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紙の本
ヒキガエルも、学者も好きになれるかも
2006/02/05 14:46
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
金沢大学のキャンパスがお城の中にあった頃、1972年からの9年間、1526匹のヒキガエルを追跡調査した記録。ヒキガエルの生態について面白く読める本であるが、ある意味「一人の生態学者の生態」の本でもある面白さもある。文章の軽妙さにも助けられ、ヒキガエルも好きになるが、学者にも好感を持てるようになる(かもしれない?)本である。
ヒキガエルを何故研究対象に選んだのか、調査方法は、どのようなことがそこから考えられるか、といった学問的な記録内容も載っている。この中の幾つかは論文になっているに違いない。その中でわかってきたヒキガエルの生態から、著者は競争のない生物社会もあるのでは、と考える。もっとも、そんな中でも「繁殖期、抱き絞め殺されそうになる」危険はあったりするのだが。
「激しい研究競争下にある研究者は、どうしても生き物のなかに競争を見ようとする。」という著者は、さらに「おおらかな気持ちでおおらかな生き物を調べるところから、おおらかな生態学が生まれてくる、と思うのだが、どうだろうか。」と書く。この言葉は現代の学問、そして社会全般に通じるだろう。そう思うのは、「そう有ってほしい」からだろうか。
大学紛争と言われるものが地方大学でも通り過ぎた直後、そして生物学に「利己的遺伝子」の考え方が入って来始めたころ、教官として生物学教室に赴任した著者がどのように研究を進めたのか、その頃の大学の状況、学生、教官の様子もよく書かれている。そういった文章の中に、著者の学問や社会への考え方がよくのぞいている。
本書は1995年に単行本として出版されていたのが文庫化されたものである。10年の時を経て、金沢城のヒキガエルたちは絶滅したままなのだろうか。学問の状況はどうかわったのだろうか。
ヒキガエルの生態を楽しみながら、おおらかな生き物、おおらかな学問を考えさせる本であった。
紙の本
文系人間もニヤリ、クスリとしながら読み進められる一冊
2021/07/31 19:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
カエルなんかにゃ興味はねえ、
と仰るアナタ、間違ってますよ。
この本は、アナタが思っているような
四角四面な読み物じゃありません。
ひとたび繙けば、行間から立ちのぼる
諧謔に、酔い痴れる羽目になること
請け合いですから。いや、ホントに。
紙の本
感動します
2015/11/22 01:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:minomonta - この投稿者のレビュー一覧を見る
序章を読んでみるとなんだか感動の予感がする。この本は単にヒキガエルの行動を紹介する本ではなかった。初めは思い入れがなかった研究がマーキング調査を行うことによって再会したときには愛着が沸いてくる。当然別れもあるわけだが最後は永遠の別れとなってしまう。
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