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テスト
村上春樹翻訳ライブラリーから。訳者自身の書き下ろし短編を含む13の短編小説。全てがハッピーエンドだというわけではないけど誕生日というのは物語的な一日なんだなと気付いた。20歳の誕生日のことを自分はよく覚えていません。
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毎年誕生日周辺に読み返してる。
「バースデイ・ガール」がやはり面白い。
今は中学校の国語の教科書に載ってるんだね。時代か。
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村上春樹の編訳で、現代アメリカの作家の作品からバースデイにまつわるものを計12編収録したもの(最後に1篇、村上春樹自身の作品)。バースデイが共通項に選ばれているだけに、それぞれの作家の作風の違いが際立つようだ。また、バースデイとはいっても必ずしもhappyであるともいえず、どちらかといえばbittersweetといったものが多い。私の好みでは一層bitterなダニエル・ライオンズあたり。短い作品の中に文化、世代、来歴など様々な要素が盛り込まれている。巻末の村上の作はとても面白いのだが、やや作りこみ過ぎか。
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心に残った作品は
「皮膚のない皇帝」
「慈悲の天使、怒りの天使」
「バースディ・ケーキ」
そして
「風呂」
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題から聯想した幸せさはありません。読み終わった後、誕生日で安易に温かさ、明るさをイメージした浅はかさに気付きました。幸せでない誕生日なんて溢れています。ムーア人とティモシーの誕生日が好きでした。あまり表題に囚われずそれぞれの作家さんの文体を楽しもうと思って読んだ方が良いのかな、と思います。村上さんのお話は圧倒的に読みやすいので途中でつまらなくなった人は最後と後書きにワープするのもありです。
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村上春樹が、誕生日に関する短編を集めたアンソロジー。
誕生日の話なのに、間違えて銃で打った友達が死んだり、老夫婦のところに息子が訪ねてこなかったり、くらーい話がたくさんでした。
その中で、最後に村上春樹が書き下ろしていた短編がとても良かった。
どこかで読んだことある気がするんだけど、どこに収録されてるんだろう?
「自分は他の誰かにはなれない」というテーマが、最近やたら私の周りに出てきます。きっといま消化すべきテーマなんだと思う。
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2016/04/23 波打ち際の近くで
ライド
バースデイ・ガール
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なぜか苦手な翻訳本を攻略…といっては変なんだけど、もっと楽しんで読みたい、という気持ちで、とりあえず村上氏翻訳本から攻める。でもやっぱり読みやすいのは最後の村上氏の作品なのよね。うん、また別作品に挑戦してみます。ぼちぼち。
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私の初・村上春樹作品(だった気がする)です。誕生日にまつわる短篇集。 翻訳モノは、入り込めなくて苦手ですがこれは比較的読みやすかったなぁと思います。といっても短篇の中では、やっぱり村上春樹のものが一番良かった。
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正直最初の数編とラストの村上春樹以外はちゃんと読んでいない。
なんか小難しい感じでどうもとっつきにくく諦めてしまった。
「バースデー・ガール」目的だったのでいいのですが。
「バースデー・ガール」国語の教科書に村上春樹?と思ったけどなるほど、ただ読解力を問うというよりも創造力を働かせて想像する力が試されそう。
彼女の二十歳の誕生日の願いとはなんだったんでしょう。
叶ったかどうかが先の長い人生が終わるまではっきりしそうにないと云い、後悔してるかの問いには「どこまで行っても自分以外にはなれない」と曖昧に返してる。
たぶん、不幸じゃない人生とか平穏無事な生活みたいなことをいったのかなぁ?
