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少年Aの「矯正」の経過がメインであるが、事件の詳細や生育歴も書かれてあり、理解しやすい。筆者が最後に少年Aには自らの口から真相を語ってほしいと書いているが、実際に「絶歌」という本人の手記が出版された。絶歌を読むにあたって合わせてこの本にも目を通しておくべきだろう。少年Aは寛解したとのこと。支援者の熱意を感じる。それとともに、解説で有田芳生が少年Aは生育半年から母親に体罰を加えられていたと語っている事実には驚いた。第二の少年Aが出てこないためにはどうしたら良いのだろうか。
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鑑別所を出て医療少年院に入院、精神診断や鑑定、処遇の長期計画・赤ん坊包み込み作戦、母に愛されなかった生い立ち、贖罪、退院後のサポート下の生活。
事後ケアにかけられた、関係者の努力、エネルギー。今後の社会のために、活かせますように。
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読み物としても、充分に読み応えのある一冊。楽観的というか、著者の希望的観測のようなものを感じなくはないが、理にかなっているというか、筋が通っていて分かりやすい(その分かりやすさがモヤモヤする原因であるが)。
矯正に携わった方々のことを、被害者やその遺族のことを思うと胸が締め付けられる思いがする。
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ふとすると普通に再生の物語として読めてしまい、その度に被害者の事を考えて我に返りながら読んだ。応援したくすらなった。ただこれが出版されて10年経って彼が手記を出版したりウェブサイトを立ち上げたりしているのを見ると、なんだか少し虚しくなるし、この10年彼に起きたことの凄まじさすら想像してしまう。それにしても、ジャーナリズムってのは今から仮にも更生しようとしている人の姿をこうまで赤裸々に世に送ってしまっていいものか?前述の彼の行動もこれら全ての報道(全てが悪とは言わない)に一因を感じてしまう。つまるところ、壮大な祭りとして扱われたって事なのかな。
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世間からの憎悪の的となった事件の加害者が、少年であったために、矯正を試みることになったプロフェッショナルたちの姿が生々しく描かれています。
著者も、かつて同じ職場で志を持って働いていたからこそ、そこで現実に立ち向かう姿を本音でとらえることができたのではないかと感じます。
一方で、それを苦々しく思う人々の存在も描かれています。いかに生きるか、いかに信じるか、そして、いかに罰するかについて、考えることができるでしょう。
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少年Aが仮出所するまでに、施設でおこなわれた矯正プログラムの全容が記録されています。(といっても少年法により少年の発言・証言は公表されていませんが…)
読み終わればわかるのですが、けっして少年Aは凶悪な人間ではないです。一番しっくりくるのは本当に孤独だったということです。
自分は愛されていない、自分は人と違っている、と感じたことで、どんどん自分の殻に閉じこもっていくうちに冷酷な人間になってしまった。彼にひとりでもいいから心を開くことができる人がいたら、あんなことにはならなかったのに、と残念でなりません。
それにしても、少年Aを更生させるために努力を重ねた方々の行動には頭が下がります。
「Aは愛されることを知らずに育ったんだ。だから私たちは彼に愛される喜び、人を愛する喜びを教えようとした」
なんで殺さんのや、とか、お前ら税金で殺人鬼を生かしてんのか、とか昼夜を問わず嫌がらせがあったそうです。でもそんなことにも負けずに、Aの中に眠る良心を目覚めさせるために(彼には良心がないのではなく、心の奥深くに閉じ込められていた)彼らは頑張りました。
少年Aの性格の変化が詳しく書かれていて興味深いです。彼はもう犯罪に手を染めたりしないだろうし、人殺しをするようには思えません。自分の犯した罪の深さを心から悔いているように見えます。
人を疑うことより、まず信じてみる。少年法により規定されている矯正プログラムという制度と理念は、日本人はもっと誇るべきだと感じました。
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ノンフィクション作家による、少年Aの記録。
わたしは日本の更生プログラムに関して何の知識もないのに、勝手にただ入って年月がたち出てくる、と思っていた。それというの、再犯率は高いわけだし塀の中なら税金で食っていけるでしょ、と思っていたから。
でも、塀の中で周りも本人もどんなに頑張って更生しようとしたとしても、塀の外に出てから最低限の環境を与えられないと、それを継続するのは難しいよね、とこの本を読んで思った。
『絶歌』からの流れで読んだこの本。間に『Aではない君と』を読んでしまったがために、フィクションとノンフィクションの差があいまいになってしまったことを悔やんでいる。
良くも悪くも普通過ぎて、特別になりたかったのだろうか。まさに中二病。
『絶歌』を呼んだときのAの一人称のイメージは「僕」だったのに対し、この本では手記に「俺」と書かれていたとある。そこだけでも成長がわかるような気がする。
「少年Aとは全く別人格の存在へと育った」わけではないと思う。
