紙の本
いやあ、お恥ずかしい。あの清涼院流水がこんなに面白い、わかりやすい話を書いていたなんて、まったくしりませんでぃっしゅ?
2006/07/14 21:03
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
弁当本『コズミック』で絶望し、『秘密室ボン』で、ま、このレベルかと割り切った清涼院流水。もう読むことはないと思っていたんですが、カバーの色合いがあまりにいいいのと、もしかして?という期待感からまたまた性懲りもなく手にしてしまいました、魔の清涼院流水ボン!その愛らしいというか、人を小ばかにしたような赤ん坊のイラストは水谷さるころ、装幀は米谷テツヤ。
で、最初に書いちゃいますが、傑作です。ううう、長い間、貶していてばかりでゴメン、絶対に才能無い!なんて断言してスマン!クソミソチリアクタのように扱って間違ってました!何でこの作品、もっと騒がれなかったんだろう、もしかして評判だったりして・・・許して!ま、今までの悪行故ではあるんですがね、清涼院の・・・
後ガキによれば、これは清涼院初のハードカバーだそうです。うーん、なんとなく出版界の躊躇いは分かりますね。なんたって弁当本『コズミック』の著者ですから。それに「これがぼくの一生を代表する作品です」と微塵の迷いもなく言い切れるだけのクオリティをめざしたそうです。作者に対する誹謗中傷軽蔑侮蔑批判批難無視黙殺はこのくらいにして早速の内容紹介に入りましょう。
後の方に書いておきましたが、目次からもお分かりのように、これは歴史小説です。といっても、個人の歴史であって、いわゆる周囲の歴史、ある人物を取り巻く時代の流れを描くノスタルジックな、団塊の世代や老人たちが読んで涙し、昔を懐かしむ、そういったジジムサイ老人慰めボンでは決してありません。なんたって書き手が、あの弁当本『コズミック』の清涼院流水ですから。
主人公ですが、名前は常盤ナイト。母親はスナック〈スワン〉の経営者で美人の常盤真昼です。で、ナイトには父親がいません。いわゆる母子家庭。で、父親探しがテーマになるかといえば、それは全くありません。なんたって、あの弁当本『コズミック』を書いた清涼院流水ですから。では、ナイトが探すのは何か、といえば言葉です。
その謎の言葉というのが、〈ぶらんでぃっしゅ〉。真昼さんのおなかの中にいたナイト、そのナイトの中でうまれていた「ぼく」が聞いた「ぶらぁぁぁぁぁぁぁん・・・・・・でぃぃぃぃぃぃぃぃっっ・・・・・・しゅ・・・・・・〉という、摩訶不思議な音の連なりです。そう、これはナイトくんの歴史であり、ナイトくんの中に転生した「ぼく」の歩みでもあります。
そして、彼の一生を左右する言葉が〈ぶらんでぃっしゅ〉。赤ん坊の時間のなかで覚醒しつづけるオトナのぼく、彼から見た乳児の意識、知覚。そして長ずるに従ってナイトの周りに集まる今田ナウ、今田善、荒出純、観月花音、内藤A子、内藤栄碁、谷茂海馬、遠山完、白馬騎士、黒岩銀ちゃん、横井加文、恵比寿笹人といった人々が渾然となって壮大な時間絵巻を展開するわけです。
まず、話がちゃんと収束しています。これは清涼院流水のイメージをぶち壊すもので、しかも、そのまとまり方が上手い。無論、あ、こんな方法があったか!といったものではありません。最近流行の手法を使ってはいるのです。でも、それが決してわざとらしくはありません。おまけにラストに漂う哀感。こ、こ、これをあの『コズミック』の作者が書いた・・・
そういう水準の作品です。なーんだ、このオチか、ではなくて、このオチでここまで読ませるのか、よく考えたなあ、これってもしかして、ぶらぁぁぁぁぁぁぁん・・・・・・でぃぃぃぃぃぃぃぃっっ・・・・・・しゅ・・・・・・?って思います。その意味は、この作品を読んで当ててみてください。驚きますよ、なんたって書き手が、あの弁当本『コズミック』の清涼院流水ですから。
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意外や意外な結末。最初っから最後まで言葉遊びの連続です。
うーん、はじめだけ立ち読みして面白そうだから買おう、と思うとちょっと外しそうだし、つまらなそうだから買わないというとちょっと損しそうな本。
つまり話の流れが意外。
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ジャケ買いならぬ表紙買いをした1冊。主人公は意識下にいて、赤ん坊の成長と共にストーリーが流れる。赤ん坊が産まれた時から意識下で認識した言葉「ぶらんでぃっしゅ」この言葉を元に、数々の言葉遊び(駄洒落)で、作者自身言葉を題材に遊んでいる作品。はたして、「ぶらんでぃっしゅ?」とは何か。意識下にいる主人公の謎とは。
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何故だか読むのにえらく時間がかかったよ…。スランプだったからかな。
出てくるコトバ遊びの中には、「ちょっとこれは、こじつけすぎじゃ…」っていうのもあったけど、「あ、これおもしろい!」っていうのもかなりあったからおもしろかったな。
先にスペシャルサンクスのところを読まずに本文読んだら、石毛義士のところで爆笑した。だ…誰ゴッ…(大爆笑)!!電車の中で笑いを噛み殺すのに苦労したよ……。もうりひろのところでもわかって爆笑だったけど、絵野フィトさんは知らなかったなぁ……。
全体的にすらすら読める(私はスランプだったから時間かかったけど…)楽しい本だと思う。後半の展開はハラハラで飽きなかった。
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謎かけでいて語呂合わせのような不思議な言葉。
”僕”は一生かけてその言葉を探す。
成長に合わせてフォントが段々小さく(通常の小説サイズに)なっていくのがまた面白かった。
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導入部からラスト直前までつづくダラダラ感にはうんざり。
そもそも言葉あそび自体にほとんど共感できなかったので……。いい歳こいて言葉あそびはないだろ、という感じで。
それでも終章の展開は予想を裏切るものがあったのでかろうじて読んだかいがあったかなぁ。
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?
