紙の本
愛のかたち
2017/07/13 18:38
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ルパン三世のほうが有名になってしまったが、その要素は踏襲しているものの、当然別物である。女たらしや自信過剰なところなどルパンの魅力は満載。奇岩城など多数の作品を読んでいればもっと楽しめる。
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ルパンがルパンになる前の物語。
けなげな女性に恋をしたルパンは結婚を申し込みに彼女の父親のもとを訪れる。
しかし身分を口実に反対された彼は、その父親が持つ秘密をネタに結婚を承諾させようとその秘密を盗み出す。
そこに隠された秘密とは・・・。
普仏戦争にまつわるお宝を追うグループと100年前からまったく年をとってないと思われる怪しい麗人、そしてその麗人に協力する事で事件に絡んでいくダンドレジー。
そのダンドレジーがルパンになる前のルパンです。
アニメのルパンシリーズでも名作の呼び声の高い「カリオストロの城」の原作ともいえる物です。
物語はルパンと名乗る以前の話なんですが、ルパンの持つニヒルで颯爽としているが愛する女性のためには献身して尽くすところが随所に見られます。(かなり惚れっぽい所も)
やっぱりルパンは最初からルパンなんだと納得しました。
クラリスは名前もそのままに、峰不二子は彼女を連想させる人物として「カリオストロの城」の登場人物が出てくるので、「カリオストロの城」がお好きな方も一度読んでみるといいですよ。
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昔読んでなかった話。若き日のラウール。
最高に面白かったし、いかにもアルセーヌ・ルパンの原点という感じ。ここから更に自信過剰で恋多き男になっていくのだなと思うと面白い(笑)
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ルパンと名乗る前の話だから仕方ないけど、怪盗らしいところがまだなくてあまり面白くないです。恋愛の話が多いのもね…。あとカリオストロ伯爵夫人はずっと謎めいたままが良かったかな。それとクラリス。あの子良い人すぎでしょ(-o-;)!宝をめぐっての攻防戦は、勝敗が次々に変わっていくので最後までどう決着がつくか分からず、楽しめました♪
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アルセーヌ・ルパン・シリーズ
恋人クラリスの父親ゴッドフロワ・テディグの屋敷で囚われ殺されかけたジセフィーヌ・バルサモの助けたラウール。ジョセフィーヌに恋をするラウール。普仏戦争のどさくさにまぎれて隠された宝を追い。結社、ジョセフィーヌ、ラウールの闘い。ジョセフィーヌの命令でルースラン夫人を拷問したレオナール。レオナールの所業でジョセフィーヌに怒りを覚えるラウール。結社の一員でじあの愛人だったボーマニャンとラウールの対決。クラリスとラウールの結婚。奪われたラウールの息子。
市川図書館
2009年11月23日読了
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ルパンものは,1作づつ,違うルパンが現れるように7変化。
カリオストロ伯爵夫人のような魅力的な女性が現れるのも,フランスものの特徴だろうか。
イギリスのホームズに対してフランスのルパンという文化の対比ができるかもしれない。
人の心の動きの機微に触れるのはルパンだと思う。
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「三世」ではないルパンに触れるのは初めてだったのですが、正直なところこの作品はアルセーヌ・ルパンファンの為だけにある作品ですね。若き日のルパン(ラウール・ダンドレジー)が謎めいた美女との恋愛要素を絡めてお宝めぐって争奪戦。といったお話なのですが、主軸となるラウールとジョゼフィーヌの人物にまったく魅力を感じなかったせいもあって読み進めても「えぇ?」とか「なんでぇ?」という感情しか持てず、義務だけで読み終える結果になったのが残念でした。シリーズ他作品から入っていればもう少し違う印象を持って読めたのでしょうけれど。
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カリオストロといえば『ルパン三世 カリオストロの城』
やはりネーミングは、この作品から取られているそうです。
これはミステリというよりも、とあるミステリを巡る冒険小説に
恋愛のエッセンスを濃厚に織り込んだ作品って感じかなぁ~
時系列的にみると、ルパンの最初の事件になるんだろうけど
ある意味、回想録的な位置づけみたいだし・・・
天才的な才能を発揮するものの、ヒヨッコだったから詰めが甘い。