とりあえずチキンであることみたいな感覚で。
望むなら、実りのある豊かな人生を、なにものも暗い影を落とすことのない人生を。
そして彼女はきっと後悔してて、何も願いごとを思いつかない彼はきっともう願ってしまった。
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2020.9
誕生日がテーマの短編を村上春樹氏が集めたもの。それぞれ個性があって読み応えがある。イーサン・ケイニン『慈愛の天使・怒りの天使』とレイモンド・カーヴァー『風呂』がよかった。ダニエル・ライオンズ『バースデイ ・ケーキ』とリンダ・セクソン『皮膚のない皇帝』もよかった。こういうのをきっかけに作家を知って読んだりしていくのがおもしろかったり。海外文学は背景や匂い、大きくいうと文化がもうそれは違うんだから読んだほうがいいなと思った。そしてやっぱり物語を読んだ方がいいなと思った。感性とか感覚は物語で呼び起こされ磨かれるから。
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不思議な話、せつない話、心がほんのり暖かくなる話―村上春樹が選んだ、誕生日をめぐる十三の物語。訳者による書き下ろし短篇「バースデイ・ガール」、ライブラリー版のために訳された二篇を収録。あなたのお気に入りのバースデイをみつけて下さい。
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アンソロジー作品で「村上春樹」がセレクトして翻訳も手掛けた小説集『バースデイ・ストーリーズ』を読みました。
『遠い太鼓』、『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』、『レキシントンの幽霊』に続き「村上春樹」関連の作品です。
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「誕生日」をモチーフにした英米文学の短編小説を、「村上春樹」が選出し、翻訳、編集したアンソロジー。
「レイモンド・カーヴァー」や「ポール・セロー」といった、「村上」ファンには馴染みの深い作家から、「イーサン・ケイニン」や「デイヴィッド・フォスター・ウォレス」などの新進気鋭の作家作品まで、「この十年くらいのあいだに発表された、活きのいい」(「訳者あとがき」より)佳品12編が並んでいる。
さらに、「村上」自身による書き下ろし短編『バースデイ・ガール』も収録。
「村上」作品や現代英米文学の入門書としても最適な1冊となっている。
かつて役者を志し、現在は暖房設備の部品を販売している「私」は、雪の降るある夜、いきつけのレストランで、家族とともに食事を楽しむ1人の老婦人を目にする。
店主によると、今日は彼女の80歳の誕生日だという。
レストランを出ようと彼女の側を通り過ぎたとき、ふいに彼女は私の袖口をつかみ、私の名前を口にする…。(「ラッセル・バンクス」 『ムーア人』)
誕生日に友人を撃ち殺してしまう青年(「デニス・ジョンソン」「ダンダン』)、夫へのプレゼントに、高級娼婦を手配する妻(「アンドレア・リー」 『バースデイ・プレゼント』)、20歳の誕生日に不思議な老人と出会う女の子(「村上春樹」 『バースデイ・ガール』)。
さまざまな人々の、さまざまな誕生日の1日を切り取った13編の物語は、読み手自身の、かけがえのない誕生日の思い出をよみがえらせてくれる。
もちろん、短編小説のおもしろさと奥深さをも、存分に味わうことのできる本書は、読者に向けて編まれた、「村上春樹」からのとっておきのプレゼントである。
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本作品には誕生日がテーマとなった以下の13篇の作品が収録されています。
■ムーア人(原題:The Moor)/ラッセル・バンクス
■ダンダン(原題:Dundun)/デニス・ジョンソン
■ティモシーの誕生日(原題:Timothy's Birthday)/ウィリアム・トレヴァー
■バースデイ・ケーキ(原題:The Birthday cake)/ダニエル・ライオンズ
■皮膚のない皇帝(原題:Turning)/リンダ・セクソン
■ダイス・ゲーム(原題:A Game of Dice)/ポール・セロー
■永遠に頭上に(原題:Forever Overhead)/デイヴィッド・フォスター・ウォレス
■慈悲の天使、怒りの天使(原題:Angel of Marcy,Angel of Wrath)/イーサン・ケイニン
■バースデイ・プレゼント(原題:The Birthday Present)/アンドレア・リー
■風呂(原題:The Bath)/レイモンド・カーヴァー
■波打ち際の近くで(原題:Cloth to the Water's Edge)/クレア・キーガン
