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白洲次郎占領を背負った男 みんなのレビュー

第14回山本七平賞 受賞作品

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みんなのレビュー83件

みんなの評価4.2

評価内訳

83 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

とっぷりと白洲次郎

2006/09/06 20:37

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

 白洲次郎に関する情報がほぼ網羅されている点で、現在(2006年)発行されている他の白洲本に勝る。歴史的背景も丁寧に説明されているので、誰がなぜそのような行動をしたのか分かりやすい。ただ、白洲が裏で手を回して兵役を逃れたという噂については、事実か虚偽かどころか、そのこと自体に触れてないのが気になった。また、文章がやや平板で、読んでドキドキ感がある点では、『風の男 白洲次郎』に軍配が上がる。

 さて、現在手に入る白洲関係の本を何冊か読んできたが、「恒産なきものは恒心なし」の慣用句がしばしば引用されるように、白洲家や正子の実家の樺山家がいかに裕福であったかが、強調される傾向がある。しかし、白洲商店が破産し、敗戦により樺山家も以前の威勢を失ってからは、普通の金持ちである。さらに、同じかそれ以上に裕福であった家庭もあり、そこで育った人は他にもいるのだから、裕福だったことを理由として強調し過ぎるのは、彼らに失礼だと思う。

 「衣食足りて礼節を知る」とも言われるが、衣食足りることと超弩級の金持ちであることは違うし、衣食足りても恒心も礼節も持ち合わせない人は多い。逆に占領期においては「武士は食わねど高楊枝」こそ、次郎が持ち合わせていた精神ではないかと思う。だからこそGHQに敢然と立ち向かうことができたのだ。国家対国家で対峙していた当時の日本と米国の関係においては、決して次郎は恒産側に立っていたのではない。彼は恒産による恒心で対抗したのではない。彼自身の肝で戦ったのだ。そして、それに共鳴した人が助けたのだ。

 思うに、次郎の裕福な境遇を強調する人は、自らは恵まれていないのでと言い訳したいのではないか。次郎は恵まれない境遇の人にも優しいであろうが、言い訳するような人物は認めないだろう。見た目のかっこよさで次郎をかっこいいというのも同じである。この本を読んで、環境など言い訳にせず、次郎のように純粋に信じるところを自分のプリンシプルを守って生きていく若者が増えてほしいと思う。虚心坦懐に自分のまわりを見渡せば、次郎ほど目立つ立場になくとも言うべきことを言い、筋を通して真摯に生きている人がいるはずである。そして、たとえ次郎にはなれなくとも彼らのよきフォロアーになれればと思う。

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紙の本

白洲本の本命本

2006/07/30 02:28

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:T.O. - この投稿者のレビュー一覧を見る

 白洲次郎のことは、まったく知りませんでした。それが昨今の白洲次郎ブームのおかげで、書店の店頭に平積みされていた白洲本の1冊をたまたま手にする機会があり、彼が戦後の占領時代、吉田首相の側近として活躍した話に俄然興味を抱きました。そこで、何冊か関連の本を続けて読み進み、この本に至りました。
 この本は、さすがに山本七平賞を取っただけあって、読み応えのある、質量ともに充実した中身の濃い本でした。白洲次郎については、その生い立ちや、イギリス仕込みのダンディズム、著名な白洲正子夫人、河上徹太郎をはじめとする文化人との交流、戦後の日本を築くにあたっての活躍、と華やかなエピソードには事欠きませんが、その反面、この人が大臣などにならなかったこともあってか、原典とされる資料が限られているようで、同じ話がいろんな本に出てくるところがあります。でも、この『白洲次郎 占領を背負った男』は、それ以外にもしっかりと資料を収集し、取材もきちんとされているように思いました。例えば、白洲次郎がサンフランシスコ平和条約締結時に吉田首相に随行した際のエピソードや、日本国憲法の翻訳をGHQに命ぜられた時の話、通産省を実質的に創設した時の官僚との駆け引きなどについても、他の本にはない細かい話が書き込まれていて、興味深く読みました。
 もうひとつ、この本の特徴は、白洲次郎のルーツをしっかり書いていることではないかと思います。この本の作者の北康利という人は、もともと三田市の郷土史家で、三田藩に仕えた白洲退蔵という、白洲次郎の祖父を調べているうちに、白洲次郎に興味を持ったのだそうで、白洲次郎のルーツについても、地の利(?)を生かして、詳細に分かりやすく書いてくれています。そんな視点から、例えば、白洲次郎と近衛文麿の親交について書くときにも、白洲次郎の実家が、かつて伊丹市に豪邸を築いていたことがあったこと、その伊丹市は、江戸時代、近衛家の領地で、現在の伊丹市の市章は近衛家の家紋をかたどったものであることなどにも、さらっと触れています。このような視点が、この本の奥行きを深め、他の本とは一味違ったものにしているのではないかと思います。
 一連の白洲本の本命本とも言える本。おススメです。

