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マインド・タイム 脳と意識の時間 みんなのレビュー

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みんなのレビュー9件

みんなの評価4.2

評価内訳

  • 星 5 (3件)
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  • 星 1 (0件)
9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本

世間から誤解を受けた科学者による研究のまとめ

2018/05/18 15:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ベンジャミン・リベット。この名を科学以外の場で聞くことの方が実は多かったりする。特に、最近の哲学の書籍で「自由」を扱うものには必須と言ってよいほどリベットの名前は記載されている。リベットこそが、「人間の意思決定の自由に問いを投げかけた」研究者である。しかし、リベットの研究への解釈はかなり歪曲されていると評者は感じている。そのことが分かるのが本書である。リベットは、人間の自由意志に対して確かに疑問を投げかけたように見える研究を行った。しかし、リベットの研究の真意は別のところにある。内容は専門的で難しいところもあるが、本書を読み、科学研究の解釈について立ち止まってゆっくり考える必要がある。

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紙の本

自由意志とはあることを『しない』ようにすること

2007/05/31 00:16

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゲベリン - この投稿者のレビュー一覧を見る

状況にかかわらず何かを『しよう』とすることこそが自由意志だと考えている人たちは、この本を読んで衝撃を受けることになる。なぜかと言うとこの本の著者の実験によって、何かを『しよう』と決めたと本人が思っている時刻よりも前に、既に脳が活動を始めてしまっていることが明らかにされたからである。逆に言えば分かり易い。何かをするための無意識な脳活動が始まった「後に」本人が何かを『しよう』と意識するのでは、とても自由意志で何かを『しよう』としたとは言えないということである。
この事実を明らかにした実験は一見複雑なものではない。被験者は自分の好きなときに手首や指を曲げてよい。ただ曲げようと決めた時刻を覚えていて実験者に伝えること。これだけである。反論は多々あろう。例えば「被験者が『自分の好きなとき』ということを意識したために、先行する脳活動が生じたのではないか。」とか「被験者が時刻を伝えるというのでは、その時刻自体が信用のおけないものになるではないか。」とかである。ところが筆者はそれらの反論に対して根拠を挙げて反論し、ことごとく退けている。そのため実験結果と、それへの反論と再反論が書かれている本書の前半部分は決して読み易くはない。しかし「直接的なテストによって検証されていない仮説は相手にしない」「検証可能な理論でなければ意味がない」という著者の慎重な科学者としての良心を感じる部分でもある。
それでは筆者は自由意志を否定しているのか? いや、筆者は自由意志を肯定している。ただしその自由意志とは、実験結果から導き出された自由意志である。それは、あることを『しよう』とする意志ではなく、あることを『しない』ようにする意志である。脳から勝手に沸き上がる考えや衝動を制御し、場合によっては止める意志である。だいぶ消極的になってしまったようではあるが、それでも罪を犯してしまった人に対して責任を問える(だってあんた止めなかったじゃないか?!)し、個人的にはこちらの自由意志の方が実感と合っている。
…ということで、お堅いだけの本のように思われたかもしれないが、後半はそうでもない。デカルトと著者が対話したり、ちょっと怪しげな「意識を伴う精神場(CMF)理論」なるもの(だがちゃんと検証可能で、検証実験のデザインもされている)が出てきたりと、結構わくわくして読める本である。
最後に、この本のおかげで(自分で言うのはちと気恥ずかしいが)多感な青春時代に自らを責める原因の一つであった、人として考えてはいけないことがどうしても頭に浮かんで来てしまうということについて、完全に吹っ切ることが出来た。だって、脳が勝手に思い浮かべてしまうのだからしょうがないやな。

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紙の本

必殺の0.5秒?

