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紙の本
副題「なぜ、藤原智美は腕のない絵を描いたその子供に直接「なぜ腕のない絵を描いたのか」とインタビューしなかったのか?
2005/07/12 07:16
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:NKポチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名と表紙の子供の絵にドキッとさせられて読んでみました。
子どもの描いた腕のない絵に着眼したところは、作家としてのネタ探しのセンスの良さにうならされました。
しかし「なぜ、腕のない絵を描いたのか?」という解を、つまり子供が自ら腕は不要のものとしてしまった感受性の背景を、
「早すぎて過剰なまでの幼児教育の影響ではないか」、
「母子密着・密室型の都市型子育ての反動ではないか」、
「異年齢での集団遊びをしなくなったためではないか」、
「テレビ、ビデオ、ゲーム、メール、携帯電話の普及により、孤独な時間をぼんやりと空想する時間に充てることが減っているからではないか」
など、過去に事件を起こした子や自殺した子の事例を引き合いに出して本論を展開していますが、作者の結論付けへの暴走が目立って、いまひとつ説得力に欠けていました。
なぜ、藤原智美は腕のない絵を描いたその子供に直接「なぜ腕のない絵を描いたのか」とインタビューしなかったのでしょうか?「あれこれ推測する前に絵を描いたその子に聞いてみたら?」と私はとても素朴に疑問に思ってしまったのでした。
全体に、前作「「子どもが生きる」ということ」の焼き直しのようでした。前作も作者の思い込みによる暴走が見られましたが、それでもひとつところにひとときも落ち着くことのできない子供を、回遊魚に例えるあたりは、他の児童心理分析関係本には無い発想が斬新で面白かったです。
この本を読む前に「「子どもが生きる」ということ」をまずは
お読みになることをおすすめします。
紙の本
なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか
2005/05/24 20:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:多忙は怠惰の隠れ蓑 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドメスティックバイオレンス、児童虐待、あるいは虐待どころが親が子を殺してしまう……。
そんな殺伐としたニュースが報じられる回数が増えてきたと思います。
反面、皇太子のおすすめで子育て本が売れる反面、減らない児童虐待のニュースを見るたびに「今の子供と親」がどういう状況にあるか知りたくて手にとった本です。
『なぜ、その子供は腕のない絵を描いたか』。著者は芥川賞を92年に受賞した後、ノンフィクション作家として家族、子育て、教育といった分野で執筆している藤原智美さんです。
まじめで教育熱心な親が有名小学校の入学試験対策のため訪れる兵庫県西宮市の塾。
親が同席の元、マンツーマンで教育を受けるこの塾を取材で訪れた著者が見たのは、子供たちが描いた「両腕がない人物の絵」「顔のパーツの一部がない絵」「積み木を組み合わせたような人物の絵や風景」でした。
「言葉を聞き取れない」「話せない」「数が数えられない」という子供がここ2〜3年で増えてきているという現象が起きているといいます。
別な事例では、小学生を集めた絵画教室では、「マニュアルとおりに描く」けれど、「根気がない」「面倒くさがる」子供が増えてきているとも。
著者は、どこにこういった現象の原因があるかをアメリカと日本の子育て・教育法を対比したり、高度成長時代とそれ以降、特にバブル期以降の子育て方法の変化などを取材し、スキンシップの増減、子供同士の交流の希薄化、自然に親しむ遊びからテレビゲームへの変化、少子化と夫婦共働き世帯の増加による過保護あるいはカギッコ化の影響などを様々な調査を元に考察しています。
この本だけでは、取り上げている現象がはたして全国に及ぶものなのか、都会や地方で差があるのかは分かりません。研究事例集というわけではないので、若干著者の主観でリードしているかな、という面もあります。
しかし、この本の表紙に掲載されている「腕のない子供の絵」は事実としてあります。こんな絵を描く子供がいることを正直知りませんでした。
子供には夢を持って欲しいですし、色んなことにチャレンジして欲しい。子供なりにできることを子供のうちにちゃんと経験して欲しい。
実際これは仕事に追われる大人が望んでいる姿かも知れません。自分が叶えられなかったことを子供に叶えさせようと。
でもそんな大人の自分の姿を見つめなおす意味でも読めるのではないでしょうか。
子供はけっして、親の代替物ではないことを意識しなければいけませんね。
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