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紙の本

GHQと丁々発止と渡り合う姿の頼もしさよ。

2006/08/19 22:39

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:由良 博英 - この投稿者のレビュー一覧を見る

白洲次郎については、エッセイストの正子の夫、戦後の日本を吉田茂の懐刀となり支えていったひと……という漠然としたイメージしか私は持たなかった。今回、この著を読んで「こんなカッコいい日本人が占領下にいたのか」と改めて驚かされた。裕福な家庭に生まれ育ち、英国の大学に学んだことが、次郎にノブレス・オブリッジの精神を具えさせたのであろう。GHQと新憲法制定を巡り卑屈にならず丁々発止と渡り合う姿の頼もしさよ。

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紙の本

「プリンシプル」を持って生きれば、人生に迷うことはない。

2011/08/05 11:24

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る

「プリンシプル」を持って生きれば、人生に迷うことはない。

人生山あり谷あり、いいこともあれば悪いこともあります。現代は外部との摩擦が多いだけに、悪いことのほうが多いかもしれません。そんななか、確固たる自分の信念とでもいうべきものを持って生きていれば、迷うことはないと白洲次郎は言っています。

そもそも「白洲次郎」なる人物を知っている人は、よっぽど戦後史の政治に詳しい人に限られるでしょう。それは彼が徹底して裏方の仕事をしていたから。そして仕事に対して名誉などは不要と考え、国家のために働くということに努力していたから。

本書を読むまでわたしも全く知らなかったのですが、終戦後のGHQとの厳しい折衝を現場で行っていたのは他でもない彼だということです。その他、現代の日本経済の礎となる旧通産省(現経済産業省)や東北電力など個別企業などの経営にも携わっていた、ものすごくバイタリティのある人です。

本書はその彼の生涯を描いたものです。

若いうちは良家の子息としてない不自由ない生活を送っていますが、彼の人生に深く影響を与える英国留学もその時期に行っています。

ダンディズムという言葉がしっくりくる人です。

彼の人生のなかで最も大きな仕事といえば、吉田茂と一緒に終戦後の日本を支えたことでしょう。そして、彼は常に将来の日本を考えて行動していました。

何十年後の日本がどのような姿になっていることが望ましいか。

現在、このことを考えている政治家や官僚、国民はどれほどいるでしょうか。

日本の将来のため、自らの人生をかけた白洲次郎の生き方は、混沌とする現在の日本の行く末を考える上で参考にしなければならないでしょう。

龍.

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紙の本

主張がハッキリしていて、行動力のあるスゴイ人物。

2008/10/11 10:55

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:朝光 - この投稿者のレビュー一覧を見る

大金持ちのワガママおぼちゃんが、世界の中の日本
を救おうとして、縦横無尽に大活躍する冒険小説か
と思わせる話です。でも、実在の人物だし、実話と
のこと。

このタイミングで、こういう男がいた事で日本の
歴史が作られる。

日本国憲法の作成に深く関与し、占領から独立へ後
押しし、沖縄など返却を迫り、通産省を立ち上げ
日本を貿易立国へ導いたスーパーマン。

現在の日本の形を仕組んだ工作員とも言えますね。

こんな人物がいたとは、でも一方では、こんな一握り
の人に日本は動かされている事に違和感も感じます。

伝記なので、美化されている部分もあるでしょうし、
GHQの内部会話など分かるわけないですから、ノン
フィクション風小説 と思って読むと楽しめます。

読んで爽快感のある一冊です。

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2005/10/05 19:23

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2005/10/21 16:32

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2005/11/19 19:32

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2005/12/20 23:23

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2006/03/26 21:51

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2006/06/19 17:01

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2006/11/19 13:03

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2007/01/19 11:27

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2007/01/24 18:18

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2007/05/07 04:21

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