■ライド(原題:Ride)/ルイス・ロビンソン
■バースディ・ガール(原題:Birthday Girl)/村上春樹
■訳者あとがき
『ムーア人』は、80歳の誕生日を迎えた老婦人「ゲイル」と、彼女とは30歳年下の中年の男性「ウォーレン」が30年振りに偶然レストランで再会する物語、、、
30年前の情事を回想しつつ、当時の気持ちを確認し合いながら、当時のことを確認し合いながら、二人で過ごす短いけど充実した時間… 心温まり、切なさが残る作品でした。
『ダンダン』は、「ダンダン」から阿片をもらおうと、農場まで出かけた私だったが… 阿片は手に入らなかったうえに、「ダンダン」が銃で撃ってしまい死にかけている「マッキネス」を医者まで送り届けるドライブに出る羽目に陥る物語、、、
医者まで送り届ける途中で「マッキネス」は息を引き取り、車から放り出される… このようにしか誕生日を送ることのできない暴力的な男の人生の一幕を描いた作品でした。
『ティモシーの誕生日』は、息子の誕生日を祝う準備をしていた60代の両親のところに、息子の「ティモシー」は帰る気はなく、同居している「エディー」を遣わせる物語、、、
「エディー」は「ティモシー」の両親に会い、彼が病気でこれないと伝えるが、父親は最初から信じていないようだった… 失ったものに耐えるしかない両親の哀しみが伝わってくる作品でした。
明示されてはいないですが、「ティモシー」が過去に同居していて、今は亡くなった「ミスタ・キナリー」(彼の住むフラットは「ミスタ・キナリー」の死後相続された物件)と「ティモシー」、「エディー」と「ティモシー」は同性愛の関係だったんでしょうね、、、
子どもとの別れって、親としては、いつかやってくる避けられない運命なんだと思いますが、このような生き方を選んだ息子だけに、喪失感が大きいのかもしれません。
『バースデイ・ケーキ』は、夫の死後も夫の好物だったケーキを毎週土曜日に欠かすことなく買い続けていた老婆「ルチア」が、いつものように「ロレンツォ」のベーカリーに行くと、最後の1個のケーキを娘の誕生日のために譲って欲しいと言われる物語、、、
娘の誕生日に何としてでもケーキを準備してやりたい「マリア」と「ロレンツォ」の主人は、「ルチア」にケーキを譲るように言うが、「ルチア」はケーキを譲らない… 依怙地な「ルチア」を責めることは簡単だけど、私は「ルチア」に感情移入してしまいましたね。
一見、「ルチア」が非情な人に見え、「マリア」が被害者に見えますが… 果たしてそうなんだろうか、、、
ある一方向から見た正しさって、角度を変えて見ると誤っていることもあるんじゃないかな… 周りからは理解されないかもしれないけど「ルチア」にとっては大きな意味のあること、でも、誰もそれには気付かないんですよね。
短いけど、印象的な作品でした。
『皮膚のない皇帝』は、誕生日を迎えた少年「ロバート」を訪ねた3人の老婦人が、不思議な「皮膚のない皇帝」の話をして、「ロバート」に、その不思議な話の謎解きをさせる物語、、、
「ロバート」は、「お姫様と結婚する前に、自分自身の中身を見ることができるように」という答えを見事に導き出す… うーん、���う解釈して良いのかわかりませんでした。
『ダイス・ゲーム』は、妻の誕生日に愛人をプレゼントする物語、、、
ホノルルの二流ホテルで公認会計士の「エディー」がバーで若いサーファーとサイコロを転がして争っていた… 今日は、妻「シェリル」の誕生日で彼女はひとりで部屋で待っているのに、なぜ「エディー」がひとりでバーにいるのか。
その後、サーファーは「一夜の愛人」として「シェリル」の部屋に… この価値観は、これからも理解できないだろうなぁ。
『永遠に頭上に』は、13歳の誕生日に家族とともにプールを訪れた少年が、プールの飛び込み台に昇り、プールに飛び込むまでを緻密な描写で描いた物語、、、
少年が大人になることを比喩的に描いたのかなぁ… とは思いますが、主人公が見たこと、感じたことの全てがテキスト化されており、読者が頭の中で映像として再現するには役立つものの、これだけ詳細な文章で表現されると、読む時間と流れる時間のギャップが大きくなってしまって、リズム良く読むことができませんでしたね。
頭に残る映像としての印象は強いけど… 心地良いリズムで読むのはツライですね。
『慈悲の天使、怒りの天使』は、ニューヨークで一人暮らしをしている老婆の71歳の誕生日の日の朝、部屋に飛び込んできた鳥の群に関する騒動と、鳥を追い出すために呼んだ動物愛護協会の女性との触れ合いを描いた物語、、、
夫の死後、単調だった日々が鳥の闖入により乱されるが… 動物愛護協会の女性との触れ合いにより、ちょっと癒される感じが良いですね。
老婆のちょっとした嘘… 息子に対しても、動物愛護協会の女性に対しても、ちょっとした嘘をつくのですが、その気持ちもわかる気がします。
『バースデイ・プレゼント』は、『ダイス・ゲーム』と逆で、妻が夫に高級娼婦を手配する物語、、、