ある時期に承認欲求を満たされないと、小動物をいじめる可能性がある、とあるがそういうことができる人格でよかったね、と思う。それができない人間は自分を傷つけるあるいは発散する場がなくそのほうがつらいのではないか。もちろん、小動物側からすれば、んなことしるか!って感じだろうけど。
矯正中の種明かしをされるのはどんな気分なんだろうか。こういう風にするために、こうやって誘導したんです、うまくいったでしょ?っていうのは、私ならむかつく。
Aが羨ましい。若いうちに残虐なカタチで人を殺せば、真剣に向き合ってくれる大人に出会えるのか。と思ってしまうのは失礼だよね。でもそう思ってしまう。
一般的な反抗期等のこともかかれており、私自身も適切な時期にちゃんとSOSを出していたのだな、と過去の自分を振り返る。それは完全に無視されただけでなく、「理解できない」という目で見られて終わったが。
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内容は思った通りのもの。
読んでいる間、文章に違和感というか匂いのようなものが有り気になっていた。
あとがきを見てその疑問も氷解。
この作者、ちょっと変わった人で施設の人とトラブったりしている。
書かなければいいのにその下りも怨嗟で書いてしまう辺り耐性がない。
解説が有田議員という所も面白い。
どうせならそっち方面に突き抜けて書いてもらったほうが個人的には面白かった。
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あの有名な酒鬼薔薇聖斗を更生させようと奮闘した少年院の人たちの話です。かなり主観が入っているので実際はどうか分かりませんが、奮闘した感は伝わりました。著者自身が少年院で勤めていたけれど、ハラスメントを受け退職してジャーナリストになったという経歴があるので、ちょっと偏った見方がある感は否めません。でも、彼が性的サディストだったとは知りませんでした。
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少年Aは、母親に対して、愛されたいという思いと憎しみのアンビバレントな感情を抱いていたようだ。
少年Aは、性的サディズムを抱いていた事は、確かなようだ。
この本を通して、日本の少年院では非常に高度な更生プログラムがなされている事を知った。
自分の残酷性に全く無頓着であった少年Aが、多くの関係者、スタッフの努力により、最後には、被害者に一生掛けて償いたいとなるまで、更生できたのは、ある意味、奇跡的であると思う。
しかしながら、何ら反省せずに更生に失敗した場合に比べて、ベストな結果であったが、国家プロジェクトで、犯罪を犯した少年Aに、多くの優秀なスタッフが関わり、手厚い更生プログラムが行われたのは、被害者の事を思うと、また、一国民としても複雑な思いを抱く。
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この間少年Aの両親の本を読んだので、この本を見つけて読んでみました
更生に関わられた全ての方の大変さと努力と愛情を感じ、表面しか知らなかった事件のその後の事実を知りました。
仕事だからといってできる範囲を超えていると思いました
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神戸連続児童殺傷事件においての犯人酒鬼薔薇聖斗の少年Aの矯正の過程。これは今まで私が読んだ本で一番面白かった。まだ学生の頃にこのニュースが広がってずっと興味深いものがあり、少年の生い立ちや事件を起こした理由などが気になっていました。この本で全てが理解できました。矯正の過程もよく分かりました。そして完全に酒鬼薔薇聖斗が消えたことにおいては私もすごく嬉しかった。やはり周りのサポートってすっごく大事なんですよね。少年の両親の手記この子を生んで…も読んでみたいと思っています。
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単行本発行時に購入を見送ったんだよね。なんとなく食指が
動かなかった。
神戸連続児童殺傷事件の犯人である酒鬼薔薇聖斗関連の
書籍は、なるべく目を通すようにしてたのに。
なので、リサイクル書店で購入した文庫版で読んでみたの
だけれど、これってちゃんと取材してるのか?いや、して
ないよね。酒鬼薔薇聖斗、少年Aについてはかなりの箝口令
が出ていたんじゃありませんでしたっけ?
著者は東京少年鑑別所の元法務教官。でも、法務官として
勤務したのは2年くらいではなかたっか。ご自分が知っている
少年鑑別所での更生プログラムを想像で膨らませて、そこに
少年Aを当てはめたようにしか受け取れなかった。
大体、2500日の全記録が解説も含めて250ページ足らずで
語れるはずはないと思うんだが…。
「あとがき」で高い志を持って法務教官になったと書いて
いるのに、その高い志は僅か2年で捨て去ってしまったらしい。
世間の注目を集めた事件関連の書籍なのだから、憶測と想像
だけで書いてはいけないと思うの。それは「ノンフィクション」
ではなく、フィクションなのよ。
フィクションと呼びたくないのであれば、エッセイとして
欲しいわ。
以前、この著者がテレビに出ていたのを見たが、少年事件に
関してもなんのデータも持ってないようだったしな。
またタイトル詐欺に引っかかってしまったよ。_| ̄|○
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神戸連続児童殺傷事件の少年Aの矯正記録。
現在は、もう退院して社会生活を送っているけれど、本当に矯正できているのか。
すごく気になる。