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個人的な意見が多いなかで、数少ないまともに論じられている部分はのちに引用されてるものがほとんどだったので今さら読む必要はなかったかもしれない
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#多分岐エンディングのゲーム内において登場人物たちが内面を失い(自殺するウェルテルとしないウェルテルが分岐として等価なら、登場人物は実質的に何一つ葛藤も決断もしてないことになるじゃん──ってイーガンだなあ)、代わりにその行動パターンを「属性」として外見に定着させる手法が生まれた。という考察からドストエフスキーへの言及、面白い。『蓬莱学園の犯罪!』の主人公の名前は『罪と罰』が元ネタだったのか。
(2009/04/13)
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2006年刊。何か気づきのある書か、と言われれば、正直??。もちろん、私がライトノベルと称される作品の読み始めは実はここ最近。ぶっちゃけ「ココロコネクト」を偶然、TVアニメで見かけたのがきっかけ。また、1990年以降アニメーションもほとんど見ていなかったのに、「宇宙戦艦ヤマト2199」の映画視聴がきっかけ物色再開。と、個人的にはライトノベル初心者。ゆえに、90年代以降のライトノベル史を知るには役立ったかも(さすがに、ダーティペアなどのソノラマ文庫系は古く、既知事項もあったが…)。個人的には適切な選書か。
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ブクログのレビューでもたびたび見かける
「ラノベっぽい」
という言葉。
僕はあまりライトノベルは読まないので,
その「ラノベっぽい」というのがよく分かりませんでした。
本書は2006年に出版されたライトノベル文学史の入門書です。
「ライトノベル」という言葉が生まれてから,現在(2006年)までのラノベ文化の発展が,ラノベ作家である著者・新城カズマ氏の独断と偏見で語られています。
本書の冒頭にある,想定された「対象読者」によると,
・「ライトノベル」という言葉を聞いたことがあるが,なんだかわからなくて気になっている方
・仕事の都合上,あと二時間ぐらいで「ライトノベル」の概要なりとも理解しなければならない方
・読書は人生にとって有益であると考えている方
・平日にネクタイをしめている方
などなど,普段ライトノベルを読み慣れていないような方々が挙げられています。
中でも,
・読書は人生にとって有益であると考えている方
・平日にネクタイをしめている方
には,ぜひぜひ読んでもらいたい!
「ただ面白いだけ」のライトノベルを読んでみようかなという気になれます。
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ライトノベルの実作者でもある著者が、ライトノベルの歴史を回顧しつつ、ライトノベルとは何かを考察している本です。
著者はまず、ライトノベルに「マンガ/アニメっぽいイラストがついている」ことに注目します。『クラッシャージョウ』(ソノラマ文庫)などの著作で知られる高千穂遥は1974年に、『勇者ライディーン』でキャラクター・デザインを手がけた安彦良和に直接イラストを依頼しました。これが、「マンガ/アニメっぽいイラストがついている」作品の先駆けとされます。ただしそのイラストは、「アニメ絵」ではあっても「アニメ塗り」ではありませんでした。1990年になって、神坂一・あらいずみるいによる『スレイヤーズ!』(富士見ファンタジア文庫)で、セル画のような「アニメ塗り」のイラストが採用されることになり、著者はこれをもって狭義のライトノベルの誕生としています。
またイラストは、登場人物の内面についての長い説明がなくても、その「キャラクター」を一目で理解することを可能にし、そのことでライトノベルのもう一つの特徴である「キャラ」が成立したと著者は考えます。とくに「ハーレムもの」の先駆である『天地無用!』以降、「キャラ」意識が明確になったとされています。
こうしたライトノベルの特徴づけを踏まえて、これからのライトノベルの展望についても語られています。
興味深い視点もいくつか提示されているのですが、そのほとんどはくわしく展開されることなく次の議論へと移ってしまっており、ややまとまりが悪いように感じてしまいました。
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タイトル通り「ライトノベルとは何か」を書いた入門書。
14年前に刊行されたものなので、さすがに現状とは違う面もありますが、ライトノベルの土台となる部分が書かれているので、説明する際の基本はこれで押さえられます。ライトノベルに興味がある人も偏見ある人も読んで欲しいなあ。
現状との違いで一番強く思うのは、ラノベとそれ以外の小説との境目の曖昧さが強くなっていることかも。所謂ライト文芸と呼ばれるジャンルが現れ、ラノベの手法が普遍化した気がする。
しかし元々ラノベの源流は様々なジャンルにある訳だから、当然の帰着なのかも。