「エイリエル」は友人の「フラヴィオ」の発案で、夫「ロベルト」の誕生日に高級娼婦二人を「一夜の愛人」としてプレゼントする… 愉しんできた夫と、仲良く会話しながら同じベッドで休むという感覚は、やっぱり理解できないなぁ。
『風呂』は、8歳の誕生日を迎えた少年「スコッティー」のために両親はケーキをパン屋に注文するが、少年は車に通学中にクルマに轢かれてしまい昏睡状態に陥ってしまう物語、、、
昏睡状態で入院する少年を看病する両親… 着替え等のために自宅に戻った父親はパン屋からケーキを取りに来て欲しいとの督促の電話を受ける。
荒涼感の漂う喪失の物語… なのかな、、、
本作品はロングバージョンの『ささやかだけれど、役にたつこと(原題:A Small,Good Things)』として、著者により改編されているらしいので、そっちと読み比べるのも良いかも。
『波打ち際の近くで』は、19歳の誕生日を迎えた青年「スコッティー」が、母親「マーシー」と母親の再婚相手(義父)の資産家「リチャード」から洒落たシーフードレストランで祝ってもらい、その後、人気のないビーチで過ごすひと時を描いた物語、、、
ハーヴァード大学で優秀な成績を収めている青年のことを「ハーヴァード」と呼ぶ義父… そんな、複雑な人間関係等を含め、19歳の青年の目に映る世界、傷つきやすい心が淡々と描かれた作品でした。
『ライド』は、両親が離婚し、母親と暮している少年「オールデン」が、トラック運転手の父親と一緒に16歳の誕生日を過ごす物語、、、
父親は美術品の横流しをしてひと儲けすることを考えており、「オールデン」は犯罪に巻き込まれる… 強盗に襲われ美術品を奪われたことにする計画だったが、降雪の影響で仲間と落ち合うことができず、自ら美術品をカナダに持ち込むことになる。
横流しは失敗し、結果的に事件は未遂に終わるが、、、
自信過剰で楽観的な父親の行き当たりばったりな行動により、カナダへの入国時やアメリカへの帰国時に犯罪が露見しそうになり、「オールデン」の機転の効いたやりとりにより事なきを得たり、他の旅人とのちょっとした交流があったり… と「オールデン」にとっては刺激溢れる、冒険心に満ちた旅になったんじゃないかと思います。
『バースディ・ガール』は、20歳の誕生日をイタリアンレストランでバイトをしながら過ごすことになった女子大生が、フロア・マネージャーしか会ったことのない謎のオーナーに会い不思議な経験をする物語、、、
他のバイトの子に代わってもらう予定だったが、その子が熱を出して寝込んでしまい、誕生日なのに働くことに… さらにフロア・マネジャーが急病で倒れ、フロア・マネジャーの代わりにオーナーへ食事を届けることになる。
初めて会うオーナーが小柄な老人… 彼女が20歳の誕生日だということを知ると、ひとつだけ願い事を叶えてあげると言う、、、
結局、彼女が何を望んだのかは明かされないし、望みが叶ったかどうかもまだわからないとのことでしたが… 後味の良い、少しほっとするような作品でした。
これまでの作品が、アンハッピーな内容が多かったからかな、、、
『バースデイ・ストーリーズ』タイトルから受けるイメージは明かる物語なんだけど… 実はハッピーバースデーとなる物語は少なかったですからね。
それはそれで「村上春樹」らしい感じかな… ちょっと、寂寥感が残る読後でした。
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バースデーは、何というか、言葉にし難い。子どもの時のようなプレゼントを待つ日でもなく、20、30代のように共に過ごして欲しい人を探す年齢でもない。この日は、あえて言えば、勝手に感慨深かったり、人生にポーズをとってみたりする日だ。
今年、今日は誕生日かと、昼間なんとなしに歩いていたら、紫陽花を見つけた。一つではない、次から次に。紫陽花は私の視界に入ってくる。
昔は誕生日は自分が主人公の日であった。一日は、あっという間の過ぎて行き、自分が生まれた日と、梅雨の入り口に一際瑞々しさを放つこの花は、かつては私の「特別な日」と連動する事なく、ただ電車の中から流し見する景色の一部だった。それがなぜだか40代も後半の今年は、目に止まった。いやというぐらい、次から次へと目に映る。
誕生日は言葉にし難い。でも今日の紫陽花は言葉の身代わりを引き受けてくれた。この本は、そんな紫陽花みたいな本だ。特別だけど、言葉にし難いこの日を引き取って来れる一冊。
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短編集。『ティモシーの誕生日』が良かった。
父親に同性愛者であることを受容してもらえなかった息子が、実家での33歳の誕生祝いを仮病ですっぽかす話。
仮病を両親に伝えに行く役目を負わされた18歳の囲われ青年が、家族の嘘を無邪気にざっくりと切り刻んで逃走するところがさわやかですらあった。