2007/05/16 23:22

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る

 0.5秒。この時間は例えば短距離走に関わった人であれば、相当長い時間に感じられるだろう。今目の前にあるパソコンの最小反応時間が0.5秒だったら使い物にならない。0.5秒とは著者が本著に示した実験で、人間の脳が刺激を実際に「感じて」からそれを「気づく=アウェアネスを得る」までの時間だ。さらに、彼は別の実験で、人間が実際に行動を起こす0.4秒前に「無意識」のうちに脳内にそれに先行する信号が起動することを証明したというのだ。となると「自由意志」というものはどうなるのか?
 脳科学の動向に疎い私だが、前半の章で提示される、彼の説の基礎となる実験がかなり昔のものであることは気になった。約30年ぐらい前の実験が中心になっているようだ。この30年というのはかなり長すぎる時間だ。そして彼の学界での立ち位置も、かなり多くの反論に囲まれたものであるようだ。憶測だが、彼の提示したこのテーマ自体が「人間の自由意志」の存在そのものにかかわる、重大すぎるものであるため、長い間、啓蒙書レベルで語られることが避けられているのかもしれない。
 とはいえ、脳や神経という物質の中に当然ある、処理速度、伝達速度など物理的時間という問題と当人の感じる時間感覚との関係についてはぜひ、脳科学の分野の後続の研究を知りたいところである。
 本書の著者はデカルト、スピノザ、ニーチェ(おそらくはベルグソンも)などの哲学の試みにも向きあいながら、後半の章で彼なりの心と脳の関係について興味深い自説を試みている。現代哲学の文脈で語られる時間論に、違和感や「疲れ」を感じた方にはよい気分転換になるかもしれない一冊である。

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紙の本

「意識」と「脳の活動」について、少し研究の細部に触れたい人向き。

2007/04/15 18:00

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 感覚が意識に上ること、「行動しよう」との思いが意識に上ること、その意識が生じる以前に、既に脳内では電気活動が起こっている。意識と、実際の感覚受容や行動開始との時間差についての決定的な証拠となる実験について一般向けに語られた本である。
 意識して行動していると感じていることも、実は無意識な脳活動から始まっている。著者らの実際の実験からはじめ、近年の脳神経の研究者だけでなく、デカルトやニーチェ、スピノザにも幅広く言及しながら「自由意志」や「魂」の問題まで視野を広げた考察がされる。
 科学者がどのようにして結論に近付いていくのか、の具体的な方法の詳細をのぞかせてくれるのだが、文章は平易で読みやすい。しかし「実験を中心」として論文的な順序で進むので、「仮説ー実験ー考察」という科学者が常に論文で使うような論調に慣れていないと読みにくいかもしれない。対立する仮説を否定していく部分なども丁寧だが長い。一般向けに「この実験の意味は」などとの説明も要所に加わっているのだが、少々難しい。専門外であるが、この、意識の時間差の実験について少し詳しく知りたい、と思った読者向きであろうか。「この実験方法が正しいのか」について、著者の論文についての議論なども取り上げられてはいるが、一般読者は著者を信じて読むしかないだろう。
 最終章、第六章のデカルトとの対談形式の部分は面白い。ここを読むと著者の言いたいポイントがおおよそ理解できる。「感情」についてのデカルトとスピノザの相違を著者がどうとらえているかなどもわかりやすく書かれている。この対談は著者の創作なので恣意的なものであるが、対話形式は上手く使うと要点が鮮明になるという良い例だと思う。
 第六章の後半には「結論として」とまとめられた部分もあるので、第六章を読めばこの本の概要はわかるようにまとめられている。しかし、もちろん実験その他の前半を読めばより良く理解できるであろう。
 「気付くこと」「気付いていること」とはなんだろうか。どのような神経活動がおきたときに、「気付いていることに気付く」のだろうか。脳の科学は、さらにその機構の解明に近付いていくのだろう。その実際の手法、論法はなかなか簡単には理解しづらいかもしれないが、つい、テレビなどの「解説」に頼ってしまうこことなく、できるだけ自分で納得できる範囲を追いかけて判断していきたいものである。

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2011/03/02 21:11

投稿元:ブクログ

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2011/01/16 16:04

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2014/06/18 22:34

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2015/01/28 11:47

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2021/05/15 21:11

投稿元:ブクログ

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