っていうか油断し過ぎで痛い目をみる。
そういうのがハラハラして楽しく読めました。
続編にあたる「カリオストロの復讐」が気になります。
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愛で満たされたかった貪欲なカリオストロ伯爵夫人。
クラリスに永遠の愛を誓ったその日に他の女に恋をするラウール。
このままクラリスとの事は無かった事にされてしまうのかと思ったけれど、最後にその誠実な愛に気付いたので安堵した。
カリオストロの復習も読んでみたい。
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予定調和的でご都合主義的でした。でも、昔は良心が今よりも強いのか、それとも著者の性向なのか殺人に対しての呵責の描写がしつこいくらいあった様に思います。伏線を蒔いてましたが、それの回収作品を読みたくは残念ながらならなかったです。
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後の怪盗ルパンとなる青年ラウール・ダンドレジーと妖艶な美女ジョジーヌ、怪人ボーマニャン、三者の秘宝をめぐる争奪戦を描いた小説。
子供の頃、ポプラ社版「ルパンシリーズ」を愛読していた自分にとって、アニメ「ルパン三世」のルパンの女好きっぷりに違和感を持っていたのを覚えています。
ポプラ社のルパンは女好きというより女性に優しいジェントルマンの印象だったからです。
しかし、これを読むとルパン三世の女好きの方がアルセーヌ・ルパンの実像を捉えていたのだな、と思いました。
若いルパンにはクラリスという彼女がいるのですが、その彼女をほったらかし、カリオストロ伯爵夫人ことジョジーヌに入れ込みます。浮気なんてレベルを超えた入れ込み具合に、ポプラ社版ルパンのイメージを持っていた自分は唖然とするしかありませんでした(苦笑)
ポプラ社版は児童文学だったので、ルパンの女性に情熱的な部分はカットされたみたいです。
なのでぶっちゃけ読み始めは「こいつくそ野郎だな」などと思いながら読んでいたのですが(笑)読むごとに浮気者のルパンの姿でなく、恋と善悪の狭間で揺れるルパンの姿が鮮明に描かれるようになります。
そしてそれはジョジーヌの方も同じ。愛した人が宿敵であり、今更これまでの悪の生き方を捨てきれず、恋人と対決に至る姿は読みごたえがあります。
それだけに二人の対決、そしてジョジーヌの執念というものは読んでいて面白くもあり恐ろしくもあり、ミステリや冒険小説だけでなく恋愛小説でもあるわけですね。
読み終えてみるとラウールの愛の注ぎ方は浮気ではなくどちらも本気だったのだな、と思います。(その後のルパンの生涯にはいろいろな女性が出てきますがそれもすべて本気です!)
つまりルパンは浮気者なのでなく、常に女性に対し本気で恋をしているのです、ととりあえずフォローしておきましょうか(笑)
若き日の二人の対決の物語が終わった後、ルパンとカリオストロ伯爵夫人は再び相対することが示唆されて、この本は終わります。ただその最後の戦いである「カリオストロの復讐」はハヤカワミステリ文庫では未訳です。
創元推理文庫かポプラ文庫『ルパン最後の冒険』で読めることは読めるのですが、やっぱり同じレーベル、訳者さんで読みたいな、というのが本音でもあります。
今度ハヤカワ文庫70周年企画で『ルパン対ホームズ』が新訳で出版されるみたいなのですが、どうにかその勢いで他のルパンシリーズも出してくれないかなあ、と悶々とする日々です。
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世紀の怪人物の末裔を称し、絶世の美貌で男たちを魅了するカリオストロ伯爵夫人ことジョジーヌ。彼女は権謀術数を駆使する怪人ボーマニャンを相手に、普仏戦争のどさくさで失われた秘宝をめぐる争奪戦にしのぎを削っていた。その闘争の最前線に一人の若者が割り込む。その名はラウール・ダンドレジー。彼こそは、のちの怪盗紳士アルセーヌ・ルパンその人だった。妖艶なる強敵を相手にした若きルパン、縦横無尽の大活躍。
2017年最初の一冊はルパンでした。文庫を買ってから大事に積みすぎた作品ですw青年ルパンの原点とも言えるカリオストロですが、やっぱりいいなあ。ダンドレジーが若くて有頂天になったり恋におぼれたりと隙は多いけど、それがまた彼の人間らしさとして共感につながっている気がします。自分の中に天才的な才能を見つけ、ジョジーヌにやられて教えられては自分もやり返すという流れが本当にわくわくする。結果的に二人の人生がパートナーとして交わることはなかったわけですが、それでも一部分で似た者同士であり宿敵であり続けるんだな。人を殺さないからこそルパンには魅力が詰まっているのであって、ジョジーヌとは大きな差がありますが。復讐編も本当に楽しみだけど、平岡先生が新訳を出して下さらないかな・・。
