紙の本
最強のひきこもり
2016/12/23 11:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰もいない部屋の中で、ビンセント・ギャロの物まねをするシーンがよかった。物語の終わりとともに、新たな始まりが感じられた。
紙の本
気楽に読むも良し、真面目に読むも良し、目を逸らさずに読みたい1冊
2007/07/25 23:45
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ざわ・・・ぶろぐ - この投稿者のレビュー一覧を見る
メインテーマ(だと私が感じたもの)は前作『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』とよく似ている。
私たちが生きている複雑な社会には「正体不明の悪」が潜んでいて、私たちが幸せを感じられないのはその「正体不明の悪」のせいであって、自分は何も悪いことをしていないのになぜこんなに苦しまなければいけないんだ、こんなに苦しむぐらいなら死んだ方がマシだ、でも死なない、死ぬのは怖いから。
――という感じ。
ひきこもり、対人恐怖症、コミュニケーション能力の低下、などといった流行の新書で、現代日本の若者が抱える問題として取り上げられるような性質を持つ登場人物は、自分の周囲を見渡してみるとそこここにいるような、決して特別ではない人間なのではないか、という気になる。
日本の社会のシステムがこのような人間を生み出す構造になっているのだろうか?文化人類学、もしくは精神医学の領域において、文化依存症候群(wikipedia参照)という概念に基づいて研究も行われているようであるけれども、現実にそんなシステムが存在し、上記のような人間を作り出しているのならば、確かに、それは「正体不明の悪」と呼ぶに相応しく、これから社会を作っていく世代が直面すべき問題だろうと思う。
という具合に深読みして楽しむこともできるのだけれど、ひきこもりの実情というものが著者の経験を基に、赤裸々に描かれている部分はちょっとした衝撃。だけれども、そこで本を置くべきではないと思った。世間には「臭い物には蓋」的に常識的に敬遠されるものを避けるべきである、というような暗黙の了解があるように私は感じていますけれど、性教育などが良い例かと思いますが、だからこそ知っておかなければならない、見たくないものこそしっかりと見ておかないといけないものである、とも思うわけです。
最近の教育と昔の教育と、私は両方を体験しているわけではないですけれど、礼儀、勤勉、信頼、義理人情、自己犠牲精神、他人や年長者を敬う気持ち…etc.のような主観的イメージにおける好意的な日本的精神、こういうものが、私の感覚値においては、昔よりも低くなったな、と思います。今は隣人の顔すら知らないで暮らす方が一般的でしょう、なんだか、寂しいものです
なんとなく『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』と似たようなテイストを醸し出しながらも、秀逸というか、読む意欲を掻き立てるような書き出しだなぁ、と思いながらサッと読んでしまった1冊。
紙の本
現代青春ブンガク☆
2006/01/26 20:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nanako17girls - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKには2つの意味がある。みなさんご存知「日本放送協会」。そしてもうひとつ「日本ひきこもり協会」。ストーリーは単純。そう、彼(主人公・引きこもり男)を苦しめているのはNHKである。そう確信(?)した彼はNHKに対して何をするでもなく、ただダラダラした日常を過ごしてゆく。そこには、恋愛・友情などの人間関係が絡んでくる。実際に引きこもりだった作者の経験的妄想がそこには書かれている。誰しもが顔を赤らめてしまうようなセキララな告白である。そして誰しもが経験してきた(引きこもりに限らず)「青春」が書かれている。ライトノベルだと侮るなかれ、リアルな青春はこの小説に書かれている。かつて引きこもりを「終わらない思春期」だと言った人がいる。確かにそうかもしれない。だからこそこれはブンガクなのだ。「奇妙な」そして「リアルな」自伝的小説である。
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主人公・佐藤は今年で引きこもり歴四年目。すっかり引きこもりプロフェッショナルになっていた。
真人間に戻りたいと願いながら、相変わらず引きこもってばかり。しかし佐藤はある日気づくのだった。
自分が外に出られないのは巨大な組織の陰謀なのだと!
そして気づく。NHKが「日本引きこもり協会」の略称であることに!
そんな佐藤に、隣人で元後輩のエロゲマニアでロリコンの山崎と不思議な少女岬ちゃんが加わって、引きこもりライフは大いに変化……する?
