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紙の本
男どもよ、もっとしっかりせい?
2006/01/07 09:58
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る
僕はそもそもあまり短編小説を読まない。それは厚みに欠けるからである。ストーリーが短いということでもあるし、必然的に描写が簡潔になり印象としての厚みに欠けてしまうことが多い。その分、切れ味と余韻を楽しむのが短編であると言われればその通りなのであるが、僕はどうも絡み合った全体構造やストーリーのうねりのほうを期待してしまう。
移動の機中で読むために買ったのだが、奥田英朗を読むのは「イン・ザ・プール」以来2冊目。この作家は作品ごとに随分作風が違うと聞いたのだが、どうも僕は似通った作品を選んでしまったようだ。
ただ、いずれにしても、この作家は非常に巧い。文章の切れはないが、なかなか工夫の利いた場面の設定があって、そこに主人公の感情の乱れを被せてくる。そういう意味ではどの作品もほぼ同じ構造になってはいるのだが、それほど飽きは来ないのである。
短編小説というものは、短いが上にともすれば事実を単純化してしまう傾向にある。本当は世の中はもっと複雑で、小説に描かれた世界は切り取られた一断面に過ぎない。それを読んで単純な感想を抱くことはやや危険なことなのである。ただ、奥田英朗の場合は、その危険な単純化を非常に巧みにやっている。見事に巧妙な単純化をいとも簡単にやってのける作家なのである。それが奥田の奥田らしさではないだろうか。
ここには5編のオフィス小説が収められている。主人公はいずれも四十男のサラリーマン。
20代の部下におか惚れしてしまったり、高校生の息子が大学に行かずにダンサーになると言い出したり、営業畑から突然総務に異動して社内風土の違いに憤りを感じたり、同い年で中途入社で西洋合理主義者の女性上司と対立したり、独り暮らしの老いた父親のことが気になりながらもどうも直接話して気遣う気になれなかったり…。何かとこの年代は大変なのである。同じ年代の男として、確かに身につまされる思いがしないでもない。サラリーマンでもないのによくもここまでサラリーマンの心情を掴んで、それを印象的なシーンに凝縮したものだと感心させられる。
そして、この5人の男とそれぞれの妻たちを並べた時、気がつくのは男よりも女のほうが遥かにしっかりしていて賢くて強いということだ。──これを読んでどう思うか? 「男どもよ、もっとしっかりせい!」でも良いし、「いや、これでバランスが取れているのだから、これで良いんだ」でも良いだろう。
ちなみに僕は後者である。
by yama-a 賢い言葉のWeb
紙の本
今回は、日常のサラリーマンの性(サガ)が浮き彫りに
2007/12/04 06:29
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分自身に置き換えられそうな主人公が登場する。「マドンナ」における晴彦しかり、ダンスの芳雄しかりである。奥田さんは、人間の性(サガ)というものを良く理解し、表現していると関心する。
総務は女房、ボス、なども痛快なタッチである。ちなみに自分自身にはできないが、ボスに出てくる浜名陽子の仕事振りは見習いたいものである。私自信女性の下で働くことに抵抗はない。男であろうと女であろうと仕事が出来るヤツは凄いことに変りないからだ。これだけ自分のスタイルを前面に打ち出して対処できるのは尊敬に値する。
パティオを読み、40歳を過ぎると、色々なものが自分に乗っかってくるということを改めて感じた。
奥田さんは次は如何なる人間像を浮き彫りにするのか、興味深々である。
紙の本
働くおじさんたちが登場する短編集
2006/08/04 20:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のら - この投稿者のレビュー一覧を見る
働くおじさんたちが登場する短編集。こういう人いるなぁ、と身近の誰かにあてはまりそう。なんとなく共感できる部分もあり(私、おじさんじゃないけど)、面白く読みやすいです。
紙の本
男性が主人公
2023/05/12 19:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
奥田英朗さんの「ガール」が面白かったので、こちらの本に手を出してみました。
「ガール」はタイトル通り女性が主人公だけれども、
こちらは男性が主人公。
表題作「マドンナ」は、40代の課長が20代の女性部下に惚れる話。
とはいえ、家庭のある彼は彼女に手を出すわけでもなく、
妄想するだけなのだが・・・・・・
面白い。
男性ってこんなんなんだ。
今は歳をとってしまったけれど、
昔の私だったら彼に惚れられただろうか。
電子書籍
暖かい気持ちになれる本
2018/12/29 11:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者は守備範囲が広く、人情もの悪漢ものなど手広く書いている。
この作品は人情ものユーモアものに属する。
気軽に読めるが結構濃い内容があって読みごたえがある。
紙の本
悲哀と癒し
2017/10/20 09:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
40代サラリーマンの、気だるい日常がリアルに伝わってきました。優しく見守っている、妻の存在も良かったです。
電子書籍
中堅サラリーマン男性の悲哀
2015/08/24 14:53
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投稿者:ぐぐぅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
40代前後の中堅サラリーマンが主人公の短編集。女性が絡む話もあればそうでないものもあるけど、どれも中年男性の実にありそうでアホな部分がよく書けていてクスッと笑えるお話しであり、かつ、心温まるところもある。奥田英朗は凡人の心境とか日常の風景を描くのがうまいなぁと思う。