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カリオストロの城の元ネタとも言える作品。
但し内容はもちろん全然違う。
そもそも三世は漫画アニメ。
それは抜きにして、非常に面白かった。
アルセーヌ・ルパンものは長い長いシリーズ物のようだ。
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「熱烈な恋人同士でありながら最大の敵」という複雑な関係性の描写は今観ても劣ることなくドラマティックでありスリリング。そして二人を別った理由も、今でも通用する「悪役でも守るべき一線」であり実にわかりやすかった。
しかしルパンの移り気の早さを「若いからしゃーない」で済ますあたりは本当酷いw
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▼ルパンです。三世ではありません。一世です。ルパン(一世)の魅力は、なんと言っても「恋愛ファースト」(三世もそうですが)。そのオモシロさ横溢の傑作。なにせ、ヒーロー・ルパンが、清純潔白なヒロインを、スッパリ裏切って年増の悪女に乗り換えちゃう。そしてその悪女と、愛欲べったりドロドロの蜜月を送る(エロ描写はゼロ)。なんだけどそのうち愛想を尽かします。なんだけど、やっぱり魅力によろめきます。ここンところの、「疑心暗鬼を互いに迸らせながら、別れきれない愛人関係」の描写が、ぞくぞくとソソります。谷崎、三島が手がけたら、もっと変態な深みに沼っていく展開。これがルブランにかかると実に健康的なミステリになります。ともあれオモシロい。さらに加えて、スピード感と仕掛け満載。ノンストップアクション、絶体絶命数珠繋ぎ。2020年現在最先端の冒険映画ーーー「ミッション・インポシブル」とか「007」とか「オーシャンズ」とかーーーに、全く引けをとりません。旨味たっぷり上等肉使用のスタミナ丼の強烈さに、前述の心理サスペンスもトッピング。もう、満腹満足ご馳走様。
▼「カリオストロ伯爵夫人」モーリス・ルブラン、平岡敦訳。ハヤカワ・ミステリ文庫2005年。初出1924年。怪盗アルセーヌ・ルパンが活躍するシリーズの16ある長編の内の、第7作。2020年5月読了。
▼ざっくり言うと、「ルパン・ビギンズ」という内容。ルパン若かりし日、まだラウール・ダンドレジーと名乗っていた、無名の一青年だった頃の冒険譚。カリオストロ伯爵夫人を名乗る年齢不詳の悪女との奇妙な恋愛、そして「中世フランス修道院の財宝」を巡る死闘。加えて、純粋無垢なクラリス嬢との恋愛。
▼備忘録的に言うと、まずルパンは地位無し、コネ無し、孤児で無職という境遇で、貴族の娘、クラリスと恋に落ちる。ところがひょんなことから、名うての悪党、カリオストロ伯爵夫人を助けて、こっちでもまた、恋に落ちる。謎めいた美女カリオストロを、「本当の悪女では無いはずだ」と半信半疑。だが魅力に抗せず、クラリスのことなんかどこ吹く風。強烈なフィジカルと知恵と度胸で、カリオストロが参戦する財宝の争奪戦に飛び込んでいきます。
▼ところが敵対する勢力との、死線を彷徨う激烈な死闘の中で、「やっぱりカリオストロは殺人も辞さない悪党だ!」と判明。一気に愛は覚め、ふたりは決裂。七転び八起きの怒濤の展開の末、孤軍奮闘徒手空拳のルパン青年は全てのライバルを、そしてカリオストロを出し抜いて、巨万の財宝を手に入れ、よりを戻したクラリスも手に入れて、おまけに自分の異能にも自信を得て、世紀の怪盗への一歩を踏み出す・・・。なんだけど、終盤の「エピローグ」で怒濤の展開。数年後、クラリスは産褥で逝去。男の子が一人生まれたが、その子がカリオストロ伯爵夫人に誘拐される・・・。以降、ルパンは奪われた子を探しながらの人生を送っている・・・という。
▼疾風怒濤、痛快無比。手に汗握る冒険譚。平岡新訳のシリーズで魅力を再発見しているところですが、期待に違わず読書の快楽に酔いしれた1冊 (途中で「あ、これ昔、読んだな」と思い出���たんですが。30代の頃に偕成社のシリーズで半分以上読みました。ただ、ほぼ失念...)。
▼色々権利の問題があるようで、ルパンシリーズは長らく新訳が出ていませんでした。ただ、そのエンタメな上質さは、まだまだ過小評価されていると思います。ほんっとに、罪の無い娯楽、舌を巻く面白さ。個人的には「813」「続813」「水晶の栓」がピカイチなんですが、まだまだ未読の長編多数。こうなると続々読んでいきたい気分なんですが、できれば平岡新訳を待ちたい気分。ただ、色々事情があるんでしょうが、なかなか進んでないんですよね・・・できることなら平岡訳で「813」を読みたい!あと、「カリオストロの復讐」も...。
▼ルブランさんは1864-1941。1939年(75歳くらい?)までルパンを執筆しています。最期は、ナチスのパリ入城後。ビシー政権下で亡くなったはずです。心境はどうだったのか・・・。ルパンがナチス相手に辣腕を振るう作品を、読んでみたかったですね・・・。