あたしの頭がアホなのか?
結局内なる僕はどこにいたの?
あたしアホ?
走馬灯の中の記憶が自分ってこと?
あれ?アホ?笑
ちょっと言葉遊びくどすぎたかな~
の割には中身ないしな~うーん。
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まだ生まれる前、母のおなかの中で聞いた“ぶらんでぃっしゅ”という謎のコトバは、誕生後もずっと「ぼく」の人生を支配し続けていた。特別な人との出会いや別れをも予感してしまう、不思議な能力に目覚める「ぼく」。何度も姿を見せる、死神のようなライダーはいったい何者なのか?1500を超す候補から選び抜かれた108の名作“ぶらんでぃっしゅ”によるトーナメントは、コトバのマスターたちの競演で、興奮の頂点へ!そして、クライマックス。連続強盗殺人犯“ブラン・ディッシャー”の銃口が「ぼく」に向けられる―。この姿を見るのは、これが最後だ。
あらすじ抜粋
最後には驚かされた。
いやあ、参った。
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最初はただの空耳アワー。
後半からおもしろくなる。
仲間が増えて人生も進む。
「ぶらんでっしゅ」に悩まされる。
ぶらんでっしゅとは一体何なのだろう。
ゲストで西尾維新出てます!!
作者清涼院流水のある意味伝記といってもいい。
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図書館で借りた本
清涼院流水の作品の中ではめずらしく最後に破綻しないで終わっている本です。落ちは結構面白かったと思います。ただ,ぶらんでぃっしゅのトーナメント(読んでない人には何言ってんだかわかりませんよね。すいません。)の部分は,ちょっとくどすぎるので読み飛ばしてしまいました。
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全部が駄洒落で構成された本。かといって笑えるかと言われればそうではなく、質より量って感じ。笑いのセンスが私にはわかりません。と思いながらも、とあるスペシャルゲストの解答には悔しくも少し笑ってしまった。オチはイマイチ。
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読み始め、ダジャレの解説書的で、面白くないと思ってたが
年を重ねるうちに、どんどん興味が湧いてきたが、結末がなんじゃこれって感じです。
楽しい要素が沢山あるのに、ダジャレがな~自分には興味ないから、すごいもったいない
けど結末に向かって考えた回答が「ご臨終です」だったけど、でてこなかったかな?
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コトバ遊び(駄洒落?)にこだわった一冊。
「ぶらんでぃっしゅ」という謎のコトバに取り付かれた常盤ナイトの人生を、ナイトの脳に潜む「インナーアダルト」の視点で追っていく。
突然発現する予知能力や殺人鬼ブランディッシャー、そもそもインナーアダルトとは何なのか、など、ミステリ要素も充実していて、先が気になってついつい一気読みしてしまいました。
この作者にしてはきれいにまとめたな、という感じではありますが、ぶらんでぃっしゅトーナメントの開催など、結構なやりたい放題。特に決勝戦は怪作同士の対決で、苦笑するしか。
ナイトは友人に恵まれていて、善と純との友情には感動しました。
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うん、なんか清涼院流水がやりたそうなことを出し切ったって感じの本でした(笑)
(私のなかでは『言葉遊び』が大好きな人、という印象なのです。言葉遊び=駄洒落・・・って言う説明が、知らない人には1番伝わると思うんだけど・・・うーん、駄洒落と言い切っていいものか)
最後のどんでん返しで想像と違う結末だったことだけが救いです。
それにしても、オトナの部の半ばに出てくる『ぶらんでぃっしゅのトーナメント』は苦痛だった・・・延々と駄洒落(もう、こう言わせてもらいます)が出てきて、どっちが面白いかトーナメント・・・
1個収穫だったのは、好きな森博嗣と師弟関係にある、とあとがきに書いてあったこと(笑)
森さん大好きーーー!
森さんも確かに『言葉遊び』の天才だと思うんだけど、こっちは駄洒落とは呼べない、もっと崇高な、文学・・・と思えるのです。
何なんだろう、言葉が綺麗なのかな?
なんとなく勝手にそうランク付けしていた通りだったのでほくそ笑んでしまいました。
まぁ、そんな感じ。(中味は言えませんからね)