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紙の本
「お金」とは?「企業」とは?
2009/06/20 21:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の目的が少しずつ見えてくる下巻。
「お金」とは?「企業」とは?
それが本書のキーワードです。
資本主義の基本は、私有財産です。財産の中で最も流動性があるものが、お金です。
そのお金をめぐってしのぎを削るのがハゲタカ。
仕事の成果としてのお金の量は、その仕事に対する評価であると言えます。しかし、お金が現実にあると財産となります。
お金は評価としての性格と財産としての性格を持っているのです。
企業は人の集合体でありますが、便宜上お金で換算することはできます。換算した結果は、その「ヒト」の部分を限りなく無視したものです。
会社が簡単に売り買いできる株式会社の制度を否定することはできません。しかし、日常的に接している中小企業を考えると会社はものではないというのが、よく分かります。
主人公が最後にみせる人間としての部分はある意味当たり前です。
資本主義の中で生きていく以上、最低限の生活の糧を自分でなんとかすることは大事ですが、その先お金があっても幸せとは比例しないのではないかと考えてしまいます。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
紙の本
法人も人格を持つのか?
2012/07/13 08:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人の人物が壮絶な自殺を遂げるところから物語は始まる。そして、主人公と3人のキーパーソンをめぐる話が並行して進んでいく。バイアウト、ターンアラウンド、倒産、不良債権処理、企業買収などが目まぐるしく展開し、読者に息つく間を与えず最後まで引っ張っていく大型の経済小説である。ミステリー的な要素も盛り込まれていて、心地よい緊迫感に包まれながら、読み進めることができる。
モデルとなった企業はWikipedia等を覗いて見ると分かるが、あくまでもフィクションであり、それゆえに作者の日本に対する思いがストレートに表現されている。ただ、全体に政治家や官僚の影が薄いことが気になった。行政関係の話は、主に上からのお達しという扱いで軽く、それに絡む政治家の暗躍や行政の関わりなども掘り下げてほしかった。そうすれば、最初の自殺者の遺書がもっと意味を持ったと思う。
作中で飛び交う金額は、庶民感覚では理解を超えるもので、最初は実感がわかないが、読み進むうちに、数々の慣れない経済用語も金額も身近なものに思えてくるから不思議だ。ジャズとアルコールというサイドメニューも雰囲気を高めるよいスパイスとなっている。真山仁ネームでの第1作、共著を入れても第2作目ということで、こなれていないプロットや場面もあるが、それを補って余りある素晴らしい作品に仕上がっている。