投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ショパン、ドラクロワをはじめジョルジュ・サンドなど後世に名を残した芸術家たちの日常を垣間見ている気分で、読んでいて楽しいです。結構下世話な話題で盛り上がっていたりするし、ドラクロワはしよっちゅう批評家や他の画家の悪口を言っているし。
単純に「天使のような」(と作中でさんざん絶賛されている)美しい金髪のショパンと、自画像を見ても男前なドラクロワが親しく話をしているところは想像するだけでテンションが上がる。
ショパンとドラクロワは篤い友情で結ばれているのですが、ドラクロワがショパンの音楽をも深く尊敬しているのに対してショパンはドラクロワの絵を心からは好いておらず、「自分が彼の音楽を愛するほどに、彼にも自分の絵を愛してもらいたいと」ドラクロワが思っているあたりは切ないです……
ドラクロワは作中で結構酷評にさらされているんですが、読んでいると彼の絵を実際に観たくてたまらなくなる。国会の図書室の天井画とか、「地獄のダンテとヴェルギリウス」とか、「キオス島の虐殺」とかを。
まだまだあと3冊あるので続きが楽しみです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
いろいろあって最後にショパンの死と思い込んでいたので、いきなりショパンの葬送で驚いた。
人間ショパンが生々しい。が、これを読んでもショパンの音楽が理解出来るというのは幻想だけどね。
面白かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
最初のほうは、章の中で視点が定まっていないこともあり、混乱することもあったが、次第に内容に引き込まれていった。やはり読んでいておもしろいのは、ショパンとドラクロワの芸術談義。ドラクロワの技術についての意見については、同感。彼が現代のインスタレーションなどにどのような感想を抱くか、聞いてみたい。…ちなみに私はけっこうインスタレーション好きです。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
人物の内的な描写が精緻で面白いのだけど、その分スピード感に欠けるように感じられて、気づいたら積読に。いったん手放す。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ショパンに関する小説で、これほどのものはもう誰も書くことはできないだろう。この完成度に圧倒される。
とにかく文章が美しい。
言葉のひとつひとつが選び抜かれ、表現の精緻さが際立っている。
その選ばれた言葉はこれでしかありえないという洗練であいまいで表現しにくいニュアンスを余すとこなく伝える。
それは登場人物の背後の蝋燭の炎のチラチラとした揺らぎまで感じさせるほどだ。この精緻さに圧倒される。
速読や乱読は許されない。これはじっくりとそして何度も読み返すべき本だ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
[ (注) 思ったこと感じたことをそのまま勢いで書いているので読みにくく、まとまりがないかもしれません。ご勘弁を。]
まず装丁。
大抵は単行本の方が良いのだけど『葬送』は文庫の装丁の方がいい。
たぶん単行本の方はショパンのイメージなんだろうと思う。軽やかで繊細で華やかで。
それに替わって文庫本の方はドラクロワのイメージ。
単行本の装丁の色みより文庫本の色みの方が内容に合っていると私は思う。
第一部(上)はあの有名なショパンの肖像。
第一部(下)はこちらも有名なドラクロワの自画像。下部には薄らと『サルダナパールの死』
第二部(上)はジョルジュ・サンドの肖像。本来ショパンの肖像と同じカンバスのショパンの隣に描かれていた絵。
第二部(下)は『サルダナパールの死』
私は元々平野啓一郎氏の作品が好きなのだけれど、この『葬送』は本当に良かった。私の好きな本ベスト3に入るかも知れない。そのくらい良かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
葉加瀬太郎のラジオ番組で平野啓一郎氏がゲストに来たときに知った本。それらずっと気になっていて読みたかったー。ショパンとドラクロワ、同時代の芸術家の話。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ショパンのコンサートの表現のところが一番好き。でも、ドラクロワの話とは別々に書いた方が、締まってよかったんじゃないかと思ってしまいました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
冒頭のシーンに惹かれ読み始めた。
サンド夫人の意固地さにちょい引き気味。
カタカナの名前は苦手だ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
クラッシックなスタイルの大作。しかし、途中で。冗長な感じにくたびれてしまって流し読み。続きは、買わないなぁ…。
彼には、フランス語で藤沢周平的日本歴史小説を書いてもらいたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ロマン主義の全盛期、十九世紀パリ。音楽家ショパンと画家のドラクロワとの友情を軸とし、女流作家でショパンの愛人でもあるジョルジュ・サンドを始めとする人物たちが織り成す豪華絢爛な芸術賛歌を描いております。
