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みんなのレビュー13件

みんなの評価4.7

評価内訳

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13 件中 1 件~ 13 件を表示

紙の本

「擬人化された猫の世界」と「猫のままの猫の世界」の狭間

2010/02/25 20:38

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

私が本書の存在を知ったのは、『100人の心に響いた絵本100』を読んだときだった。

その書評の中で、

  次に読みたい、猫絵本も見つけた。

  なんて立派な猫!海外絵本だから原書もあるはず♪

と書いたのは、まさしく本書のことだったのだ。

ここで紹介されているページは、本書の後半部分の見開きなのだけど、
ふわふわの立派な体躯に惹かれたのである。

読みたいな、というより、第一印象は、なでてみたいな、に近かった。

私は、なぜかよくわからないけれど、子どものころから猫が大好きだった。

ヨハンナ・スピリのコルネリを、頭の中で勝手にリライトして、
「幸福な少女」を「幸福な猫」にしてしまったり。

気づくとネット世界での自己表現の根っことなる名前さえも
猫に由来するものになっていた。

猫は、「私の物語」で、外の世界と接するときの
クッションのような存在だったのかもしれない。

猫本を読み漁り、書評フェアの企画を募集しているとなると、もちろん
『百匹百色の猫』を提案してしまう。

そこまで猫の影響を受けながら、自分の周りには見事なまでに本物の猫がいない。

本書に対するmarekuro氏の書評を読んだときにも、強烈にそれを感じた。

そこには、猫の体温や猫との距離感があった。

作者・マドレーヌ・フロイドのそばに猫がいて、訳者・木坂涼のそばにも、評者・marekuroのそばにも猫がいる。

本書は、作者と猫との距離感を感じて、訳され、評されている。

評者自身が経験を基に、行間にあるものを体感して文章にしている。

短い評なのに、これは私には書けないと思った。

リアル書店で本書を立ち読みした後も、打ちのめされる形となった。

この作品のタイトルに影響するシーンを描写する表現が降りてこなかったのだ。

ここ以外は、ていねいなまでに普通の猫の描写ばかり。

肝の部分が書けないのは、イメージの猫を描写してきた自分としては致命的である。

原書を買ったら、表現の比較をブログでやるしかできないなぁと
その日は本書を持ち帰らずにそのまま帰ってきてしまったのである。

もうひとつ私にないものに気づいてしまった。

せんちょうは、満足したときは、たくさん、ごろごろ、ごろごろするのだが、
そもそも、私は、そのごろごろを聞いたことがないのである。

ちなみに、本書の原書タイトルは、『Captain's Purr』。

直訳したら、まさに、『せんちょうのごろごろ』。

彼の幸せな様子がタイトルなのである。

テキストに書かれた、たくさんのごろごろが、音声として変換できないばかりか、
そのときの猫がきっと幸せそうで嬉しそうなのだろうと想像はするのだけど、
それが実感としてわからない。

