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複素解析幾何と【ディーバー】方程式 みんなのレビュー
- 大沢 健夫 (著), 土屋 昭博 (共編), 砂田 利一 (共編)
- 税込価格:3,520円(32pt)
- 出版社:培風館
- 発行年月:2006.2
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紙の本
もっと広く知られてほしい本
2019/07/20 05:15
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:類太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋には数理物理のコーナーに置かれている場合がある. 幾何学の本棚で見たことはない.
本書の題名について. ディーバーはDと書き, 複素数zの複素共役はz*と書くことにする.
「複素解析幾何」は「複素幾何」のことである. おそらく17世紀にデカルトが座標を用いた初等幾何学である「解析幾何」を発明したことに対比させて, 多変数複素解析を用いた幾何学を「複素解析幾何」と呼んでいるのだろう.
だが中身を見れば分かるように, 実解析・関数解析・複素解析を用いた解析学寄りの複素幾何であることがわかる. なので「複素幾何」というほうが正確であろう. (もちろん, 幾何学の理論上, 代数学とも深く関連しているので「複素代数幾何」と言えなくもないが… )
また複素平面の部分領域Ω上のC^1級関数f=u+ivについて, Df=∂f/∂z*=0 in Ω ⇔ [ ∂u/∂x=∂v/∂y and ∂u/∂y=−(∂v/∂x) in Ω ] であり, Ω上の正則関数はΩ上のコーシー-リーマン方程式の弱解(超関数の意味での解)として特徴付けられる. また多変数複素解析においては, gを既知関数(既知微分形式), fを未知関数(未知微分形式)として
Df=g
という形の方程式を解く問題を考えることがある(ヘルマンダリズム). この方程式が「ディーバー方程式」である.
さて, 本書は, 幾何学・代数学・解析学の深く強い結びつきが身にしみてわかる一冊である. 多様体の理論, 群・環・加群の理論, ルベーグ積分・線型作用素・超関数・関数空間の理論が, これでもかというほど融合しているのが所々を読んでもわかる. その融合の様は実に感動的である. 本書を納得がいくまで理解するのが, 私の今の目標のひとつである. もし今よりさらに理解できて何か思いついたら, 書き足そうと思う.
ぜひみなさんも本書を目標に解析学にも親しんでいただきたい.
詳しくはAmazonのレビューを参照されたい.
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