これは自分の中でずっと読むのを避けていた小説のひとつで、理由はというとなんといってもテーマの重厚さと原稿用紙2500枚分という膨大なボリュームからでした、しかし、今回この小説を読むきっかけとなり、また、僕の背中を押してしてくれたのは、誰あろう筆者である平野啓一郎氏その人でありました。
以前、平野氏のツイッター上で『葬送』の話題になっていたときに僕が
『僕も読もうと思っておりますが、あの重厚さに二の足を踏んでおります。』
と書き込んでみたところ、なんと平野氏本人から
『読み始めるのは大変ですが、ぼくの小説の中で一番好きだと言ってくれる人も多いです。最初が重たいとよく言われる小説ですので、第二部上のショパンのコンサートから読んで、この前後ってどうだったんだろうと、遡ってみるというのも、一つの方法かもしれません。』
というメッセージが返ってまいりました。
原作者からそこまで言われれば読まないわけにはいかないと。ある種の決意を持ってページを読み勧めてまいりました。物語の舞台になっているのは十九世紀パリ。芸術的な動向としてはロマン主義の真っ盛りだそうで、その辺の知識が欠如しているのは非常に残念です。物語の軸となるのは『天才音楽家』の称号を恣にしたフレデリック・ショパンと近代絵画を確立したウージェーヌ・ドラクロワとの友情とショパンの愛人であり、閨秀作家のジョルジュ・サンドとの関係を中心にして物語は進められていきます。ショパンやドラクロワにかかわらず、当時のサロンで語られている芸術論の情熱的な語り口や、彼らを取り巻く弟子、友人、そしてサンドの子供たちとショパンとの複雑な関係からにじみ出るような緊張感も非常にスリリングですし、特に、サンドの娘であるソランジュの結婚にまつわるひと騒動はとても印象に残っております。
当時の社会情勢や芸術界について、もっと自分に知識があれば物語世界に踏み込んでいけるんだけれどなぁと残念この上ないのですが、ショパンとドラクロワと取り巻く『人間ドラマ』としてこの小説を読んでも、深みのある物語ですし、当時の世相というか、芸術の動向を知る手がかりとしても面白く、何でこれを今まで読まなかったのかと、若干の後悔を持ちながら長い長い旅路をはじめたような気がいたします。
今後、彼らがどうなっていくかはまだわかりませんが、楽しみに読んで行こうと思っております。それにしても改めて知ったのですが、平野氏がこの作品を世に問うたのが25歳の頃。この事実を再確認するにつけ、本当の天才というのはやっぱりいるのだなと、筆者のような人間が『芸術の神』に愛された存在なんだなと、そういうことをとみに思うのでございました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
なかなか読み進まない!心情描写が多く、しかも暗い。心の動きが、事細かに言い表されてるのが凄いけど、言葉が重くて、わたしは次へ進めません。2部の下まで行けるのか…。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
全4巻から成る大作の、一冊目。
この巻は主人公たるショパンとドラクロワの人物像、彼らの日常と交流の様子、その周辺人物と舞台である19世紀のパリの街並、といった背景の描写が中心となっていて、何か重要な事件が起きるわけではない。だから正直、重苦しい語り口とも相俟って、読みやすいとは言い難い。
しかし300ページも使って語られるほどに作り込まれた人物像、舞台背景はとても魅力的で、念入りに推敲されたのであろう重厚な文体はまるで、一つの荘厳な建築物を思わせる。
読み進めるにつれて、冒頭から立ち込めていた「死」の匂いが次第に濃くなり、『葬送』という題名の意図するところが見え始めてきたところ。
繊細なピアノの音色が流れ、勇ましくも思索に満ちた絵画が飾られた、この聖堂のような大作を、最後まで、心行くまで堪能したいと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ショパンとドラクロワの友情を中心に描かれる彼らを取り巻く人間関係と、芸術家としての創作の日々。
いきなりショパンの葬儀の場面から物語は始まる。既にして複雑な人間関係が見て取れる。時を遡って、晩年のショパンとドラクロアの係わり合いを中心に物語は進む。愛人との関係が終わりに近づいたショパン。円熟期を迎え、これから更なる大作に挑もうとするドラクロア。
上巻では、芸術批評の場面が多く、理解できないところも多かったのは事実。ただ、もともと第一部として1冊の本だったことを考えると、前半は時代背景や人物像を紹介するために割かれたと考えても致し方ないところでしょう。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ずっと気になっていた作品。
美術の方に関しては全くといっていいほど知識がないため、分からない部分も多かったが、ショパンとサンド夫人との関係、ドラクロワとの関係、サンド夫人の家族との関係がとても興味深く、すんなりと読み進められた。もっと暗くて堅くて読みにくいのかとも思っていたけど、そんなこともなく、読み進めるのが楽しみで仕方ない。