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おもしろくはあるんだけれどもあっと驚くような新しい知識を得たと言えるほどではなかったかなぁと。
男性優位な時代であったことは間違いないんだけども、あとがきの裕福な女性が「来世は最下層の職業でいいから男に生まれたい」と言ったという話から
「男にはまあまあよかった明治は、女性にはそれほど辛い時代だった」
と言い切ってしまう類いの強引さが文中そこかしこに見えるのでそこが難でしょうか。
多分食うにも困る最下層の男性は裕福な女性の方がうらやましかったと思うんですけど…どうもこの手のフェミニズム的視点に偏ってる気がしてなりません。
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明治の初め、離婚率は今より1.5倍高かったが、明治31年の明治民法が発令され突然下がった。それまでのように簡単に妻を追い出すわけにいかなくなったからである。
夫支配妻服従、親孝行と服従、祖父母や先祖を敬い国家をひとつの家と考える思想は、終戦まで続く。でもとりわけ若い嫁はいくら能力があっても無視されていた。
この本は特別面白い。色んな階層の夫婦の具体例があげられているし、統計や結婚離婚の習慣の推移も具体的に紹介されている。
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我々が「結婚」と言われて思い浮かぶような、近代的な結婚の在り方が形成された明治期の結婚・離婚事情の変遷について、いくらかの事例を引きつつ考察した一冊。
あらゆる社会階層を網羅し、また、社会学的な切り口と法制史学的な切り口と、大凡家関連の事情を論じる上で必要な学問領域を網羅。法社会学者として家族問題をつぶさに研究してきた著者が明治結婚事情を明快に提示するこの本は、現在の結婚、家族の在り方を知るためにもよい一冊。家族研究の見取り図にも好適。
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日本で結婚が「男女が永遠の愛を誓うもの」となったのは
近代以後、上流から、欧米キリスト教圏の慣習が
入ってきてから以降。
そもそも近代以前の結婚は「相応の年頃になったら当然するもの」であり、勿論恋愛要素は幾らでもあっただろうが、それ以前に「共同体の成員となりこれを維持していく」ことが第一義の目的だった。これは日本に限らず近代以前の社会では一般的だったのではないか。そういった考察を与えてくれる本出会った。