設定の連作短編集。仲間由紀恵主演でドラマ化もされている。男臭漂う組織社会ネタを売りにする著者が女性を主役に抜擢するというのも珍しい。これも男女雇用機会均等法の表れか。得意の似顔絵で難事件をバッタバッタとなぎ倒すのかと思いきや、どうやらある事件をきっかけに似顔絵担当から外された状態で物語は進行していく。えっ、なんで?
解説によると主人公の瑞穂はD県警シリーズ「陰の季節」集録の「黒い線」で既出のキャラ。干された経緯も書かれているとか。故に「そちらを先に読んで頂きたい」と記載されている。おっとスピンオフか? ミスったな、積読本の中で出動要請待ちだっただけに。
内容は何時もの横山節。著者が仕掛ける巧みなプロットをドロ臭い人間関係にまみれる刑事たちが緻密な洞察で解決へと導く。警察という組織社会「カイシャ」で生き抜く女性たちの葛藤やしがらみが辛辣かつリアル。ちょっと男たちが前時代的にステロタイプすぎるかな? 最近の男どもはもっと情けないぞ。ほら見てみろウチの職場なんて・・・。コホン、失礼。ともあれ脆弱さのなかに芯の通った強さを秘めた瑞穂が等身大で魅力的。しなやかに頭を垂れながら強風でも倒れない瑞々しい稲穂。その名前に著者のささやかな思いが込められている。
最後の「心の銃口」はミステリとしても秀逸。事件の真相や共に犯人を追跡する男性刑事箕田とのやりとりはもちろん、誤認だった子供の目撃証言の件に心を打ち抜かれた。他には瑞穂が電話相談員として対応した若い女性とのやりとりのなか、彼女にまつわる14年前の放火事件の悲しい真実を導く「決別の春」が良。
しかし相変わらず口当たりはくどい。婦人警官がメインキャストだけに何時もよりは若干マイルドだが、この濃厚でギラギラした脂っこさは正直好みではないな。もうすこし杯を重ねて頑固親爺化が進めば味覚も変わるのだろうか? されど小説としては掛け値なしに一級品なのが横山料理長のニクいところ。胸焼けするのは分かっていても、ついつい箸が進んでしまう。
紙の本
惹きつけるD県警シリーズ
2005/09/20 08:29
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
横山秀夫が描くD県警シリーズの一作である。テレビでもおなじみになったシリーズであるが、けっして表には出ない警察内部に渦巻く話がストーリーの要になっている。
私自身はそれほど読んでいるわけではなく、知ってもいないのだが、D県警シリーズの中で登場する似顔絵婦警が主人公である。当初は目撃者の情報を似顔絵に描く鑑識課の婦警であったが、内部のいざこざで配置転換となる。その後秘書課広報公聴係、犯罪被害者支援対策室電話相談係と異動が続いた。
ところが、防犯訓練を逆手に取られて事件が起こり、D県警は窮地に立たされることになった。時間解決後に主人公は再び仕事で似顔絵を描く鑑識課に復帰することになった。
この婦警は他のD県警シリーズのストーリーにも登場しているらしい。なかなか魅力的な主人公である。
横山秀夫の小説は、警察内部で起こる揉め事で、通常は外部へは漏れてこない出来事を描くところが読者の興味を引くわけである。警察官も人間であるし、警察組織も人間である警察官から成り立っているわけで、けっして特別な組織ではない。
防犯訓練のプロットは、表沙汰になれば大きなスキャンダルであるし、したがって、そうめったに起こる事件ではない。その点がやや不自然で気になるのだが、それを除けば次回のシリーズが待ち遠しいくらいに読者の興味を掻き立ててくれる。
最後の方には、警務課の二渡調査官も登場してその健在振りを記して、ファンを安心させてくれている。これも著者の読者に対するサービスであろうか。