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みんなのレビュー6件

みんなの評価4.5

評価内訳

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6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本

チャンバラへラブソングを!

2005/10/30 18:04

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 痛快な一冊である。五九〇頁の大冊ながら、近年こんなに楽しく読めた本も稀である。本書に倣って時代劇風に紹介すれば、初老の剣豪川本(川本三郎は若い頃から映画評論を書いていたからいつまでも若い評論家という印象があるがすでに六十歳を過ぎた大家なのには意外な感じがする。それでいて本書の前口上「股旅もの映画の魅力」に中原中也の<汚れちまった悲しみに>と副題をつけるあたり、まだまだ若い感性は健在だ)が次から次へと現れるチャンバラ映画を斬って、斬って、斬りまくる! その数なんと一〇五本!
 初出は青年漫画誌の二冊で、連載当時の題名が「チャンバラへラブソングを!」と「燃えよ! チャンバラ」だった。青年漫画誌の記事ものは普通そんなに面白くないが、この作品は連載当時から群を抜いて面白かった。それがこうして一冊にまとめられるとその数に圧巻する。紹介されているのは一九三九年製作の『鍔鳴浪人』(この作品の主演は阪東妻三郎という戦前の剣豪スターだが、彼を紹介するのに「若い世代には田村正和の父親といったほうがいいかもしれない」と川本は注釈をつける。このような細かい目配りが随所に見られることもこの本の魅力である)から二〇〇四年公開の山田洋次監督の『隠し剣 鬼の爪』までの一〇五本の時代劇(チャンバラ)映画である。
 この本を読んでいると映画が娯楽の王様として君臨していた昭和三〇年代は同時にチャンバラ映画の全盛期であったということに気づかされる。市川雷蔵や勝新太郎、中村錦之助といったスター達がそれぞれの持ち味を生かしながら多くの観客を魅了したのだ。それらの映画に影響された子供たちが木の枝を刀に見立ててチャンバラごっこに夢中になったのもその当時の懐かしい光景だ。今ではチャンバラなんていう言葉も知らないかもしれない。(ちなみにチャンバラの語源は刀と刀がぶつかる時の音からきているらしい)
 この本の魅力は川本の細かい目配りにあると書いたが、川本は単に作品の紹介や評価を書くだけでなく、主演のスターの魅力にも言及し、それだけでなく共演の女優や脇役、監督から殺陣師、カメラマンにいたる多くの人々にもあたたかな視線をおくる。あとがきに書かれているように「本書は時代劇論と書いたが、<論>というより、彼らの<壮絶>な戦いへのオマージュである」(578頁)。川本がいう彼らとはチャンバラ映画の主人公たちだが、その映画を作った多くの映画人だと言っても間違いではない。最後にほとんどの作品についている公開当時のポスター図版も忘れてはならない本書の魅力であることも記しておきたい。(できればカラー図版で見たかったと思うのは一読者のわがままだろう)

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紙の本

この本に感謝

2015/09/10 18:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:グル―チョ・ハーポ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本で紹介されている時代劇は5本程度しか観ていなかったし、時代劇の事も役者も殆ど知らなかった。そんな右も左もわからない時代劇の面白さ、いま観ても新鮮に思う映画の数々、この本のおかげですっかり時代劇ファンになっていた。掲載されている作品はどれも面白い。本当に観てよかったと思う映画が紹介されている。

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紙の本

時代劇映画への熱きオマージュ!

2005/11/12 00:26

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ブルース - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者の川本三郎さんは、敬愛する評論家の一人である。処女作の『都市の感受性』以来ずっと読み続けているが、この人の評論は奇を衒ったところが少しも無く、いつ読んでも飽きることがない。本書は、その川本さんが愛好する時代劇105本を紹介した魅力溢れる映画評論集である。
時代劇というと、水戸黄門とか旗本退屈男、大岡越前などの勧善懲悪型の映画をまず思い浮かべてしまうが、川本さんはそのような作品は取り上げていない。ここで取り上げられているのは、時の権力者や地元の実力者に余儀ない仕儀があって刃向かい敗れ去ってしまう男たちを描いている映画である。
所謂反権力的な映画であるが、この流れは戦前から底流としてながれており、川本さんはそのような映画に心を寄せているようだ。
川本さんが紹介している時代劇は、大別すると次の三つのタイプに分けることができるように思われる。
第一は、武士社会の組織と個人の葛藤や軋轢を描いた映画である。これは、『切腹』、『反逆児』、『拝領妻始末』などの名作が挙げられる。いずれも、個人が非情な武士社会に果敢に孤独な戦いを挑み、無残に敗れ去っていくストーリーである。これら映画は、1950年代〜1960年代に多く作られたというが、その背景には、日本中が熱く燃え時の政権によって押し潰された安保条約を巡る大衆運動の敗北感があるという。
第二は、一匹狼の渡世人を描いた映画である。所謂ヤクザ映画であるが、著者の愛好する主人公は、堅気の衆には迷惑をかけずにしかも憧憬を寄せる女性のために自ら犠牲となる男か、あるいは一宿一飯の義理で心ならずも人を殺めてしまう男たちである。いずれも、恵まれない家庭環境から人生の裏街道を歩まざるを得ず、それでいて孤独な翳りの中にも一本芯の通ったストイズムに貫かれた主人公たちばかりである。勿論、こうした理想化されたヤクザは映画だけのことであるが、生きるために組織にがんじがらめにされ自由を失った人たちにとって、組織から離れ天涯孤独ながら自由に生きる一匹狼には密かな憧れがある。
そのような人々の思いから、『ひとり狼』、『遊俠一匹』などの旅股物の傑作が生まれたという。
第三は、所謂チンバラ映画である。これも、華麗な立ち回りだけの映画は取り上げられていない。著者によれば、チャンバラ映画には、完全無欠のヒーローが悪人たちをバッタバッタと切りまくる映画と、止むに止まれる状況に追い込まれた主人公が斬りたくも無い相手と対決しなくてはならない映画に分けることができるという。
著者は、後者の陰影のあるチャンバラに好意を寄せていて、有名無名の映画を心を込めて紹介している。
このように、著者は様々な時代劇を紹介しているが、私自身まだ見ていない作品が大半で、著者が賞揚している時代劇をすぐにでも見てみたい気持ちに駆られる。要所要所に載せられている百数十枚のオリジナルポスターの図版も映画への思いを募らせる。
本書は、時代劇ファンは勿論、戦後大衆文化に関心のある方も是非手に取っていただきたい好著である。

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2011/07/19 16:20

投稿元:ブクログ

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2013/03/08 09:55

投稿元:ブクログ

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2023/11/12 18:22

投稿元:ブクログ

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