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レヴィナスの初期の思索を知る上で必読の書。翻訳がすぐれているのか、他の主著と比べても、まあ読みやすい文体となっている。レヴィナスの文献の中ではとっつきやすい方かもしれないが、レヴィナスの哲学そのものが難解であるので、それも「比較的言っている意味がわかる」にすぎない。
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初めて読んだのはいつのことか覚えていないが、最初に読んだレヴィナス書。哲学書にしては読みやすくてとっつきやすかった(そうでなければ今も継続して読んでたりしない)。ともあれ、衝撃的な出会いでした。
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本著は著者が第二次世界大戦でフランスの兵士として志願し、敵国ドイツに捕虜として収容所へと送り込まれた悲惨な経験から紡ぎだされた存在論考である。ハイデガーとの対比を通して実存を彼なりの視点で位置づけている点は特に注目に値するし、キルケゴールやサルトルといった実存主義思想家ともまた一線を隔し、極めて純粋な他者論について目を向けている。彼の著書の中でも初期の作品だが、だからこそ彼なりの存在に対する真摯な態度を感じることができる。
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レヴィナス『実存から実存者へ』。
うーん。何度読んでも面白い。ともかくレヴィナスの書く文章が好きだという確認にはなる。ハイデガーを読みはじめてやっとわかった部分が多いけど、ハイデガーから読むべきだったとは思わない。
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[ 内容 ]
世界の内に生きて「ある」とはどういうことなのか。
20世紀哲学の開拓者たちが深めてきたこの問いを、レヴィナスは捕虜収容所というギリギリの状況下にあって出発点から問い直した。
フッサールやハイデガーの思想にいち早く透徹した理解を示しつつも、つねに批判的な参照項として、ギリシャ以来の合理主義と手を切った地点から新たな展望を開いてみせる。
非人称的な「ある」ことが、「私」として「実詞化」され、糧を求め、他者に出会い、夜一人目醒め、芸術や神に関わる…。
レヴィナス初期の主著にして、アウシュヴィッツ以後の哲学的思索の極北を示す記念碑的著作。
存在は「悪」なのか―。
[ 目次 ]
実存との関係と瞬間(実存との関係;疲労と瞬間)
世界(志向;光)
世界なき実存(異郷性;実存者なき実存)
実詞化(不眠;定位;時間へ)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]