ごろごろってどんな様子なんだろう。

そんな自分に、本書は語れないんだと思った。

会えない、書けない猫に対してため息をつく日々を数日過ごすことになってしまった。

リアル猫が、いない、という理由だけで、こんなに寂しくなったことは、いままで、ない。

"I miss you."ってたぶんこんな感じだ。

この"you"は、存在しない猫、なんだけど。

その状態を数日寝かせた。

それでも、あの場面転換をどう書くかは、ずっと私の心の片隅に置かれていたのだろう。

いない猫は、私の中で、いないがゆえに存在感を持っていたのだ。

熟成させた結果、私なりに本書を語るとこんな風になる。

猫の登場する物語は、大きく分けて、
「擬人化された猫」と「猫のままの猫」がいると考える。

前者は、人語を操り、自己内省し、自分語りをし、人間のような社会の中で喜び悩む。

作品は、猫を登場させながら、人間の世界を描いているのである。

後者は、猫のままに生きており、人によってその内面を想像され、描写されるが、
猫が生きているのは、猫の世界である。

描かれているのも、人間の目を通してはいるが、猫の世界である。

本書は、基本的には、後者である。

せんちょうを見つめ、描写するのは、作者のまなざしである。

せんちょうは自己内省もしなければ、語りもしない。

基本は、寝て、寝ていないときは、体の手入れをして、寝ても手入れをしてもいないときは、食べている。

幸せなときは、いっぱいいっぱい、ごろごろごろごろ・・・・。

どこまでも、どこまでも、猫である。

このあたりの描写ではていねいにていねいに、猫生活を描きつくしているのである。

本書は、このねこが「せんちょう」と呼ばれる由来となる行動の描写だけが、
「ただ猫として猫のままに生きている猫の描写」を超える。

この描写は、これはありなのかという野暮なツッコミを超えてしまう。

せんちょうときたら、本当に本当に、幸せそうなんだよね。

この幸せのためだったら、こんなことが起きちゃってもいいかもしれないって
思うくらいに、幸せそうな顔をしている。

物語の世界では、猫が人語を操ることもあるんだから、
あなたの隣の猫にだって、こんなささやかな魔法があったっていいでしょ?

本書は、「擬人化された猫の世界」と「猫のままの猫の世界」と、
私の中ではきれいに分かれていたはずの猫物語の世界に
微妙に両方を行き来する、あるいは、
この真ん中にぼんやり存在するといった世界もありかも
と思わせてくれた1冊である。

私は、せんちょうのごろごろを、Captain's Purrを、
リアルに想像することはできないのだが、
せんちょうがどんな気持でのどを鳴らしていたのかは、
あのシーンのあの顔から想像することができる。

幸せそうなせんちょうに、乾杯!

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紙の本

淡々と猫の日常を描きつつ、ファンタジーの要素も入り込んだ1作。日常から非日常への切り替えが違和感なく、読後感は猫を抱いたような暖かさ。

2010/02/19 14:39

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:marekuro - この投稿者のレビュー一覧を見る

表紙の堂々とした体躯が印象的な猫の絵本です。
何気ない猫の一日を描写していますが、そのひとつひとつの
描写から、作者の猫に対する愛情が伝わってくるかのようです。
それは、とっても素朴ですが猫を抱いたときのような暖かさ。
ゆっくりと体温を感じるような、そういった静かな愛情だと思います。

過度に猫の生活に干渉せず、だからと言って疎遠にならず。
猫と意図的に少しの距離をもって、しかし理解を示し愛情を注いでいる。
猫に親しんだことのある方だとご理解いただけるであろう
猫独特の他者(猫)との距離の取り方を反映したような作風です。

せんちょうがなぜ”せんちょう”と呼ばれるかについてですが
この部分を書いてしまうのはネタバレになるので自重します。
ですが、「あぁ、なるほど」と納得できるものです。
とっても猫らしいけど、とっても人間っぽい、せんちょう。
なぜ、せんちょうと呼ばれるのか?という核になる場面だけは
ファンタジーなのですが、特に違和感は感じませんでした。


猫の平凡な一日を描きながら、さりげなくファンタジーの
要素を含んでおり、それも違和感なく楽しめる。
そして自分の知らないところで我が家の猫は
何をしているのだろう?と、そんな空想も合わせて楽しめる1冊です。


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紙の本

ゆったりしたい大人にもお勧め

2007/08/26 15:04

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る

猫を愛する末娘(二歳半)のために買いました。 
 大判の絵本のなかに、堂々たる体躯を誇る「せんちょう」の、ゆったりとした、なにげない日常が描かれています。添えられている文章も端的でとてもよいです。わかりやすい言葉をそえながら、ゆっくり読んでやれば、二歳児もよく理解し、楽しむことができます。
 「せんちょう」がその名で呼ばれているのかが分かるクライマックスは、思いがけずロマンチックで、ほんとうに素敵です。

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2006/10/29 14:19

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2007/10/18 18:45

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2009/07/30 23:30

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2020/09/21 13:30

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