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うっとりする/なんてしない それどころじゃない こころのなかって、欲望って、とおもってごくりと息をのむような この件については、わたしの脳かいわいではちょっと別件になっても存在しているけれど その存在自体をはじらうでも、卑しむでもないが 小鳥たちのスカートのひらめきにはっとさせられたりすることもありつつ そのせつなの美しさということではなく、それのなんだかぼんやりとした性の思いとか するどさも鈍さも、するどく鈍く、なにもかもドラマにみちていて、ひとからうまれるというのはそういうことだとそういうことだと そうっと本だなのすみにいれおく存在感
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女のためのエロ本。さる富豪に依頼されてその人の為に書いた、という作品の誕生の所以からしてロマンティック。
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三浦しをんさんの解説に爆笑そしてしごく肯く。まさに「フランス映画の原作本ですって顔をして、電車内でも読みやすい!すぐれもののエロ本である」笑
でも文学的にも高い作品ばかりで、切なくて胸にぐっとくる話やクスッと笑ってしまうような話しなど、バリエーションもさまざま。
私は二人姉妹とマハ、サフランが好き
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滲み出るエロス。
短編であるところがまた味をだす。
著者の生き方がまるまる表出しているように思う。
しかしそれは「エロス」だけのことではない。その「哀しみ」が同様に溢れ出ている部分を読み手としては察知するべきだろう。その両方を感じることができてはじめて彼女の描く「エロス」の物語に到達できるのだから。
残念なのは解説。
ニンの作品に対する思いと繊細さに比べ、日本女性作家の解説が妙に軽くて情けなくなった。堪能するのは訳者の解説のみまででよい。
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官能小説は読んだことがないけれど、これまで様々なエンターテイメントを読んできた。とくに冒険推理や伝奇小説などのSEX描写というのはそれなりに際どいものだとずっと思っていた。しかし。
新潮文庫の小洒落た表紙の1冊の中に、麻薬のように人間を扇情的な気分にさせてしまう淫靡な文章がつづられていようとは思わなかった。その上これは女性作家による作品であり、そこに見てはいけない秘密を垣間見てしまったかのような愉悦を覚えた。
個人的な好みは一話目の表題作「小鳥たち」。これはさしずめ、ブラックな下ネタのギャグマンガだ。脳内妄想を活性化させて映像を結実させれば、吹き出してしまいかねない状景。しかしこんなシチュエーションの物語の数々に、なぜか爽やかさを感じてしまうところが不思議だ。
読んでいると匂ってきそうなくらいに淫靡な描写の数々が、一瞬、異性の眼前で自慰に耽っていたかのような錯覚に陥るほど神秘な1冊は、宿題の読書感想文を読んだ担当教諭が赤面しかねない一文にしてみたいところだ。
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女性美(特に少女の美しさ)が「これでもか!」というほどに詰め込まれている作品。
女性によるエロティシズムということで、文章も美しい。
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アナイス・ニンの耽美な世界が美しい。「マハ」が倒錯している感があって、気に入った作品。
矢川澄子さんの訳がまた良いのです。
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物語というよりも細部があけすけな感じがして、どうにもこうにも妖しいエロさを全く感じられなかったのである。言うなれば、露出狂変態女が目の前にやってきて、服を脱ぎだす過程を省きいきなり裸で恥じらいもせず足をおっぴろげて一人でアヘアヘ言ってるのを、こちらは縛られてただ見せつけられているような感覚。しかしながらそれでいて下品ではないのだよ。帯にあるようにガラス細工のような繊細さや脆さは感じる。それがなんとも不思議な一冊でした。どうでもいいのだけど、好事家の老人がこれを読んで何をしたかったのか知りたい。
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かのヘンリー・ミラーの愛人としても有名な女性作家が収集家のために1頁1ドルで書き上げた性愛小説。
もはや官能小説という言葉が生易しく聞こえるほどのエロさw
というか最近のエロ小説と比べても内容ほとんど一緒だと思うw
現代に通じる13篇を是非。
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今より性が開かれていた時代だったのかしらと思った。
上品な事は一切していないけど、下品な雰囲気もない。
不思議。
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先日発掘された未読本を消化。買った経緯は三浦しをんさんの紹介だと思われる。「フランス映画の原作本です」って顔をしてレジの書店員に堂々と出せるエロ本として解説されていた。けっこう実用的だとか(笑)。詩人の著者が大金持ちのご老人に依頼されて生活のために書いた官能小説集らしいが、何というか、どれもアブノーマルであまりエロチシズムは感じられなかった。宮木あや子の『花宵道中』の方が実用的だと思う。
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アナイス・ニンは初読。本書はエロティックな13の短篇を集めたもの。本書は老人コレクターの楽しみのために匿名で書かれたものであるらしい。だとする、男性の読者を想定していたことになるが、視点はやはりあくまでも女性作家のものだ。おそらくはエロティシズムの位相が違うのだろう。読者の想像力にエロティシズムを喚起するという点では、バタイユやレアージュには遠く及ばない。もっとも、女性の読者からすれば、そうした点での評価あるいは変わるのだろうか。また、物語のいずれもが幾分表層的であり、背後に観念の深みのないのが残念だ。
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【本の内容】
妻の反対を押し切って引っ越した屋根裏部屋から近くの学校の女学生の姿を楽しんでいた画家は、やが小鳥を飼い始めた。
それを口実に少女たちを部屋に誘うが、自分のものを見せたい衝動を抑えられない―表題作ほか全13編収録。
ヘンリー・ミラーとの奔放な愛に生きた美貌の女性作家ニンが、一人の老人コレクターの楽しみのために匿名で書いた、繊細で脆く、強烈で妖しいエロチカ。
[ 目次 ]
[ POP ]
女流作家が生活のために書いたエロティカ。読んで驚いたのは、恋愛の過程や、SMなどの趣向が排除され、肉体、とくに性器の直接的な描写に重きがおかれていることだ。
直接的な描写はエロスを通り越して無機的になりそうなものなのに、原作の筆力に加えて翻訳が素晴らしいのだろう、ただ性器を描写しただけの文がとても官能的だ。
日本の官能小説にありがちなねっとりした性ではなく、あかるく牧歌的なのになまめかしい、という不思議なエロスをかもし出している。
心理描写もさらりと書かれることで、熱情だけが強調されている。
愛や恋の縛りがなく、ただ無邪気に交わって身をゆだねる様子が、どこか可愛らしいような、それでいて色っぽいような奇妙な感じ。
何も考えずに文章に酔う、という体験ができる一冊だと思う。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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13編からなるアナイス・ニンの官能短編集。まるで「千夜一夜物語」のようなエロ満載でした。ただエロッテイックな表現を期待していたので、直接的な表現だったため、ちょっと肩透かしを食らった気分。気に入った作品は「サフラン」で、導入部が少女向けライトノベルを彷彿させられた。
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エロスに哀しみが付き纏っていました。滑稽さもあるけれどそれより哀しみや寂しさが強いです。表題作はどうかしていたけれどその他は好きな空気です。
「お金のために」書いたと明記されてましたが、女性の観点や置かれた立場がはっきりわかるこのお話たちに遣る瀬無い気持ちになります。娼婦や絵画モデルでなくてもなんだか。。
「話の途中過ぎる…」と思った「シロッコ」や、「マハ」「モデル」が良かったです。女性も振り回されてるけど男性も振り回されるんだな、性愛に。性(さが)です。
矢川澄子さんの訳書を読むのは2度目だと思うけど好み。矢川さん自身の作品も読もう。