引きこもりによる引きこもりのための引きこもり小説。
多分、引きこもりに嫌悪を感じる人やオタクと聞いて嫌な顔をする人は読めないんじゃないかなあ。
生粋のオタクな私には大変楽しく読めました。ちょっと引きこもり体質だしね。
タイトルと表紙からもっとこう電撃文庫とか富士見みたいにバトルがからんでくるのかなーとか勝手に思ってたんですが、そういう話ではありませんでした。
引きこもりの人も、そうでない人も。オタクな人も、そうでない人も。
根本的には一緒なんじゃないかなと思った。生きることに対しての辛さとか苦しみとか。
インドアな趣味を持つ人の方が引きこもりがちになってしまうだけで。
この小説に登場する引きこもりは、外に出られない人を指すだけじゃなくて、外出は出来るけど、精神的に外と繋がることの出来ない人を指すのかなあと思った。
出だしがちょっとたるいなあと感じていたんですが(失礼)、途中からはどうなっていくんだろうとドキドキしました。
ラストは意外にもちょっとしんみりとします。
ただ、自分もオタクで引きこもり体質なので、「痛いなあ」と感じるところも多々あったり。そういう人は、読む際に注意が必要です。
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ノンストップひきこもりアクション小説との事。いまいち、把握できない。読んだ日:2005年7月4日
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ものすごい勢いに飲み込まれて読破しました。最後があんなシーンになるとは意外と予想外。呼んでいく過程では、最後の2章に入る前に終わるのかなと思うような展開でした。
マンガ版ではこれに追加ストーリーが満載ってところですね。先輩もロクに出てこないし、ゲームも完成しないし。
そしてあとがきも面白い。本文のノリでそのままあとがきが書かれています。文庫版あとがきには、これの印税でニート生活していますとか書いてるし。面白いな、この人。
本文は非常に面白いです。シチュエーション的には微妙に憧れます。…似て居るのでorz
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コミックとは少し内容がちがいます。
読みやすいので、普段小説を読まない人にもおすすめ。
文庫版はふたつのあとがきがおもしろいです。
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感想としては、「限りなく透明に近いブルー」のかる〜い感じ…?そのネガティブそのものの考え方は、ひきこもりには現在なっていないものの、すご〜くわかる。もし、就職とか、しなかったら、こういうことになっていたかも…。まぁ、合法とはいえ、クスリには手は出さなかっただろうけど。
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単行本のほうは借りて読んだので文庫になるのを待っていたなぁ。
これは私の中で一番おもしろい本です♪
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帰省時の電車のお供にと購入した。ライトノベルやんけ。軽快な話の進みでありながら時々姿を現す現代風若者の心の虚(うろ)が重苦しく響いてきます。作者もひきこもりさんやったらしいだけに、変にリアリティもあるし。岬ちゃんの不幸な生い立ちは、もう少し詳しく書かれてた方が感情移入しやすかったかも。主人公と山崎君がエロゲー作ったり、ロリコン趣味に目覚めてしまったりするくだりは面白かったです。(20050817)
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ひきこもり暦4年、自称プロの引きこもりである佐藤クンの家。その隣の部屋では、最近引っ越してきた奴が
大音量でアニソンを流し続ける。
そんな中、鬱々とした状態で引きこもっていた佐藤クンの家に、突如宗教勧誘がやってきて...!
佐藤は悟る。「NHK...日本放送協会は、クオリティの高いアニメを流しては、アニオタな引きこもりを
量産している。 そう、NHKの真の姿とは、日本ひきこもり協会だったのだ!」という強い信念のもと、
宗教勧誘のおばさんについてきていた謎の美少女、岬ちゃんとの奇妙な関係を構築していく。
面白い話です。 原作である小説版を最初に読み、次にコミックス版を読んだのですが、どちらも
おもしろいです。コミックス版のストーリーは原作版とは異なっているため、原作を読み終えた人でも
楽しめますよ。 コミックス版のエンディングに関しては、まだ継続中なのでわかりませんが、
小説版に関して言えば、ちょっと辛い批評を言えば、エンディングがちょっと物足りない気がしました。
前半のリズムがよく、濃すぎるくらいにヒッキーの知識を植えつけてくれるが故、終わり部分が逆に
あっさりしすぎてるなー、という感じ。 とはいえ、一見の価値ありです。
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引きこもりである作者が引きこもりの躁鬱的精神状態と引きこもりの実態について書いた本。。もしくは実体験をベースにしたコミカルなラブストーリー。勢いがあるのでサラリと読めまる。主人公への共感度で、読者の引きこもり危険度が分かるかもしれない。
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アナタにもNHKの魔の手が迫っている。ヒキコモリ免許皆伝の主人公が謎の電波系少女とともに脱ヒキコモリを目指していく作品。サクサク読める文章とかなり面白いギャグ。中々小説読んでて笑えるってことはないけど滝本竜彦のギャグセンスは光るものがある(小説家に必要かどうかはさておいて)。全体的にコミカルな展開ではあるがネガティブハッピー・チェーンソーエッヂと同じく根底にあるのはシリアスなテーマ。ボーイミーツガール小説ではあるががむしゃらにあがいている馬鹿な主人公を見てるのは清々しいものがある。ネガティブハッピー・チェーンソエッヂよりも上手く着地できていると思うのでこの評価。オススメの一冊。でも角川からでてるヤツは1700円と無駄に高いので買うなら文庫を買いましょう。
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大学を中退し、無気力な引き篭りとして暮らす主人公の目の前に現れた謎の少女との心の交流やその生活を描いた本格引きこもりアクション(?)。主人公が通販の合法ドラッグにはまるシーンとか「そんなことするか?」と思ったけど、アニメ専門学校に通う電波青年(←こういう奴知り合いにすげえいるよ)に誘われて、することないから一緒にエロゲー作ったりするくだりは親近感つうか、リアルを感じます。世界のプロの引きこもりさんに感想・解説を聞きたい一冊。
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謎の組織・NHKに立ち向かう引きこもり青年が主役の話。なんとも表現のしづらい話ですが、最後まで展開が読めないのでとても面白いです。