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被爆のマリア みんなのレビュー

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みんなのレビュー27件

みんなの評価3.4

評価内訳

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26 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

平和に耐え得ない狂気を鎮魂するとしたら…

2006/07/21 23:13

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ヒロシマから語り継がれた「原爆の火」で<私>の結婚式のキャンドルに火を灯す父親のアイディアに娘は違和を感じる。その過剰なメッセージは社会的正義を体現しているからこそ、頭では抗うことは出来ない、そこに、素晴らしい「戦後平和民主主義」のメッセージが刻まれている。でも、娘は言葉にならない違和感を裡に蔵して、父親が聖人さんから分火してもらった「原爆の火」を「フツーにやりたい結婚式」に点火することに、ためらいを感じる。
 結婚式だからこそ、好い加減に妥協したくない、最初の物語『永遠の火』は全編に流れる4つの物語の助走に相応しいフツーの日常の風景の中に原爆という異化を行う。それがいかにも工夫を凝らした一番バッターのクリーンヒットという感じ。原爆に関心のない人でも、ふと、そのことについて娘とともに考え初めていることに気がつくかもしれない。
 閘門式運河のように4つの物語は4つの閘門ですね、2番目の閘門は広島平和記念公園での小児癌に罹ったことのある中学生とホールで被爆者体験の語り部をやっている老婆とミンミン蝉の降りしきる夏の盛りの真っ昼間、ベンチに並んでそれぞれの思いを噛みしめる。『時の川』は二番バッターで、三番目の『イワガミ』、四番目の『被爆のマリア』の本流につなげる役割といった格好でしょう。 『イワガミ』では等身大の作者らしい作家が登場しドキュメンタリーの趣がある。取材で訪れた全国紙の広島支局で、『磐神』という小説を発見する。それまで、様々な原爆資料や被爆者にインタビューしたのですが、一番目の『永遠の火』の娘のように言葉にならない違和を感じて作家は原爆について書くことを半ば諦めて東京に帰ろうとした矢先、被爆者宮野初子著『磐神』に出会うのです。
 記者に巫女が書いた御詠歌のような小説だと言われるが作家はこの小説に取り憑かれる。でもそれは作家にとって「イワガミ」は「賢者の石」であったのでしょう。ランディさんは一気に最後の閘門を開けて広い海原に飛び出す。満を持して弓を放つ、それが四番バッター(物語)の見事に弧を描いた『被爆のマリア』です。
 《マリア様、人の目は武器です。/どうしよう。あの人が見ています。なにか言いたげです。だんだん近づいて来ます。目が光っています。赤く光っています、》
 ランディさんの原爆の火は60年後のこの街にも灯っている。『被爆のマリア』の無惨さを日常の皮膜をめくれば、すぐそこに見出す、今そのものの世界の生き辛さ、一人一人の実存を通して発見してゆく、その呻きの向こうに作家は政治的なメッセージで回収されない、何かを作品化するしかないのであろう。キャンドルに火を灯す戸惑いをランディさんが持ち続ける限り表現の泉は枯れないと思う。
歩行と記憶

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2006/06/25 20:42

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2006/08/07 10:30

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2008/02/11 21:21

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2009/03/13 14:30

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2009/11/01 12:15

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