サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

「e-hon」キャンペーン 本の購入でe-honポイントが4%もらえる ~7/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

柳生武芸帳 上 みんなのレビュー

文庫

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー10件

みんなの評価3.7

評価内訳

  • 星 5 (3件)
  • 星 4 (1件)
  • 星 3 (2件)
  • 星 2 (1件)
  • 星 1 (0件)
8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本

読み出したら止まらないおもしろさ

2006/09/26 14:57

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

戦乱も治まり、太平を謳歌しはじめた江戸三代将軍徳川家光の時代、将軍家剣術指南役柳生家に伝わる、それが世に出れば幕府の権威は失墜、再び戦乱の世に戻るほどの秘密が隠されているといわれる武芸帳を巡って、但馬守宗矩、十兵衛三厳、兵庫介利厳ら、当の江戸・尾張の柳生一族、疋田陰流の使い手、山田浮月斎の一派、滅亡した竜造寺家の再興を夢見る遺臣の一味、さらには老中土井利勝、松平伊豆守ら幕府の重臣たちも加わっての一大争奪戦。果たして誰が柳生武芸帳を手に入れるのか?そこに書かれている秘密とは?
有名無名、実在架空の剣豪たちが多数登場、誰と誰が仲間で誰が敵で、この人はなぜ武芸帳を狙っているのか、今は誰が武芸帳を手にしているのか、気を抜くとわからなくなってしまいそうなくらい次々と差し挟まれていく挿話の数々、命を懸けた真剣勝負の緊迫感、「剣を出世の道具にした」と、よく敵役にされる柳生宗矩の、一流の剣の腕を持ち冷静沈着、胸の奥に恐るべき鬼謀を秘めた本作での人物像などなど、魅力を挙げていったらきりがないくらい。
いやぁ、おもしろかった。かなり長い話ですが、読み出したらページをめくる手が止まりません。傑作です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

組織力の美学。

2006/08/12 22:08

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:求羅 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書はボリュームがあるだけでなく、難解で複雑な内容である。
 物語の筋は、三巻の武芸帳を追う、という単純なものなのに、登場人物の多さ、場面転換の細かさ、挿話の長さなどで、物語はややこしくなってくる。
 特に登場人物が、変装し変名を使うことで本当の姿を隠しているから、誰が誰だか分からず混乱してしまうのだ。その上、三巻の武芸帳も人の手から手に渡って動くため、事実関係を把握するのに苦労する。
 未完のため、肝心の武芸帳に秘められた謎は明かされないまま終わっているのだが、本書の素晴らしさは決して失われていない。内容の面白さ、緊迫感ある決闘場面の描写、格調高い文体など、どれを取っても一級品だ。
 なんといっても、本書の最大の魅力が剣豪の殺陣シーンにあるということは、間違いないだろう。次々と登場する剣豪たち。それぞれ気質や得意技が異なり、誰が一番強いのか、考えるだけでワクワクしてしまう。
 数ある決闘の中で最も印象的なのは、柳生宗矩率いる柳生高弟たちと山田浮月斉一派が、観月橋の上で対決する場面だ。達人同士の生死をかけた戦いは、その場の空気がピンと張り詰めたような緊迫感があり、手に汗握る。
 本書では、決闘の様子を「斬り合う」ではなく、「切り結ぶ」という言葉を使っている。そこには、戦う間、人と人との“縁を結ぶ”という意味が込められているようで、相手に対する敬意が感じられる。些細なことかもしれないが、あたたかく良い言葉だと思った。
 この作品は、“チャンバラ小説”ゆえに、個人の神業的な剣・忍術の能力に目が奪われがちだ。しかし、本書の眼目は、“個”を超えた、“組織力”にあるのではないだろうか。
 “家”や“族”、日本という“国”を守るため、集団は一致団結して事に当たる。そして目的遂行のためなら、非情にも親は子を犠牲にし、自らの命すら投げ出す。
 作中、宮本武蔵が、ライバルの柳生兵庫、ひいては柳生一族に対して敗北感を覚える場面がある。剣士として皆に一目置かれながらも、一介の浪人に終わった武蔵。対して、全国各地に散らばり繁栄を誇る柳生一族。武蔵は、武芸の腕はともかく、組織力で柳生に負けたのだ。
 最初、武芸帳に利害関係のない武蔵を登場させる必要性があるのか、疑問だった。しかし、“組織”の姿を浮き彫りにさせるために、“個”の代表として武蔵を出した、と考えると納得できる。
 皆が一丸となり、目的達成のために努力する。家のため、会社のため、社会のために自分の身を投げ打つ—。功罪あるが、そのことが美学とされた時代は、確かにあった。この作品が昭和31年に書かれたという時代背景を考慮すると、高度経済成長期のエネルギー溢れる日本人の姿を、本書の登場人物たちに重ね合わせてしまう。
 この作品には、主人公と呼べる人物はいない。存在感でいえば柳生宗矩なのだが、彼すら、武芸帳を追う人間の一人に過ぎない。傑出した一人に皆が付き従うのではなく、暗黙の了解があるかのごとく皆が歩調を合わせて行動する。良くも悪くも日本人らしい姿が描かれた作品である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2010/01/29 22:53

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/12/03 22:08

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/01/11 02:17

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2019/02/01 15:56

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2019/01/07 21:54

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2023/11/29 21:21

投稿元:ブクログ

レビューを見る

8 件中 1 件~ 8 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。