紙の本
命のチカラ。
2005/11/28 13:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはり今回も規模が大きく、「どっかんばっかん!F15Jぶっとび捲り!ずががががん!」を予感させた上巻。だがページを繰っていくに連れ、どうも今回はちょっと雰囲気が違う。美由紀と恵梨香のコラボも、当初期待した「二人で協力して巨悪を叩く!」と言ったものではなく、言ってしまえば、世を儚んだ恵梨香に美由紀が手を差し伸べる、と言った感。過去作品の「どっかんぼっかんF15Jかっ飛び捲り!絶体絶命美由紀キター!」とは確実に読み応えが違う。敵も、これまでは悪そうな奴が悪くて、でも想像を絶する規模の悪さで読み手の度肝を抜く!といった物だったが、今回はそれもちょっと違う。ダビデがほぼ完全に協力者の立場を取ってしまうところからも、それは分かる。そうか・・・これはもしや、新しい方向性を試されたのではなかろうか・・・。
今回の作品には、二つ大きなテーマが掲げられている。現代日本が抱えた、大きな問題。「自殺」と「ニートの増加」である。それに景気の停滞を加え、深く鋭く世相を切った作品に仕上げられている。もし本当に何らかの試みがあったとしたら、僕は今回の試み、大成功であったと信じる。自殺に魅入られてしまった恵梨香。でも、命ってそんなに弱くない。命って、自分から失おうとする事を良しとしない。命のチカラって、すごい物なんだなと感じさせられる一品であった。
美由紀自身にも「いつもに比べれば、地味目のクライマックスなの」と言わせてしまっているあたりも面白い。でも、松岡ファンとしての大興奮のクライマックスは、作品読了後の一行にあったのだった。
「千里眼」シリーズ次回作は文庫書き下ろし『千里眼 背徳のシンデレラ』
続編!キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
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書中でメフィストコーポレーションの描いた日本の近未来図。
実社会に当てはまるのでは?と思えるほどのリアリティでストーリが展開していて、SF世界に含有されたそのリアリティこそがこの物語を引き立てている。
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失礼ながら、今時、大判小判がザクザクというネタでは、いくらなんでも。。。と思っていましたが、やはり期待通りに、ちゃんとしたどんでん返しを用意してくれていました。2006/1/7
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<内容>
史上最大のIT企業が設置した“48番目の都道府県”萩原県。そこは全国から集められた800万人の「ニート」たちが暮らす、最先端の福祉行政の地だった。 だが、住民たちは悪夢にうなされている。炎、地獄の骸骨、そして金縛り。萩原県の地底には巨大な陰謀が眠っていた。 イラクから帰国するや、不可解な速達を受け取った臨床心理士・岬美由紀は再び混乱の渦中へと疾走する。岬美由紀の前に立ちはだかる『蒼い瞳とニュアージュ』のヒロイン、宿命の臨床心理士・一ノ瀬恵梨香。そしてメフィスト・コンサルティングのダビデ……。 エンターテインメントの頂点を極めた人気シリーズ初の文庫書き下ろし最高傑作!
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史上最大のIT企業が設置した“48番目の都道府県”萩原県。そこは全国から
集められた800万人の「ニート」たちが暮らす、最先端の福祉行政の地だった。
だが、住民たちは悪夢にうなされている。炎、地獄の骸骨、そして金縛り。
萩原県の地底には巨大な陰謀が眠っていた。 イラクから帰国するや、不可解
な速達を受け取った臨床心理士・岬美由紀は再び混乱の渦中へと疾走する。
岬美由紀の前に立ちはだかる『蒼い瞳とニュアージュ』のヒロイン、宿命の
臨床心理士・一ノ瀬恵梨香。そしてメフィスト・コンサルティングのダビデ……。
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ちょっとした出来心から岬美由紀を名乗ったところ、場所はおろか、時代すらも!?知らない所に拉致されてしまった恵梨香。そこは実はメフィストが、陣場社長が掘り出そうとしている埋蔵金がどこにあるのかを検証するために作り出した架空の江戸の町だったのだが・・・。
あららららら。敵であるはずのメフィストのダビデがいい人に思えてきてしまったよ(笑)。今回ダビデは、メフィストのノウハウを知りながら独立して今やメフィストを超える成功をおさめそうな陣場の暴走を食い止めるという名目で動いてはいるのだが、結果的には恵梨香や美由紀を助けている。蒲生刑事らが出てこないので、完全サポート役に。相変わらず美由紀には邪見に扱われているけれど、見せ場たくさん。メフィストグループのクローネンバーグ社のトップであるダビデと、同じくメフィストグループのマインドシーク・コーポレーションのトップであるジェニファー・レイン(「トランス・オブ・ウォー」にも出てきた金髪女)が対立しているような描写があるので、今後はここらが描かれていくのかも。ダビデに関する感想ばかりになってしまったが、今作で美由紀と恵梨香の確執に決着。見逃せない一冊になっているという。恵梨香は今後どうするんだろう?
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突然、江戸幕末の宿場町に連れてこられた一ノ瀬恵梨香。謎多きその町でメフィスト・コンサルティング特別顧問のダビデと出くわすが。一方でIT産業の帝王に君臨する陣場輝義社長は、秘密裏に埋蔵金発掘プロジェクトを推し進めていた。日本経済の根幹をも揺るがしかねない巨額の埋蔵金をめぐり、激しい利権争いが展開されていく。恵梨香の身が危ないー。地下二〇〇メートル。埋蔵金の在り処と古文書に記されていたその地の果てに、岬美由紀が見た恐るべき真実とは?
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いつもながらの派手な展開。
まあ、わかっていても何故か読むのをやめられない。
最後の細菌封じ込めのくだりが慌ただしくしっかり理解したとは言えないが、まあ大したことではない。
読んでいない千里眼シリーズを探してしまう自分がいる。